低音域を拡張する目的で考案された17絃箏(十七絃)を発明した人物は?
作曲家・箏曲家の宮城道雄(1894–1956)は、琴柱で拡張できない低音域を補うため1921年に17絃箏を創製した。従来の十三絃より胴を大きくし、弦を太くすることで低いC音までカバーし、合奏時のチェロ的役割を担わせた。宮城自身の代表作『春の海』や『瀬音』にも17絃が効果的に用いられ、戦後には沢井忠夫ら後進が独奏曲を作曲してレパートリーを拡大した。八橋検校や山田検校の時代には存在せず、宮城の革新的な発想が今日の箏合奏の音域豊富化をもたらした。