新潟県佐渡島の民謡踊り『佐渡おけさ』で、代表的な手振り“おけさ船漕ぎ”が表す動作は次のうちどれ?
『佐渡おけさ』は江戸から明治期にかけて北前船の船乗りが伝えたとされる港町生まれの民謡で、踊りには沿岸の生活を彷彿とさせる所作が数多く盛り込まれている。中でも両腕を大きく前後に動かす“おけさ船漕ぎ”は、船頭が櫓を操りながら狭い入江を行き来する姿を写したものだ。踊り手は膝を軽く曲げ、腰を落としながら腕で弧を描くため、実際に水を押し分けるような力強さと流麗さが同居する。タコ壺や網を扱う動作もアレンジで登場するが、公式講習会でまず教えられる基本手振りは櫓漕ぎである。佐渡島はかつて金銀山の鉱山町として栄えた一方、漁業と航海技術も発達しており、踊りの振りは島民の海への敬意と暮らしを象徴している。