落語『芝浜』で魚屋の勝五郎が拾う大金は何に入っていたか?
『芝浜』は年の瀬に語られることの多い名作人情噺。酔っ払った勝五郎が夜明けの芝浜で革の財布を拾い、中には30両の大金が入っていたと語られる。桐箱や風呂敷では砂浜で簡単に見つけづらく、重量感の描写にも不自然。信玄袋は巾着の一種で劇中には登場しない。革財布なら手ざわりや重みを表現しやすく、後に妻が夢だと諭す場面でも説得力が出るため、古今亭志ん生以来の定番描写となっている。オチでは財布を返す決断が描かれ、革の手触りが夢だったかどうかが曖昧に語られることで、聴衆に余韻と教訓を残す。