寄席で使われる『橘流寄席文字』を現在の家元として継承している書家は誰か?
橘流寄席文字は戦後の名筆家・初代橘右近が考案し、太く迫力ある筆致で観客を呼び込む意匠として広まった。二代目を襲名したのが橘右門、現在は三代目の橘右橘が家元として看板やめくり、チラシを手掛ける。寄席文字は書き手ごとに画の跳ねや払いが微妙に異なり、常連はめくりを見ただけで誰の筆かを当てることもある。書家の系譜を知ると、文字から寄席文化の歴史も読み取れる。寄席文字のワークショップも開催されており、筆を持ってみると書体の難しさと粋の感覚を実感できる。