「浪曲」という名称が『浪花節』に代わって一般化し始めたのは、社会やメディアの近代化が進んだどの時代頃か?
19世紀末から20世紀初頭の明治時代は、新聞・雑誌・レコード・演芸場など近代的媒体が急速に整備され、芸能も名称を統一しブランド化する動きが起こった。浪曲もそれまで大阪方言色の強い『浪花節』と呼ばれていたが、東京進出や全国巡業の拡大により、より洗練された印象を与える『浪曲』という表記が業界紙やポスターに採用され始める。大正期には完全に定着するが、呼称変化の端緒は文明開化の影響が色濃い明治時代に求められる。江戸期にはまだ芸能自体が成立しておらず、大正期は普及後であるため誤答となる。