『芝浜』で魚屋の勝五郎が砂浜で拾い、後に妻に夢だったと諭される財布に入っていたとされる金額は?
『芝浜』は人情噺の代表格で、飲んだくれの魚屋・勝五郎が芝の浜で大金の入った財布を拾い改心する物語。財布にあった額は演者により少し差があるものの、一般的な寄席で用いられる標準口演では「四十両」と語られる。勝五郎が四十両という当時では家が建つほどの大金を落としたと知り、欲に負けかける心理が描かれるのが聴きどころ。のちに妻が夢だったと嘘をつき、勝は酒を断ち真面目に働く決意を固める。四十両が大金である点が心情の転換装置となっている。