狂言でシテ(主役)に対して補佐的に登場し、物語を動かすことも多い役柄「アド」の説明として最も適切なものはどれか。
能楽ではシテが中心人物だが、狂言ではシテとアドの掛け合いが笑いを生む。アドは主人や太郎冠者など役柄に応じて立場が変わるが、常にシテの相手役として行動し、話を展開させる。地謡は囃子方とともに舞台横で謡う歌隊でありアドとは異なる。舞台監督という裏方概念は伝統芸能に当てはめにくい。従ってアドを端的に表すなら「相手役・助演者」である。これを理解すると、配役表を見ただけであらすじの力関係が推測でき、鑑賞がより深まる。