狂言が能と同じ舞台で演じられるとき、鏡板に老松が描かれ、観客から見て右手に橋掛かりが延びる独特の構造を持つこの舞台の呼称はどれか。
能楽の舞台は奈良県春日大社若宮御祭など神事に由来し、四本柱、大屋根、鏡板の松、橋掛かりという要素で構成される。狂言は能と同じ舞台を共有し、能舞台と総称される。歌舞伎座などは歌舞伎専用で構造も花道や回り舞台を備えるが、能舞台にはない。能舞台という語は劇場の固有名詞ではなく装置全体を指す点がポイントで、狂言鑑賞時に場所を確認すると能と狂言の演出上の近さが理解できる。以上の理由から正解は能舞台である。