五番立の番組で、滑稽味や人間の狂気を扱い、終演後には祝言の舞で締めくくられる曲目分類はどれでしょうか。
五番立は古来、神物・男物(修羅物)・女物・狂物・鬼物の順で演じられ、一日を通じて宇宙観を表現しました。四番目の狂物(きょうもの)は狂気・滑稽・舞楽性を持ち、主人公が現実と妄想を行き来する筋が多いのが特徴です。『菊慈童』や『船弁慶』(前シテ)などに見られる祝言の舞や舞楽的要素が観客の気持ちを軽くし、次に来る鬼物との対比を作ります。神物は冒頭で荘厳に神を招き、鬼物は怨霊や妖鬼を描くため内容が異なります。