伝統的に仕上げ段階で布に取り、摩擦熱で表面に光沢と防水性を付与する天然材料はどれか?
木蝋磨きはミツバチの巣から精製した蝋を柔らかい布に含ませ、ロクロで回転させながら木地に押し当てて熱で溶かし込む方法で、手触りが滑らかで自然な艶が得られる。化学塗膜がないため木の呼吸を阻害せず、紅花顔料の発色も活かす点が評価される。ウレタンニスやラッカーは硬い皮膜を形成し光沢は強いが、伝統的風合いが失われることと修理が難しい点が敬遠される。柿渋は防虫効果はあるが色味が濃く、こけし本来の白木らしさを損なうため一般的ではない。木蝋は温度で硬度が変わるため、季節ごとの配合を工夫する職人もいる。