頭部と胴部を別々に挽いた後、互いに差し込んで固定する際に用いられる日本古来の木工技法はどれか?
こけしでは胴の上端に雇いほぞを立て、頭側に対応するほぞ穴を掘り、接合用の膠や米糊を薄く塗って差し込むほぞ継ぎが用いられる。木目方向を合わせることで水分変化による割れを抑え、また回転軸が一致するため見た目も美しく仕上がる。矧ぎ合わせは板物の幅接ぎ、釘打ちやビス止めは金属を介するため木が割れやすく伝統こけしには用いない。ほぞ継ぎは強度と美観を兼ね備え、後世の修理で頭部を外して補修できる利点もある。接着硬化後に再度ロクロにかけて段差を消し、継ぎ目を感じさせないのも職人の腕の見せ所である。