荒挽き後に数カ月から一年程度行う「寝かせ」と呼ばれる工程の主目的として正しいものはどれか?
荒挽きで大まかな形を取った直後の木材は内部に多量の水分を含み、この状態で仕上げ加工や絵付けを行うと乾燥過程で収縮し亀裂やゆがみが生じやすい。そこで通気の良い蔵で半年から一年ほど寝かせ、含水率を15%前後まで下げることで寸法が落ち着く。結果として仕上げ削りで刃物が暴れず、塗料の吸い込みも均一になり美しいこけしになる。特に胴体と頭を別材で作る場合、双方が同じ含水率でないと後に緩みや割れが起こるため、この工程は欠かせない。艶出しや燻煙処理は補助的に行う職人もいるが主目的ではない。