色付きの被せガラスの表面を削り地の透明ガラスを露出させて文様を浮かび上がらせる江戸切子の技法を何と呼ぶ?
江戸切子では無色透明の生地に薄く色ガラスを被せた素材を使い、カットで表層を彫り取って地色と色層の対比を生む技法を「色被せ」という。その歴史は明治期にイギリスのカメオガラス技術を取り入れたことで本格化し、赤被せ・藍被せなど多彩な色種が誕生した。色層はわずか1〜2ミリしかないため、深く彫りすぎると地が露出しすぎ、浅いと模様が曖昧になる。職人は旋盤の回転数と刃当ての圧力を絶妙に制御し、色と透明の境界を滑らかに仕上げている。