日本における水石の形状分類で、遠くの山並みを想起させる代表的な名称はどれか?
遠山石は遠方に連なる山の稜線を思わせる景色を備えた石で、水石の形状分類の中でも最も広く知られる存在である。自然な起伏と遠近感が生む奥行きの表現が評価の要点で、雲に隠れる頂や谷筋の陰影などがあると高く評価される。洞窟石は石に空洞があることで洞穴を思わせるタイプ、滝石は石肌の筋模様や段差で滝景を連想させるタイプ、盆瀑石は盆景の用語で人工の滝流れを指し、遠山石とは異なる。さらに、山を表す石の中でも頂が雲に隠れるような姿、麓が広がる稜線の柔らかさなどが優品の条件とされる。