トレイルランニングは、自然の中を走る最も魅力的なランニング競技の1つです。険しい山道や狭い林道を駆け抜けるスリルと、壮大な景色を堪能できるその魅力に、世界中のランナーが魅了されています。そこで、この記事では、トレイルランニングの歴史や特徴、必須アイテムなど、この競技に関する10の豆知識をクイズ形式でご紹介します。トレイルランニングの魅力に触れながら、新しい発見があるかもしれません。ランナーはもちろん、トレイルを愛する全ての人に楽しんでいただければ幸いです。
Q1 : ストック使用時の国際的マナーとして正しいものは? 追い越しやすれ違い時にはストックの先端を下に向けて周囲に配慮する 登りでは先端を大きく後方に振り上げて推進力を最大化する 休憩中は地面に突き立てて自立させておく ナイトセクションでは先端を前方に高く掲げてライト代わりにする
ストック(ポール)は登坂補助と衝撃緩和に有用だが、先端が鋭いため他者に当たると事故になりやすい。国際大会や山岳ガイドラインでは、追い越しやすれ違いの際はストックの先端を地面側に向け、できるだけ身体の内側に収めることが推奨されている。振り回す、突き立てて放置する、高く掲げる行為は他者や植生を傷つけるおそれがありマナー違反とされる。
Q2 : 多くの国際的なトレイルランレースで必携装備とされるものではないアイテムはどれ? エマージェンシーブランケット サンダル 防水ジャケット ホイッスル
低体温症や遭難対策としてエマージェンシーブランケット、シームシール仕様の防水ジャケット、ホイッスルなどは多くの大会で必携とされる。一方サンダルはゴール後のリカバリー用として持参する選手もいるが必携リストに載ることはほとんどなく、コース上での使用は危険視されるため義務化されていない。
Q3 : トレイルランニングで使われる標高変化を示す指標「累積獲得標高」を英語で一般的に何と呼ぶ? Vertical Ratio Peak Count Elevation Gain Mountain Index
累積獲得標高はスタートからゴールまでに登った総標高差を合計した値で、英文の大会要項やGPSアプリではElevation Gainという表現が広く使われる。距離が同じでもElevation Gainが大きければ脚筋力と心肺負荷が跳ね上がるため、コース難易度を比較する重要指標である。Vertical RatioやMountain Indexは公式用語ではなく、Peak Countは山頂通過数で概念が異なる。
Q4 : 国際的な山岳ランニング競技のカテゴリー「スカイランニング」が規定する高度条件として正しいのは? コースの標高が常に海抜2000m以上 累積標高差が1000m未満 臨海地区で開催される コースの最高地点が2000mを超える山岳地で行われる
国際スカイランニング連盟(ISF)の定義では、スカイレースは「標高2000m以上の山岳地で行われ、平均勾配12%以上、最大30%以上」の条件を満たす必要がある。最高地点が2000mを超えることが最重要で、コースすべてが高地である必要はなく、海辺や累積標高差が小さいコースは該当しない。従って選択肢4が正解となる。
Q5 : 日本で開催される100マイル級トレイルランレース『UTMF』のFは何を意味する? 富士山 フロンティア ファスト フォレスト
UTMFはUltra-Trail Mt. Fujiの略称で、Fは日本の象徴である富士山(Fuji)を指す。富士山麓と富士五湖を巡る総距離約164kmのコースは累積標高差約8000mに達し、日本最大規模のトレイルランイベントとして国内外のランナーが集う。フロンティア、ファスト、フォレストは略称に含まれない。
Q6 : エネルギージェルの主要なエネルギー源として多く使われる糖質はどれ? ラクトース マルトデキストリン セロビオース キシリトール
エネルギージェルは素早い吸収と胃腸への低負荷を両立するため、ぶどう糖が数個連なった多糖で浸透圧が低いマルトデキストリンを主成分にしていることが多い。ラクトースは乳糖不耐症の問題があり、セロビオースは食品用途が限られ、キシリトールは糖アルコールで過剰摂取により下痢を招くため主成分には適さない。
Q7 : トレイルラン用シューズで一般的にロード用より深く設計されている部分は? シューレース ミッドソール ラグ(アウトソールの突起) ヒールカウンター
トレイルシューズは未舗装路でのグリップを確保するためアウトソールのラグを5mm前後まで深く刻むのが特徴で、泥や濡れた岩でも滑りにくい。ロード用は逆に接地面を広くして摩耗を抑える設計が多い。ミッドソールやヒールカウンターはクッション性や安定性を高めるが深さの違いは少なく、シューレースに深さという概念はない。
Q8 : 長距離トレイルレースで用いられるペース配分戦略『ネガティブスプリット』の説明として最も適切なのは? 前半を遅く後半をさらに遅く走る 前半と後半を同じペースで走る 前半を速く後半を遅く走る 前半を抑え後半にペースを上げる
ネガティブスプリットは前半を抑え、後半にペースを上げてゴールする戦略で、筋グリコーゲンや水分を温存しつつ心拍を安定させることで終盤の失速を防ぐ。起伏が激しいトレイルでは区間ごとにペースが変わるが、前半の強度を意識的に下げることで後半の急登やテクニカルな下りにも余力を残せる。前半飛ばして後半落ちるポジティブスプリットは筋損傷と低血糖を招きやすく、完走率が下がる傾向にある。
Q9 : トレイルランニングに適した補給食『ソルトタブレット』の主成分として最も多い電解質はどれ? カリウム ナトリウム マグネシウム カルシウム
発汗によって最も大量に失われるのはナトリウムで、低ナトリウム血症は意識障害を招く重大リスクとなる。ソルトタブレットは塩化ナトリウムを主体に微量のカリウム、マグネシウム、カルシウムを添加しており、急な筋痙攣やけいれんの予防に用いられる。カリウムは果物から補給しやすく、マグネシウムやカルシウムは主成分ではない。
Q10 : 世界的なトレイルランニングレース「UTMB」の正式名称として正しいものはどれ? Ultra-Trail du Mont-Blanc Ultra Trail de Matterhorn Ultra Tour du Mount Baker Ultra Trek de Mont-Baril
UTMBはフランス・シャモニーをスタートしモンブランを反時計回りに一周する約171kmの超長距離山岳レースで、正式名称はUltra-Trail du Mont-Blancである。2003年に始まり累積標高差は約10000m、世界のトップランナーが集結する象徴的大会として知られる。他の選択肢は似た語感を持つが実在しないため誤り。
まとめ
いかがでしたか? 今回はトレイルランニングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はトレイルランニングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。