デュアスロンは、トライアスロンからスイミングを除いた「ラン→バイク→ラン」の3種目から成る人気の耐久競技である。ランナーやサイクリストにも国際大会の場が用意されており、世界選手権をはじめ、多くの公式大会が各国で開催されている。本記事では、この魅力的なデュアスロン競技について、競技ルールや歴史、有名選手などを紹介する10問のクイズを取り上げる。トライアスロン経験者はもちろん、ランやサイクリングが得意なアスリートにも興味深い内容となっているので、ぜひ挑戦してみてください。
Q1 : 男子エリートでデュアスロン世界選手権を4度制覇し、『ミスターデュアスロン』と称されたベルギー出身の名選手は誰か。 リチャード・ムライ ベニー・ヴァンスティーラント ハビエル・ゴメス・ノヤ サイモン・レッシング
ベニー・ヴァンスティーラントは1997・1998・2000・2001年の世界選手権を制し、さらにロングディスタンスのPowerman Zofingenでも優勝するなど、短距離から極限距離まで無類の強さを示した選手である。戦術眼に優れ、バイクで先頭集団を形成してからランで突き放すスタイルが特徴的だった。2007年に交通事故で逝去したが、現在でも彼の4冠は男子エリート最多記録として語り継がれ、ベルギー国内では記念レースが開催されるなどレジェンド的存在となっている。
Q2 : エイジグループ向けの非ドラフティング制スタンダードディスタンス大会で、ペナルティボックスに入るよう科される標準タイムペナルティは何分か。 20秒 30秒 1分 2分
World Triathlonの現行規則では、エイジグループの非ドラフティング競技で発生した軽微な反則(マウントライン前の乗車、ドラフティングゾーン侵害など)に対する標準ペナルティは1分である。選手は第2ラン開始前または指定のペナルティボックスで1分間静止しなければならず、未消化だと失格となる。エリートのドラフティングレースでは10秒や15秒など短いペナルティが採用されるが、アマチュアは競技レベルのバラつきを考慮して時間が長めに設定されている。
Q3 : スタンダードディスタンスのデュアスロンにおいて、最初のラン区間の距離として国際的に標準とされているのは何kmか。 5 km 7.5 km 10 km 15 km
スタンダードディスタンスはWorld Triathlon競技規則で「10 kmラン、40 kmバイク、5 kmラン」の合計55 kmと定義されている。第一ランを10 kmに設定することで、フルマラソン経験者でもペース戦略を組みやすく、バイクパートとのトレードオフも明確になる。多くのナショナルチャンピオンシップや世界選手権はこの距離設定で行われ、例外はロングディスタンスなど特別カテゴリーのみである。
Q4 : デュアスロン世界選手権など国際主要大会を主催・統括している国際競技連盟の正式名称はどれか。 国際オリンピック委員会 (IOC) 国際自転車競技連合 (UCI) ワールドアスレティックス ワールドトライアスロン(World Triathlon)
デュアスロンはトライアスロンと同様に、2020年に名称変更した「ワールドトライアスロン」(旧ITU)が統括する。ルール作成、世界ランキング、ドーピング検査体制、世界選手権開催権の付与などを一元的に行い、各国連盟はこれに従う形で国内大会を運営する。UCIは自転車、World Athleticsは陸上競技の国際連盟であり、IOCはオリンピック全体を統括する組織でデュアスロン単体のルールには直接関与しない。
Q5 : ロングディスタンス・デュアスロン世界選手権として知られる『Powerman Zofingen』が毎年開催される国はどこか。 スイス オーストリア アメリカ合衆国 ニュージーランド
Powerman Zofingenはアルプスの麓に位置するスイス・ゾフィンゲンで1997年以降毎年開催され、過酷な起伏と長距離(10 kmラン→150 kmバイク→30 kmラン前後)が特徴だ。スイス特有のアップダウンと気温差が選手を苦しめ、“デュアスロンのアイアンマン”とも称される。大会はワールドトライアスロンのロングディスタンス世界選手権として公式に認可されており、他国で同名の世界選手権は存在しない。
Q6 : デュアスロン競技でバイクパートを走行する際、競技規則で『乗車前から降車後まで常に装着が義務』とされている安全装備はどれか。 サングラス ヘルメット エアロソックス イヤホン
バイクパートでは転倒や衝突のリスクが高いため、ハードシェルの自転車用ヘルメットを着用しない選手はスタートすら許可されない。トランジションエリア内でもヘルメットのあごひもを締めた状態が義務化されており、違反するとタイムペナルティまたは失格となる。サングラスやソックスは推奨装備に過ぎず、イヤホンに至っては安全上の理由でほとんどの大会で禁止されている。世界共通ルールとして徹底されている点が中長距離ロードレースとも共通する。
Q7 : スタンダードディスタンス・デュアスロンの合計距離は、国際規則で定義された数値にもっとも近いものはどれか。 45 km 50 km 55 km 60 km
スタンダードディスタンスは第1ラン10 km、バイク40 km、第2ラン5 kmの合計55 kmで構成される。55 kmという距離は、市民ランナーやロードバイク愛好者が無理なく準備できる範囲である一方、持久系アスリートには十分な競技性を提供する絶妙なバランスを持つ。トランジション時間を含めても1時間45分〜3時間程度で完走できるため、エイジグループにも人気が高い。距離短縮が認められるのは気象条件やコース事情など例外的ケースのみとなる。
Q8 : 現在のWorld Triathlonが初めてエリートの世界デュアスロン選手権を開催した年はいつか。 1987年 1989年 1992年 1990年
World Triathlon(当時のITU)は1990年にアメリカ・カリフォルニア州パームスプリングスで第1回世界デュアスロン選手権を実施したと公式年鑑に記録されている。トライアスロン世界選手権創設(1989年)の翌年にあたり、スイムを苦手とするランナーやサイクリストにも国際舞台を提供することが目的だった。その後、開催地はヨーロッパを中心に毎年移動し、ドラフティングルールや距離区分が1997年、2005年と段階的に整備されて現在の形に落ち着いている。
Q9 : エリートカテゴリーのデュアスロンでドラフティング(集団走行)が許可されているパートはどれか。 バイクパートのみ 第1ランのみ バイクと両ランすべて どのパートも禁止されている
World Triathlonのエリートレースではバイクパートに限りドラフティングが認められており、ランパートでの身体的ドラフティングは安全配慮から公式に禁止されている。許可されたバイク集団走行はスピード戦術を複雑化し、トランジション後の第2ラン勝負をよりエキサイティングにする効果がある。一方、エイジグループやロングディスタンスの多くは安全と公平性を重視し、バイクでも5m〜12mのドラフティングゾーンを設定して集団走行を規制している。
Q10 : デュアスロン競技で採用されている3種目の実施順序として正しいものはどれか。 バイク→ラン→スイム ラン→バイク→ラン ラン→スイム→バイク バイク→ラン→バイク
デュアスロンはトライアスロンから水泳を除いた競技だが、構成順序は国際統括団体が定める統一ルールで「第1ラン→バイク→第2ラン」と決められている。ランで始めることで選手をいきなり自転車走行させる危険を避けられ、観客導線や交通規制も最小限で済む利点がある。世界選手権から市民大会まで、この順序が守られていない大会は公式には存在しない。
まとめ
いかがでしたか? 今回はデュアスロンクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はデュアスロンクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。