ウイングスーツフライングを体験してみたいと思っている人も多いかもしれません。しかし、この極めて危険なスポーツには様々な注意点があり、安全に楽しむためには知識と経験が不可欠です。本記事では、ウイングスーツフライングに関する10の基本的な知識をクイズ形式で紹介します。翼面積の設計目的から世界記録、素材選択まで、専門家の解説をもとに、ウイングスーツフライングの奥深さを探っていきます。スカイダイビングの経験者やアドベンチャースポーツ好きの方はもちろん、初心者の方にも役立つ内容となっています。
Q1 : FAIが2016年に公認したウイングスーツ水平滑空距離の世界記録はおよそ何キロメートルか。
FAI公式データによれば2016年10月にアメリカのカイル・ロブプリーズが達成した32.094キロメートルがウイングスーツ単独フライトの最長水平距離記録として承認されている。高度約9800フィートから exit し約4分間のグライドで成し遂げた。15キロや25キロは過去の暫定値で公認には至らず32キロ超は最新世代スーツと高精度GPS計測の成果とされる。現時点で公式に破られていないため33キロ台以上の記録更新が待たれている。
Q2 : ウイングスーツ飛行中に機首の上下を最も大きくコントロールする身体部位はどれか。
ウイングスーツでは腕と胴体の間に張られた布地が主翼に相当し腕の角度と開き具合が機首の上げ下げを左右する最も直接的なコントロールとなる。腕をわずかに下げると迎角が増して揚力が増えるが速度が落ち腕を持ち上げれば迎角が減り機首が下がって速度が上がる。膝や足先は微調整要素に過ぎず頭部の向きは視界確保が主目的で空力への影響は限定的とされる。
Q3 : 量産型ウイングスーツの外装素材として標準的に用いられているものはどれか。
ウイングスーツの外装には引き裂き強度と軽量性を両立させたリップストップナイロンが標準的に採用されている。ナイロン繊維を格子状に織り込むため裂け目が広がりにくく安全性が高い。撥水性と低伸縮性が形状保持に寄与し重量も軽い。綿や羊毛フリースは吸水による重量増が問題でフォーム素材は硬度や加工性の面で適さない。高強度アラミドは価格や折り曲げ耐久の課題から限定用途に留まる。
Q4 : ウイングスーツを用いたベースジャンプにおいて統計上最も多い致命的事故要因はどれか。
ウイングスーツベースジャンプの事故統計をまとめたBASE Fatality Listでは地形や構造物への激突が死因の過半数を占める。高速で滑空できる反面数メートルの高度誤差が即座に壁面への衝突に直結するためとりわけプロクシミティフライトでリスクが高い。開傘不全も一般ベースジャンプでは大きな要因だがウイングスーツでは高度回復が比較的可能なため割合が下がる。酸欠や熱中症は発生例自体が少なく主要因とは認識されていない。
Q5 : ウイングスーツで翼面積を大きく設計する主な目的はどれか。
ウイングスーツの翼面積を大きくする一番の狙いは、空気を取り込むラムエアセルが膨らんだときに生まれる揚力を最大化し沈下率を減らすことで前方への滑空距離を伸ばす点にある。面積が拡大すると抗力も増えるが揚力の増加幅が大きく結果としてより長い滞空が得られる。制動や着地距離の短縮はパラシュート設計のテーマでありウイングスーツ自体の主目的ではない。また回転性能は翼を狭くしたアクロバット用の方が高いとされる。
Q6 : 中型クラスのウイングスーツで一般的に報告される平均グライド比はおよそどれか。
現在市販されている中型クラスのウイングスーツでは体重や姿勢が適正な条件下で平均して得られるグライド比はおよそ1対3前後とされる。高度1000メートルから水平約3000メートル進める計算である。気象や体格、スーツモデルにより2.5程度しか出ない場合や3.5まで伸びる場合もあるが1対3は訓練を受けたパイロットが安定姿勢で出せる代表値として業界資料に広く掲載されている。
Q7 : USPAなどが推奨するウイングスーツ初挑戦時の最低スカイダイビング経験回数はおおむね何回か。
アメリカUSPAや欧州各国連盟が示す統一ガイドラインではウイングスーツを初めて使用するには少なくとも200回の通常スカイダイビングを完了していることが推奨条件となる。高度変化への姿勢制御や緊急時の切り離し操作を無意識に行える経験値が必須だからである。100回以下ではフレアやトラッキングさえ未熟なことが多く事故統計でも経験200回未満の導入は事故率が急増することが明示されている。
Q8 : 飛行後のデブリーフでウイングスーツパイロットが最も重視する計測機器はどれか。
ウイングスーツパイロットが後で飛行経路や速度を検証する際に欠かせない機材がGPSロガーである。緯度経度だけでなく高度や対地速度垂直降下率を秒単位で記録できるため映像だけではわからない空力効率やライン選択の良否を客観的に分析できる。高度計や無線機も安全運行には重要だがデブリーフ用データ取得という観点ではGPSが最重要というのがトレーニング現場の共通認識となっている。
Q9 : スカイダイビングの基本動作「トラッキング」とは次のうちどの姿勢を指すか。
トラッキングは胸と股関節を伸ばして体を真っ直ぐにし表面積を最小限に抑えながら空気を後方へ流して水平速度を稼ぐ基本技術を指す。重心を後方に引いて抗力を増やすわけではなく腕脚を一直線に伸ばした姿勢が正しい。これにより低抗力高滑空のベクトルが得られフォーメーション離脱や安全間隔確保に利用される。ロールや急降下姿勢は意図も効果も異なるためトラッキングとは別概念である。
Q10 : 単独のウイングスーツベースジャンプで最も一般的に使用される離陸地点はどれか。
ベースジャンプでウイングスーツを用いる場合離陸地点として最も一般的なのは山岳や峡谷に形成された切り立った断崖である。充分な落差が確保でき前方に広い空間があるためラムエアセルの膨張と加速に必要な時間を取れるからだ。ビルや橋もベースジャンプの対象物だが地形制約が大きく滑空距離を生かしにくい。熱気球は高度を稼げても気流の影響を受けやすく離陸場所としては少数派にとどまる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はウイングスーツフライングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はウイングスーツフライングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。