TPIはTransfer Port Injectionの略で、クランクケース圧を利用して混合気を掃気ポートへ直接噴射する方式。従来のピストンリードバルブ吸入後キャブレター霧化に比べ燃焼効率が向上し、オイルは分離給油でECU制御されるため排ガス中の未燃焼オイルとHCが大幅低減。結果として欧州Euro4以降規制をクリアしながら2ストローク特有の軽量・ハイレスポンスを維持できる。混合比の手動調整も不要で標高2000m超でもセッティングズレが起こりにくく、長時間のエンデューロでライダーの負担を軽減。今日ではKTM以外のメーカーも同様技術を追随している。