モトクロスクイズ – 走りの頂点を目指して
モトクロスは、ダート、泥、ジャンプなど過酷な路面を高速で駆け抜けるスリリングなスポーツです。世界中から熱狂的なファンを集める人気競技の中で、トップアスリートたちは日々精進を重ね、次代の担い手を育ててきました。本記事では、そうしたモトクロスの歴史や最新トピックを10問のクイズで紹介します。MXGPやAMAといった世界トーナメントの知識はもちろん、テクニックやギア、選手たちの功績までも網羅。モトクロスの魅力に迫る一冊です。
Q1 : 外足荷重と車体内側への足出しスタイルを確立し『キング・オブ・スーパークロス』の異名を取った90年代の名ライダーは?
ジェレミー・マクグラスは1990年代にAMAスーパークロスで通算72勝、450SXタイトル7回を記録し『キング』と称された。外足を強くペダルに押し付け内足を前に突き出すフォームでターンの安定性を向上させ、トリプルを含むリズムセクションを高速で繋ぐ“スーパークロス的”ライン取りを定番化。スタジアムレースの観戦スタイルすら変えた存在だ。欧州出身のベイル、現代のビロポートやムスキャンも強豪だが、スーパークロス文化を象徴するアイコンはマクグラスである。
Q2 : スタート時にフロントフォークを縮めて車体姿勢を低くし前輪浮きを抑える装置は何と呼ばれる?
ホールショットデバイスはスタート前にフロントフォークを圧縮させ、その位置で機械的にロックして前荷重を稼ぐ装置。加速で前輪が浮きにくく駆動ロスを減らせるためホールショット獲得率が向上する。1コーナーのブレーキングでフォークが伸びると自動解除され通常ストロークに戻る仕組みで、コーナリング性能に影響は残らない。リンクプレートはリアサスのパーツ、ローターガードやラジエータースキンは防護部品で機能が異なる。
Q3 : 1970年代後半にリンク式モノサスペンション『フルフローター』をRMシリーズに投入し、一躍サスペンション革命を起こした日本メーカーは?
スズキは1979年型RM125/250にリンク式モノサス『フルフローター』を導入し、シートレール側とスイングアーム側双方を可変レバー比で連結した。これによりストローク初期の柔軟さと後半の踏ん張りを両立し、ライバルより長いリアサスストロークを実現。当時GPでタイトルを量産していたRMは、この構造で追随を許さず、他メーカーもモノクロス(ヤマハ)、プロリンク(ホンダ)、ユニトラック(カワサキ)と独自リンクを開発する契機となった。
Q4 : FIMジュニアモトクロス世界選手権(Junior MX World Championship)が想定する選手の年齢範囲は?
ジュニアMX世界選手権は世界各国の若手を対象に85cc、125cc、250ccの3カテゴリで争われ、参加資格は年度末時点で10~17歳のライダーに限定される。早期から国際舞台を経験させることで安全意識とスポーツマンシップを養い、MXGPやAMAで活躍する将来のスターを発掘するのが目的だ。ティム・ガイザーやホルヘ・プラド、ジェット・ローレンスら現GP/AMAのトップも同大会でタイトルを獲得しており、育成の登竜門として重要視されている。
Q5 : AMAプロモトクロス選手権の2023年シーズンで450MXクラスを全22ヒート完全優勝した史上初のライダーは誰?
ジェット・ローレンスは2023年に250MXからステップアップし、450MXクラスで開幕戦から最終戦まで22ヒート全勝という前人未踏の完全優勝を達成した。19歳の若さでの偉業はリッキー・カーマイケルの無敗記録をも上回り、AMA史に名を刻んだ。スタート能力、ライン選択、タイヤマネジメントなど総合力が際立ち、マシン開発を担ったホンダHRCとの連携も高評価を得た。兄ハンターとの兄弟ダブルタイトルや、2024年のスーパークロス挑戦への布石としても注目を浴びている。
Q6 : ジャンプの頂点で車体を寝かせ空気抵抗を減らすテクニック「スクラブ」を実戦で体系化し普及させたとされるライダーは?
スクラブはジャンプのピーク手前で車体を路面と平行まで寝かせ、滞空時間を削って素早く着地し加速へ繋げる高度技。2000年代前半、ジェームズ“ババ”スチュワートがAMAスーパークロスで多用し、映像や雑誌を通じて世界に広まった。従来の高く美しいジャンプよりもタイム短縮を優先する考え方は大きなパラダイムシフトを引き起こし、現在ではトップカテゴリーのみならずアマチュアでも必須技術となった。他の名手も存在するが、その先駆者として最も名を残したのがスチュワートである。
Q7 : モトクロス用タイヤのトレッドに立つ突起状のパターンは何と呼ばれることが最も一般的か?
オフロードタイヤには泥や砂を掻き出して路面を捉えるため、角ばった突起が多数配置される。この突起は一般に“ブロック”と呼ばれ、配置や高さでトラクション、セルフクリーニング性、倒し込みの挙動が変化する。舗装用の“スリック”は完全にブロックがなく、雨天用の“サイプ”は細い切れ込みを示す用語、ショルダーはタイヤ外周の肩部分を指す部位名称であるため混同されがちだが、モトクロス分野で主流の呼称はブロックである。
Q8 : ヘルメットに装着する『ロールオフ』はモトクロス走行中の何を解決する装備か?
ロールオフはゴーグルに幅広フィルムを横方向に張り、視界に泥が付いた際にライダーが紐を引いて汚れた部分を巻き取る仕組み。クリアなフィルム面が常に前面に現れるため、雨や泥の多いレースでも安全な視界を確保できる。板状フィルムを一枚ずつ剥がすティアオフに比べ、環境へのゴミ排出が少なく規制にも適合する。ハンドルの防振材やマフラーの消音バッフル、チェーンの潤滑用品とはまったく異なる用途のギアである。
Q9 : FIMモトクロス世界選手権(MXGP)の最高峰クラスは現在、規則上どの排気量区分で争われている?
MXGPクラスは2014年に旧MX1から改称され、4ストロークは最大450cc、2ストロークは250ccまでとFIM競技規則に定められている。450cc4ストは出力特性と耐久性で優位にあり、現在のファクトリーマシンの主力排気量だ。かつて存在した500cc2ストや650cc4ストは環境面や取り回しの問題で淘汰され、250cc4ストは下位クラスMX2へ編入された。こうしたレギュレーションにより、メーカーは同一排気量で競い合う均衡したレース環境を構築している。
Q10 : モトクロスでよく使われる用語「ホールショット」は何を指す?
ホールショットはゲートが開いてから最初のコーナーをトップで通過する行為を示す。短い直線での反射神経、クラッチ操作、ギア選択、路面グリップを読み切ったスタートダッシュが必要で、専用の賞金やポイントが設けられる大会も多い。ホールショットを取ると前方の視界が開けてラインも自由に選べるため、レース全体の主導権を握りやすい。低いジャンプやフープス攻略、ウイリーなど他のテクニックとは別概念であり、スタート局面だけの勝負を意味する。
まとめ
いかがでしたか? 今回はモトクロスクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はモトクロスクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。