ドラッグレースは、自動車レースの中でも最も過激なエキサイティングなジャンルの1つです。
一般の街中とは比べものにならない驚異的なスピード感と加速力を誇る特殊なマシンたちが、わずか数秒の熾烈な勝負を繰り広げます。
本クイズでは、そんなドラッグレースの魅力や歴史、テクノロジーなどについて、様々な角度から10問出題しました。
ドラッグレースの世界を存分に味わっていただければと思います。
Q1 : ブラケットレース方式では、速い車と遅い車が公平に競うために用いられる『ダイアルイン』は何を意味する数値か? 推定最高速度 推定出力 自己申告ET 車両重量
ブラケットレースでは参加者が事前に自身の車で出せると思われるETを1/100秒単位で宣言し、それがダイアルインとなる。スタート時は遅いダイアルインの車が先に発進し、差分だけ時間をおいて速い車が出走するハンディキャップ方式を取る。ゴールで自己のダイアルインを下回るとブレイクアウトで失格となるため、単に全開で速く走るのではなく、安定したタイムを刻む技術とメカニック的な再現性が勝敗を決める。これにより出力差数百馬力の車両同士でも緊迫した接戦が実現する。
Q2 : ドラッグレース車両が装備するパラシュートは、通常どの速度域からの減速を想定して設計されているか? 50〜80km/h 320km/h以上 120〜150km/h 200km/h未満
パラシュートはブレーキシステムにかかる熱負荷を補助し、超高速域から確実に停止距離を短縮するための装備だ。トップフューエルやFunny Carでは終速が500km/hを超えるため、レース後半で約520km/hから開傘し4〜5Gの減速力を得る。パラシュートコードやキャノピーは空力加重数トンに耐える特殊素材で作られ、開傘タイミングが早過ぎるとカーブールしロス、遅過ぎると停止距離が不足する。停止後はドライバー自ら手で畳み、クルーがCO2ボトルを補充して次の走行に備える。
Q3 : トップフューエルドラッグスターが0-100 km/hを達成するのに要する時間として最も近いものはどれか? 約2.5秒 約1.8秒 約0.7秒 約4.0秒
トップフューエルは燃料にニトロメタンを使い1万馬力超、車重約1トン弱という化け物マシンで、クラッチが噛んでから0.7秒前後で100km/hに到達する。これはF1マシンや最新EVハイパカーの2〜3倍以上の加速性能で、ドライバーには横方向が無い分、前後方向で5G以上の荷重がかかる。0.8秒時点では160km/h、3.7秒で終速520km/hに達し、同距離走行中にジェット戦闘機のカタパルト発進に匹敵するGを持続的に受け続けるため、専用ハーネスや防火スーツといった装備が欠かせない。
Q4 : ドラッグレースで最も一般的な距離である「クォーターマイル」は、およそ何メートルに相当するか? 201.17m 304.80m 402.33m 804.67m
クォーターマイルは1マイルの4分の1を意味し、1マイル=1609.34mなので数値は約402.336mになる。NHRAをはじめ世界中の公式戦で採用される標準距離で、計測機器やデータ解析の基準もこの長さに合わせて設計されている。近年トップフューエルのみ安全性向上のため1000フィート制を併用するケースもあるが、依然として402mはドラッグレースの代名詞的存在であり、そのタイムは競技者の実力を示す最重要指標とされる。
Q5 : ドラッグレースの公式タイムシートに記載される「Reaction Time」とはどの瞬間からどの瞬間までの時間を示す指標か? スタートラインを越えてからフィニッシュラインを通過するまで クリスマスツリーのグリーンライトが点灯してから車両がスタートライン上の光電管を離れるまで エンジン回転数がレブリミットに達してから変速するまで バーンアウト開始から終了まで
Reaction Timeは発進の素早さを評価する数値で、グリーンライト点灯からフロントタイヤがステージビームを切って車両が動き始めるまでを1/1000秒単位で計測する。ETとは異なり走行距離は含まれず、ここで稼いだ僅かな差が同じETの勝負を分けるホールショット勝利を生む。反応が遅れると赤信号よりも致命的なタイムロスになるため、上級ドライバーほど照準を合わせる練習を徹底している。
Q6 : NHRAの『Funny Car』クラスを特徴づけるポイントとして正しいものはどれか? フロントエンジンで300mm幅のスリックタイヤを用いる アルコール燃料のみを使用しオープンホイールである 市販車ベースのエンジンをターボで過給することが義務付けられている 一体成形のカーボンファイバーボディ全体を前方に跳ね上げて乗降するクローズドボディ構造を採用する
Funny Carはトップフューエルと並ぶプロクラスで、実車を思わせるシルエットを保ちつつもシャシーは専用チューブフレーム、ボディは軽量カーボン製シェルを一枚物で覆う。ドライバーは前方に持ち上がるボディを開けて乗り込み、整備もボディを跳ね上げた状態で行うのが特徴だ。燃料はトップフューエルと同じ最大約90%のニトロメタンを使用し、1万馬力超の出力で400mを3秒台、終速520km/h以上を記録する超過激カテゴリーである。
Q7 : ドラッグレースでタイヤのグリップを高めるために行う『バーンアウト』は主にどの目的で実施されるか? タイヤを高温にし、路面に薄くゴムを溶着させることで発進時のトラクションを上げる エンジンを冷却して出力低下を防ぐ 燃料消費率を計測する ギア比を確認する
バーンアウトはスタート前に水を撒いたバーンアウトボックスで後輪を空転させ、スリックタイヤを100℃前後まで加熱し粘着性を高める儀式である。加熱と同時にタイヤ表面の油分や砂利を焼き飛ばし、路面に新しいラバー皮膜を置いて自車と後続車のグリップを向上させる効果もある。プロクラスではクルーチーフが白煙量やタイヤ温度を目視確認し、適度な温度になるよう距離や回転数を指示するなど、単なるパフォーマンス以上に競技結果を左右する重要工程となっている。
Q8 : 『ホールショット』勝利とは、2台が同じETだった場合にどのようにして勝敗が決まる状況を指すか? フィニッシュ速度が速い方が勝つ ETが遅くてもReaction Timeが良く先にフィニッシュラインを通過した方が勝つ バーンアウト時間が短い方が勝つ 後輪が早く浮き上がった方が勝つ
ETは走行区間に要した純粋な時間だが、実際の勝敗判定はフィニッシュラインを先に通過した車に与えられる。スタート反応が鋭ければ、たとえ相手より0.05秒遅いETでも先着できるケースがあり、これがホールショット勝利である。レースでは予選で速いタイムを出すことだけでなく、決勝で安定して0.05秒台以下のReaction Timeを連発できるドライバーがタイトルを制するため、心理戦と集中力が重要視される戦術的概念となっている。
Q9 : トップフューエルドラッグスターのドライバーが着用する『HANSデバイス』の主な役割は何か? 身体を冷却する スロットル操作を補助する 視界を拡大する 衝突やパラシュート開傘時に頭部が前方に振られる力を抑え頸椎損傷を防止する
HANSはHead and Neck Supportの略で、カーボン製カラーとシートベルトを連結し、突然の減速でヘルメットが慣性で前に振られる動きを制限する安全装置である。トップフューエルでは0.8秒で160km/h、終速520km/hからのパラシュート減速など、頭部に数十Gがかかる場面が頻繁に発生する。HANSが無かった時代には頸椎骨折や脳挫傷が多発したが、導入後は重篤事故が激減し、現在ではFIA・NHRAを問わずプロクラスで着用が義務化されるほど重要度が高い。
Q10 : スタートシグナル装置『クリスマスツリー』においてプロカテゴリで一般的に使用される点灯順序は次のうちどれか? アンバー3灯が同時に0.4秒点灯し、その直後にグリーンが点くプロスタート方式 アンバー3灯が0.5秒間隔で順番に点灯してからグリーンになるスポーツマン方式 赤→黄→緑の交通信号方式で3秒間の予備時間がある グリーンのみが点灯し赤は使用されない
クリスマスツリーにはプロスタートとスポーツマンスタートの2種類がある。トップフューエルやFunny Carなどのプロクラスでは3つのアンバーが同時に点灯して0.4秒後にグリーンが点く高速進行が採用されるため、反応時間は0.06秒台でなければ競争にならない。一方アマチュア向けのスポーツマンでは順次点灯で合計1.5秒の余裕がある。プロスタートで早過ぎると赤ランプが点灯し失格となるため、ドライバーは0.000秒に限りなく近いタイミングを狙う。
まとめ
いかがでしたか? 今回はドラッグレースクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はドラッグレースクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。