近年、注目を集めるようになったフリースタイルスキーのモーグル種目。数多くの観客を魅了する華麗なターン、高難度の空中姿勢、そして驚くべき速さは、まさに「スキーの芸術」と呼ぶにふさわしい競技スタイルです。そんなモーグルの魅力を深く知るべく、採点基準や歴代優勝者、テクニックなど、ここでしか知り得ない豆知識をお届けします。モーグルクイズを通して、この競技の魅力に迫ってみませんか。
Q1 : 2014年ソチオリンピック男子モーグルで金メダルを獲得した選手は誰か?
カナダのアレクサンドル・ビロドーは2010年バンクーバーに続きソチでも優勝し、モーグル男子初の2大会連続五輪金メダリストとなった。決勝スーパーファイナルではクリーンなターンとバックダブルフルの高い完成度でスコアを伸ばし、当時台頭していたキングズベリーを抑えた。ロシアのスミルノフ、ノルウェーのホルムは決勝進出していないため選択肢として誤りである。
Q2 : モーグル競技においてターン点が総合得点に占める割合はどれくらいか?
フリースタイルスキー・モーグルの採点比率はFISが世界共通で定め、ターン60%、エア20%、タイム20%となっている。コブ斜面をいかにリズムよく正確に滑るかが競技の本質であるため、ターンの配点が最も高い。エアやスピードだけでなくターンが乱れれば高得点は得られない。FISワールドカップもオリンピックも同一比率で行われ、50%や40%という配点は存在しない。
Q3 : 2023-24シーズンのFISモーグルワールドカップ開幕戦が行われた国はどこか?
2023-24シーズンの開幕戦は例年通りフィンランド・ルカで11月に開催された。同地は北極圏に近く、初雪が早いことからシーズンの幕開けを飾る会場として定着している。人工雪と低温管理に優れ、ターンの掘れ方が速いため選手の技術が試されるコースで有名だ。北米勢もヨーロッパ遠征の初戦として重視し、カナダやアメリカの有力選手がここで調子を上げていく。スウェーデンのイドレやカナダのトレンブランもW杯開催地だが開幕戦ではない。
Q4 : モーグル競技で採点を構成する三つの主要要素は「ターン」「タイム(スピード)」ともう一つは何か?
モーグルの採点はFISが定める基準で、ターン60%、エア20%、タイム20%の割合で評価される。ここでいうエアはエアセクションで行うジャンプ中の難度や完成度、着地姿勢の正確さを指す。ラインやテクスチャは公式項目ではなく、スタイルという言葉も総合的な印象を表す俗称にすぎない。したがってターンとタイムに並ぶ正式な第三要素はエアであることをおさえておきたい。
Q5 : 2022年北京オリンピック女子モーグルで金メダルを獲得した選手は誰か?
2022年北京大会の女子モーグル決勝ではオーストラリアのジャカラ・アンソニーが83.09点という高得点で金メダルを手にした。前回王者のフランスのペリーヌ・ラフォンは4位に終わり、日本の川村あんりは5位という結果だった。アンソニーの勝因はターンでの高い安定性と、高難度のバックフルツイストを完璧に決めたエアの出来映えで、審判の高評価を集めたことにある。
Q6 : モーグル用スキー板の特徴として誤っているものはどれか?
モーグル板はコブ斜面でのクイックな切り返しと吸収動作をしやすくするため、全長が短くフレックスも柔らかめ、前後両端が反り上がったツインチップ形状が主流である。またエアで後ろ向きに着地する場合を考え、ビンディングはややセンター寄りにセットされる。一方、深いサイドカーブはカービングで大きな遠心力を得るアルペン系の設計思想で、モーグルでは浅めが一般的。したがって選択肢3のみが誤りとなる。
Q7 : モーグルW杯で男女通算最多優勝記録を持つ選手は誰か?
カナダのミカエル・キングズベリーは2010年からW杯に参戦し、2024年シーズン途中で通算86勝を達成して史上最多となった。これは男子はもちろん女子を含めた全選手中トップの記録である。抜群のターン精度と、ダブルフルやコーク1080などの高難度エアを安定して決める技術が強さの源。デール・ベッグ=スミスはオーストラリア代表で18勝、上村愛子は日本最多15勝、ラフォンは女子歴代2位クラスだがキングズベリーの勝利数には及ばない。
Q8 : 日本勢としてオリンピックのモーグル種目で初めてメダルを獲得した選手は誰か?
1998年長野オリンピック女子モーグルで里谷多英が金メダルを獲得し、モーグルのみならずフリースタイルスキー全体で日本史上初の冬季五輪金メダリストとなった。地元開催の重圧の中、ターンでトップ評価を受け、フロントフルやヘリコプターといった当時としては高難度のエアを成功させたことが勝因。原大智は2018年平昌で男子銅、上村愛子と西伸幸は入賞経験はあるが五輪メダルは未獲得である。
Q9 : FIS規格のモーグルコースで男子決勝の優勝タイム目安とされる上限はおおよそ何秒以内か?
FISはコース長や斜度とあわせ、競技時間の目安をガイドラインで示している。男子エリートの場合、急斜面で約250〜270mのコースを滑り降り、22〜30秒の範囲に収めることが理想とされる。これより速いと安全性や審判の視認性に問題が出る一方、遅すぎるとスポーツ性が損なわれるためだ。したがって上限を区切る設問では「30秒以内」が適切な答えとなる。35秒や40秒はジュニアや緩斜面を含む大会での基準であり、トップカテゴリーでは長すぎる。
Q10 : モーグルのエア技である「スピンコーク1080」を最も正確に説明しているものはどれか?
コーク系は身体が斜め軸に傾いたまま回転するオフアクシススピンの総称で、宙返りの軌道を描きつつも純粋なフリップではない点が特徴。数字は合計水平回転量を示し、1080は360°×3回転に相当する。したがってスピンコーク1080は斜め軸で3回転を行いながら宙返り的動作も含む高難度技で、空中姿勢の維持と着地の合わせが難しい。後方宙返りだけの技や水平720°とはまったく異なる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はモーグルクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はモーグルクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。