ノルディック複合は、スキージャンプとクロスカントリースキーを組み合わせた競技で、冬季五輪の人気種目の一つです。ジャンプの飛距離とクロカンの走破タイムを総合的に評価するこの競技には、選手の高い技術と体力が必要とされます。今回のクイズでは、ノルディック複合の基本ルールや歴史的な背景、有名選手など、この競技に関する様々な知識を問います。競技の仕組みやスポーツとしての魅力を理解を深めていただければ幸いです。
Q1 : ノルディック複合のワールドカップを統括し、公式ルールを定めている国際組織はどれか?
ノルディック複合はジャンプとクロスカントリーを含むスキー競技なので、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が管轄する。FISは用具検査、ジャンプ台規格、得点換算など技術ルールを定め、ワールドカップや世界選手権の運営も行う。IOCは五輪実施決定機関、ISUはスピード・フィギュアスケート、IBUはバイアスロンを統括する別団体であり、ノルディック複合のルール設定には関与しない。従って正解はFISとなる。
Q2 : ノルディック複合の個人ノーマルヒルで使用されるジャンプ台のK点は一般に何メートル付近か?
ジャンプ台はK点(設計標点)の距離で区分され、ノーマルヒルはK75〜99mと定義されている。複合個人ノーマルヒルでは安全性と技術の均衡を重視し、K点がおよそ90m、ヒルサイズ100m前後の台が標準とされる。ラージヒル(K120前後)は飛距離差が大きく複合には向かないため個人ノーマルヒルには用いられない。現在のFISカレンダーに載る主要大会でもK90±数メートルの台が採用されており、観客にも馴染み深い距離だ。
Q3 : ノルディック複合ワールドカップで日本人として史上初の総合優勝を果たした選手は誰か?
荻原健司は1992/93、1993/94シーズンにワールドカップ総合王者となり、日本勢として初めてクリスタルグローブを獲得した。高いテレマーク姿勢に代表されるジャンプ技術と、粘り強いクロカン走力を兼ね備えており、当時の強豪フィンランド勢を凌駕した。兄弟の次晴も後に表彰台を重ねたが総合優勝はない。渡部暁斗は2017/18シーズンに日本勢として2人目の総合優勝を達成した。従って初の達成者は荻原健司である。
Q4 : ジャンプ時に使用するスキー板の最大長さは、選手の身長の何パーセント以内とFISが定めているか?
ジャンプスキーは長いほど揚力が増すが、安全性低下を防ぐため長さに上限が設けられている。FIS規定では選手の身長の145%以内が原則で、さらにBMI18.5未満の場合は1ポイントにつきスキー長を1%短縮させるペナルティが科される。これは過度な減量による健康被害を抑止するため導入された。ノルディック複合も純ジャンプ競技と同じ基準を適用しているため、身長170cmの選手なら最大約246.5cmの板まで使用可能という計算になる。
Q5 : ノルディック複合団体戦で、1人あたりのクロスカントリー走行距離は通常何キロメートルか?
団体は4人1組のリレー形式で行われ、各選手が5kmずつ走行し、合計20kmになる。距離設定は1980年代終盤から現在まで一貫しており、短すぎると順位が動かず、長すぎると競技時間が延びすぎる欠点を避けるため5kmに落ち着いた。ジャンプの合計点からタイム差を算出し、第1走者がウェーブスタートするため、序盤から大きなドラマが生まれる。5kmという距離はスプリントと持久力の両面が問われ、戦術性を高めている。
Q6 : 次のうち、現在の冬季オリンピックで正式種目として採用されていないノルディック複合の形式はどれか?
マススタートはクロスカントリーを先に行い、その順位に応じてジャンプ順と加点を決める形式で、2009年世界選手権などで実施されたが五輪では一度も採用されていない。ガンダーセン方式(ジャンプ先行)、ラージヒル個人、団体4×5kmはすでに五輪の定番種目である。マススタートは観客に分かりやすい長所がある一方、ジャンプ後の順位確定が複雑になり風の影響を受けやすいことから五輪採用に至っていない。
Q7 : ノルディック複合の種目名に冠されているガンダーセン方式の『ガンダーセン』とは何に由来する名称か?
ガンダーセン方式はノルウェーの元複合選手グンダー・ガンダーセンが1980年代に考案した判定法で、彼の姓がそのまま方式名として定着した。従来はジャンプとクロカンの得点を単純合算するため途中経過が分かりにくかったが、ガンダーセン方式ではジャンプ得点を時間差に換算することで『先にゴールした選手が優勝』という明快なルールを実現。観客の理解が飛躍的に高まり、1985年世界選手権で試行後、すぐに五輪やW杯へ採用が拡大した。
Q8 : ノルディック複合の競技では同日に2種目を行うが、通常最初にスタートする種目はどれか?
ノルディック複合はスキージャンプの得点をクロスカントリーのスタート順とタイム差に変換するガンダーセン方式が基本であるため、まずジャンプを実施しないとタイム差を算出できない。安全面を考慮して午前中にジャンプを終え、午後にクロカンを行う大会が多い。仮にジャンプが強風で中止になると、競技日を変更してでも先にジャンプを行うほど順序は厳格である。こうした運営事情から、競技は必ずスキージャンプから始まる。
Q9 : 2022年北京オリンピックのノルディック複合個人ノーマルヒル/10kmで金メダルを獲得した選手は誰か?
北京大会の個人ノーマルヒルでは、ドイツのヴィンツェンツ・ガイガーが前半ジャンプ4位からクロスカントリーで驚異的な追い上げを見せ、最終ラップでノルウェー勢をかわして逆転優勝した。リーベルはジャンプ首位だったが体調不良で順位を落とし、フレンツェルは新型コロナ隔離のため出場できず、グラーバックは銀メダルに終わった。ガイガーにとっては個人で初の五輪金メダルという歴史的快挙であった。
Q10 : ガンダーセン方式の個人戦では、スキージャンプの得点1点差はクロスカントリーで何秒の差に換算されるか?
ガンダーセン方式はジャンプの得点差を時間に置き換えてスタート順を決めることで、レース展開を分かりやすくする発想から生まれた。FISが現在採用している換算係数は1点=4秒で、たとえばジャンプで10点上回れば40秒先にスタートできる。距離や台のサイズによって係数が調整されるケースもあるが、通常の個人ノーマルヒル/ラージヒルでは4秒が国際標準となっており、世界選手権や五輪でも同じ基準が用いられる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はノルディック複合クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はノルディック複合クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。