オープンウォータースイミングは、プール競技とは一線を画す過酷な環境で行われるスイミング競技です。水温、潮流、視界の悪さなど、多くのリスク要因が常に選手たちを脅かします。しかしそれを乗り越え、自然の中で泳ぎ抜く喜びや達成感は、通常のプール競技とは比べ物にならないほど大きいのが魅力です。本クイズでは、オリンピックや世界選手権で行われるこの種目の様々なルールや歴史、特徴などについて出題しています。オープンウォータースイミングの魅力と厳しさを感じとっていただければ幸いです。
Q1 : ドラフティング(他選手の後流を利用する泳ぎ)に関して競技規則上認められている行為はどれか?
オープンウォータースイミングでは同一競技者間のドラフティングは戦術の一部として容認されており失格対象にならない。一方、モーターボートや救助艇の引き波を意図的に利用する行為は機械的推進を受けたものと見なされペナルティとなる。またコースマーキングに触れて推進力を得るのも違反行為である。したがって合法なのは他選手の後流に入る行為のみである。
Q2 : コース取りのためのサイトニング(ヘッドアップ)を行う推奨頻度として最も一般的に紹介されるのは何ストロークに一度か?
サイトニングは進行方向のずれを早期に修正しつつ、頭を上げることで失われる推進効率を最小限に抑える回数のバランスが重要とされる。多くの指導書やコーチが推奨するのは6〜8ストロークに一度で、この頻度なら誤差が広がりすぎずフォームの崩れも抑えられる。2〜3では過多で抵抗が増し、15〜20ではコース逸脱リスクが高い。よって最も妥当なのは6〜8ストロークに一度である。
Q3 : イングランド海峡横断泳で一般に用いられる最短ルートはどの地点間とされているか?
イングランド海峡で最も距離が短いのは英ドーバーから仏カレーを結ぶ海峡中央部の約34kmで、潮流による蛇行を考慮しても他のルートより時間的に有利とされる。歴史的にもマシュー・ウェッブ船長の初横断以来多くの記録挑戦がこのルートで行われ、チャネルスイミング協会CSAも公式距離を同区間で認定している。ニューヘイブンやフォークストン発着のルートは存在するが距離と海況面で標準ではないため、本問の正解はドーバー‐カレー間である。
Q4 : 低体温症の初期兆候としてオープンウォータースイム中に最も一般的に現れる症状はどれか?
水温が低い環境では体熱が急速に奪われるため視床下部の体温維持機構が作動し、骨格筋の細かな収縮として震えが出現する。これは代謝熱を上げる防御反応で、低体温症ステージ1の典型的サインとされる。頭痛やしびれは二次的、身体が暖かく感じるのは末期症状に近く危険度が高い。従って早期発見と対処を行う上で最もわかりやすいのが震えであり、正解となる。
Q5 : FINA規則ではレース開始時の水温が16℃未満だった場合、競技は通常どのように扱われるか?
水温16℃未満では低体温症リスクが急上昇するため、FINAは競技者の安全を最優先してレースを中止または延期する規定を設けている。成人の深部体温低下速度は想定以上に個人差があり、装備や経験では完全に補えないと判断されているため、単純なウェットスーツ義務化や距離短縮ではなく開催自体を見送る。よって正解は中止または延期である。
Q6 : オープンウォータースイミングがオリンピックで初めて実施されたのはどの大会か?
オープンウォータースイミングは長らく世界選手権の種目だったが、IOCにより2005年に正式追加が承認され、2008年北京大会で男女10kmが初開催された。シドニーまでの大会はプール競技のみ、ロンドンやリオでは既に2回目3回目として行われている。海水ではなく北京郊外の人工湖で行われた点も特徴で、競技スケジュールや放送枠の整備が以後の大会へ受け継がれた。従って初採用は2008年北京である。
Q7 : オリンピックで採用されているオープンウォータースイミング種目の距離はどれか?
オリンピックでは2008年北京大会からオープンウォータースイミングが正式種目となり、男女とも10kmが採用されている。これは国際水泳連盟がマラソンスイミングの基準距離として定める数字でもあり、世界選手権やワールドシリーズの主種目も同じ距離で行われる。5kmは短距離、25kmは超長距離として別種目扱いで、15kmは公式距離として存在しないため、本問の正解は10kmである。
Q8 : 水温が20℃以上の場合、FINAルールで定められたウェットスーツに関する規定として正しいものはどれか?
FINAオープンウォータースイミング規則では水温20℃以上を高水温域とみなし、浮力と保温効果で不公平を生むウェットスーツの着用を禁止している。18〜20℃では任意、16〜18℃で義務、16℃未満でレース中止といった段階的基準が設けられ、公平性と安全性のバランスが図られている。したがって水温20℃以上の状況で求められるのはウェットスーツ禁止である。
Q9 : 長距離レースで用いられる給水・給食ポール(フィーディングポール)の推奨長さとして一般的に最も適切とされる範囲はどれか?
補給ポールは選手が泳ぎながら安全に受け取れる距離を確保する必要がある。短すぎると身体を起こしてコーチボートに接近しなければならずタイムロスや衝突の危険が増す。長すぎると操作が難しく風や波でブレやすい。多くの国際大会が実用実績から3〜5m程度の伸縮式ポールを採用しており、選手の手元へ確実に届きつつ艇のバランスも保ちやすい。したがって最適範囲は3〜5mである。
Q10 : オープンウォータースイミングでルール上禁止されている泳法について正しい記述はどれか?
国際規則ではスタートからフィニッシュまで選手が自力で泳ぐ限り特定泳法の制限は設けられておらず、クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライを自由に使える。実際には推進効率が最も高いクロールが大多数を占めるが、混雑時のターンや視界確保で平泳ぎや背泳ぎに切り替える選手もいる。技術的理由で速度差があるだけで禁止は存在しないため、本問の正解は特定の泳法は禁止されていないである。
まとめ
いかがでしたか? 今回はオープンウォータースイミングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はオープンウォータースイミングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。