カヌースラロームが初めてオリンピック正式種目として登場したのは、1972年ミュンヘン大会においてである。その前の1968年メキシコシティ大会では、まだ正式競技ではなかった。当時は世界初の人工スラローム水路アウグスブルク・アイスカナルが整備され、C1、K1、C2など4種目で競われた。しかし採算や会場整備の問題から、次の1976年以降はいったん除外されていた。その後、競技人口の拡大と人工コース技術の進歩を経て、1992年のバルセロナ大会で復活した。
Q1 : 日本人初のカヌースラロームオリンピックメダリストは誰?
羽根田卓也は2016年リオデジャネイロ五輪男子C1で銅メダルを獲得し、日本はもちろんアジア勢としても初めてカヌースラロームで表彰台に上がった選手となった。幼少期から愛知県豊田市で競技を始め、高校卒業後は強豪国スロバキアに渡って武者修行を続けたことで知られる。世界選手権でも2014年に銅メダルを得ており、長年の国際経験が五輪でも実を結んだ。1992年の競技復活以降、多くの日本代表が挑んだがメダルに届かなかったため、その快挙は日本カヌー界の歴史的一歩と位置付けられる。
Q2 : ゲートをタッチした際に追加されるペナルティタイムは何秒?
ゲートのポールに艇体、パドル、身体のいずれかが触れた場合、審判によって2秒のペナルティが加算される。高速で通過しながら触れずに抜けることは最も難しい技術で、トップ選手でも決勝で1タッチすれば表彰台を逃すことが珍しくない。2秒という数字は競技開始当初は5秒であったが、1990年代にルール改正で現行の2秒に短縮され、より攻めたライン取りを促す意図があった。50秒の不通過とは重みが大きく異なり、戦略的にやり直すかそのまま進むか瞬時の判断が要求される。
Q3 : カヌースラロームの上流ゲートを示すゲート棒の配色として正しいものは?
上流ゲートは流れに逆らった方向への通過が求められるため、視認性と危険喚起の意味を込めて赤と白のストライプで統一されている。緑白の下流ゲートとコントラストを持たせることで、選手は速い流れの中でも瞬時に行き先を識別できる。ゲートは最大90度回転するよう吊られ、色によって通過方向が明確に区分されるため、練習不足の選手がコースを誤るリスクを減らす効果もある。規定色はICF競技規則で厳格に定められており、観客や審判の視認性向上にも寄与している。
Q4 : カヌースラロームが初めてオリンピック正式種目として実施された年はどれ?
1972年ミュンヘン大会では世界初の人工スラローム水路アウグスブルク・アイスカナルが整備され、カヌースラロームが初めて五輪正式競技として開催された。競技はC1、K1、C2など4種目で行われたが、採算や会場整備の問題から次回の1976年以降はいったん外される。その後競技人口の拡大と人工コース技術の進歩を経て1992年に復活した。したがって最初の開催年は1972年であり、1968年には実施されていない点が重要な判別材料となる。
Q5 : カヌースラロームのゲートで下流方向に通過するゲートを示す配色はどれ?
カヌースラロームのゲート棒は視認性向上のために2色の縞模様で塗装される。下流方向に通過するゲートは緑と白のストライプで、流れに乗って漕ぐ選手が間違えないよう色分けされている。一方、流れに逆らって通過する上流ゲートは赤と白で、瞬時に進行方向の判断ができる仕組みになっている。大会ごとに色が変わることはなく、規則で統一されているため世界中どのコースでも共通。青や黄のストライプは公式には存在しないため選手は視覚的な混乱が起こらない。
Q6 : カヌースラロームでゲートを完全に通過できなかった(不通過)場合に課されるペナルティ秒数は?
カヌースラロームではタイムとペナルティ秒の合計で順位が決まる。ゲートに触れただけなら2秒加算で済むが、ゲートを通過方向に正しく完全にくぐれなかった場合は重大なミスと見なされ、現在のICF競技規則では50秒が加算される。2本構成の予選であっても50秒は致命的で、一流選手でも決勝進出が極めて難しくなる。誤って戻って通過し直しても遅れが大きくなるため、選手はギリギリまでボートをコントロールしてミスゲートを回避する戦略を採る。
Q7 : C1種目とK1種目の主な違いとして正しいものはどれ?
カヌースラロームでは艇種ごとに漕法と装備が明確に区分される。C1(カナディアンシングル)は膝立ち姿勢で片側にブレードが付いたシングルパドルを左右持ち替えながら操作する。一方K1(カヤックシングル)は座って両端にブレードがあるダブルパドルを左右交互に差し込み推進する。艇の長さやペナルティ規則は共通であり、ゲートの配分も同じであるため、最も大きな競技上の相違点はパドルの構造とそれに伴う漕法である。
Q8 : 国際大会の標準的なカヌースラロームコースに設置されるゲートの総数として最も適切な範囲は?
ICFの競技規則では、コースに配置するゲート総数は18本以上25本以下と定められている。内訳として上流ゲートは6本から8本前後に設定するのが一般的で、選手は激流の中で巧みに方向転換しながら全ゲートをクリアする。ゲート数が多過ぎるとコースが長くなり安全面にも影響が出るため30本以上は通常設置されない。逆に15本以下では技術要素が不足すると判断され、ワールドカップや世界選手権では採用されない。したがって18〜25本という範囲が最も基本的といえる。
Q9 : ICFのガイドラインで推奨されるカヌースラロームコースの高低差(スタートからゴールまでの落差)は?
カヌースラロームコースは激流のエネルギーを確保しつつ安全を守るため、スタートからフィニッシュまでに5〜9メートル程度の高低差を設けるようガイドラインで推奨されている。これにより1秒あたり10立方メートル前後の水量が得られ、技術的に多様なウェーブやエディが形成される。落差が小さすぎると水のスピードが足りず難易度が下がり、逆に10メートルを超えると速度と圧力が増し過ぎ転覆や怪我の危険が高まる。人工コースでも自然河川でもこの目安が国際大会レベルの設計基準となっている。
Q10 : カヌースラローム競技用艇の素材として現在最も一般的に使用されるものは?
現在のスラローム艇は軽量で高剛性のカーボンファイバーとアラミド(ケブラー)をエポキシ樹脂でサンドイッチ成形した複合素材が主流で、艇1艇の重さはICFが定める最低重量9kgぎりぎりで仕上げられる。アルミやポリエチレンはレジャーカヤックでは見られるが、競技では重量が大きく変形もしやすいため用いられない。木材は黎明期に使われていたが現在はほぼ廃れた。複合材は衝撃にも強く、ゲートポールやリバーウォールに接触しても変形が少ない利点があり選手のパフォーマンス向上に直結している。
まとめ
いかがでしたか? 今回はカヌースラロームクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はカヌースラロームクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。