スピードクライミングは、驚くべき敏捷性と集中力を必要とする競技です。記録は年々更新され、ついに4秒台に到達するなど、まさに人間の限界に挑み続けています。本記事では、現行世界記録や競技ルールなど、スピードクライミングの最新情報を10問のクイズにまとめました。クイズに挑戦しながら、この競技の魅力に迫っていただければと思います。
Q1 : 公式スピードルートのホールド製造を独占契約している会社は? Flathold Cheeta Entre-Prises Kilter
IFSCは1998年以来フランスのEntre-Prises社と独占契約を結び、15mスピード壁で使用するホールド・スターティングパッド・フィニッシュパネルを同社が一括供給する方式を採用している。全世界の大会で同一形状・摩擦係数・取り付け角度が再現されることで、公平性と記録の比較可能性が確保される。FlatholdやCheeta、Kilterはボルダリング用ホールドでは有名だが、速度競技用の公認ホールドは製造していない。選手は練習施設でもEntre-Prises製を使うことで大会の感覚を忠実に再現できる。
Q2 : IFSCワールドカップで予選から決勝トーナメントに進出できる選手数は? 8名 12名 14名 16名
スピードのワールドカップでは予選を2本行い、ベストタイム順に上位16名(男女各16)が決勝トーナメントへ進出する。トーナメントは1/8ファイナルから始まり、勝ち抜きで優勝を決める形式だ。8名だと準々決勝スタートとなり試合数が減るため採用されていない。12名や14名も公平なトーナメント表が作りにくい。16という人数は2のべき乗で組み合わせが簡潔になり、テレビ放映に適した試合数と時間で収まるという運営上の利点もある。
Q3 : スタート音後の反応時間が何秒未満だとフライングと判定されるか? 0.10秒未満 0.20秒未満 0.30秒未満 0.50秒未満
IFSCルールではスタートブザー後にスタートパッドを離れるまでの反応時間が0.10秒未満だとフライングとみなされ失格となる。0.10秒は人間が音を認識し動き始める生理的限界とされ、これより速ければ事実上「音を聞く前に動いた」ことになるため不正スタートと判断される。0.20秒や0.30秒は容易に達成可能な反応速度で、これを基準にするとフライング判定が緩すぎる。競技の公平性を守るため電子計時装置がリアルタイムで反応時間を計測し、0.10秒を下回るとパネルが赤く点灯しレースが即座に停止される。
Q4 : スピードクライミングで選手が着用するハーネスの主流タイプは? フルボディハーネス シットハーネス チェストハーネス 背負い式ハーネス
競技では軽量かつ足上げの可動域を確保できるシットハーネス(ウェスト+レッグループ型)が標準仕様として使われる。フルボディハーネスは高所作業やキッズ用で重量と可動制限が大きく競技には不向き。チェストハーネスは荷揚げやビッグウォール用の補助具で単体では使わない。背負い式という分類はクライミング用には存在しない。シットハーネスはUIAA強度基準を満たしつつ300g前後と軽量で、オートビレイの上向き荷重にも対応するためスピード競技で最適とされる。
Q5 : 男子スピードクライミングの現行世界記録(2023年時点)はいくつか? 4.90秒 5.20秒 5.49秒 5.02秒
男子の世界記録は2022年7月にシャモニー大会でインドネシアのキロマル・カティビンが叩き出した4.90秒で、公認大会で初めて4秒台に突入した歴史的タイムである。2017~2021年にかけて5.20秒(レザ・アリプール)、5.02秒(ヴェドリック・レオナルド)などの記録が更新されつつ縮んできたが、いずれも5秒を切れなかった。5.49秒は2014年頃の旧記録で現在は大きく上回られている。IFSC大会ではスタートパッドとフィニッシュパネルの電気計時で正確に測定され、少しでもホールドを外せば記録は残らない厳格なルールがある。
Q6 : スピードクライミングで使われる公式壁の高さは? 10メートル 15メートル 12メートル 20メートル
IFSCのスピードクライミング規格は高さ15メートル、幅3メートル(2レーンで6メートル)で統一されている。以前は10m壁を使う大会もあったが、2007年のIFSC発足後はワールドカップ・世界選手権とも15mに一本化された。オリンピックでも同仕様が採用され、選手はスタートから5〜6秒で最上部に達する。12mはユース練習用など非公式仕様、20mはリード競技の長さに近い。規格統一により、異なる大会でもタイムを直接比較できるようになり、記録争いが盛り上がった。
Q7 : 公式スピードルートで選手がクリップするクイックドローの数は? 5本 10本 0本 15本
スピードクライミングでは自動確保装置(オートビレイ)が上部に設置され、競技中にロープをクリップする動作は一切行わない。そのためクイックドローは0本である。もしクリップ動作が必要なら大幅な時間ロスとなり競技性が失われる。リード種目では10本以上のクイックドローをクリップするのが一般的だが、スピードは純粋なタイムアタックであるため、安全はオートビレイと着地マット、そして認定ロープで確保されている。観客が一目で速さを比較できるよう、ルールが簡潔に設計されている点も特徴だ。
Q8 : 男子が初めて公認で5秒の壁を破った年は? 2018年 2019年 2021年 2022年
男子の5秒切りは2022年4月のIFSCソウル大会予選でインドネシアのキロマル・カティビンが4.98秒を記録したのが最初で、同年7月シャモニーで4.90秒まで短縮された。2018~2019年は5.48→5.48秒台の更新で、2021年はヴェドリック・レオナルドが5.00秒を記録したがわずかに届かなかった。5秒の壁は長年「人類最速の限界」と言われ、ブロックスタートの改良や爆発的な引き付け力の向上が突破の鍵となった。これにより競技全体のレベルが一段と引き上げられた。
Q9 : 女子スピード現世界記録保持者アレクサンドラ・ミロスワフの国籍は? ポーランド インドネシア フランス カザフスタン
アレクサンドラ・ミロスワフはポーランド出身のスピードスペシャリストで、2022年のワールドゲームズ(バーミングハム)で6.25秒という女子世界記録を打ち立てた。ポーランドはリードのカヤ・キードラ、ボルダーのオレクサンダ・ルドビツカなど強豪を輩出してきたが、ミロスワフの台頭によりスピードでも一躍トップ国の仲間入りを果たした。インドネシアは男子で強いが女子トップ記録はない。フランスやカザフスタンも強豪国ではあるが、現行世界記録保持者ではない。
Q10 : スピードクライミングの国際ルールを制定する団体は? IOC IFSC UIAA FIS
国際スポーツクライミング連盟(IFSC:International Federation of Sport Climbing)が競技規則を制定し、ワールドカップや世界選手権を主催している。IOCはオリンピック全体を管轄しクライミング種目の追加を承認しただけで、競技細則はIFSCに委ねている。UIAAは主にアルパインやアイスクライミングを扱う山岳団体、FISはスキー連盟でありクライミングのルールには関与しない。IFSCルールは毎年改訂され、ホールド形状や反応時間の判定方法など詳細まで定められている。
まとめ
いかがでしたか? 今回はスピードクライミングクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はスピードクライミングクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。