アクロバティックジムナスティクスの魅力に迫る!
国際体操連盟(FIG)がアクロバティックジムナスティクスを正式に統括することになったのは1999年、国際スポーツアクロバット連盟(IFSA)との統合が行われた年のことだ。この統合により、採点規則や世界選手権の運営がFIG基準へ一体化され、競技人口の拡大にもつながった。今回は、この高度な技が魅せるスリリングなアクロ競技について、クイズを交えて詳しく解説していきたい。
Q1 : 2019年に開催された第29回アクロバティックジムナスティクス欧州選手権(シニア部門)の開催都市はどこか?
2019年10月イギリスとロシアが招致を名乗り出たが、欧州体操連合(UEG)は最終的にイスラエルの地中海沿岸都市ホロンを開催地に選定した。ホロンは2016年の欧州新体操選手権も運営した経験があり、3000席を超えるホロンメディアムが会場となった。同大会ではロシアが男女混合ペアで金メダルを獲得し、地元イスラエルも史上初の表彰台に上った。気候が温暖で時差が少ないことから多くの代表チームが事前合宿に訪れ、競技環境の好評価につながった。
Q2 : アクロバティックジムナスティクスの女子グループカテゴリーは、何人で構成されるチームか?
女子グループはベース2人とトップ1人の計3人で構成される。ベースは主に支えと投げを担当し、トップは空中技や倒立を行う。ルール上は3人以外では出場できず、演技構成や難度表も3人向けに規定されている。混合ペア(2人)や男子グループ(4人)とは構成人数が異なり、安全要件や許可されるピラミッドの高さも女子グループ用に細かく定められているため、人数を間違えると資格失効となる。
Q3 : アクロバティックジムナスティクスの競技用ルーティンには「バランス」「ダイナミック」ともう1種類がある。この3番目の種目は何と呼ばれるか?
バランスは静止保持系、ダイナミックは投げ受け身など動的要素を評価するが、コンバインド(Combined)ルーティンはその両方を同一演技内で実施する種目で、決勝で採点に用いられることが多い。コンバインドでは規定数のバランス要素とダイナミック要素を交互に組み込み、音楽や芸術性も総合的に示す。テンポはかつてダイナミックを指した旧称で、現在は公式用語ではない。したがって正答はコンバインドである。
Q4 : シニアカテゴリーのバランス及びダイナミックルーティンの制限時間は一般に何分何秒(許容±10秒)と定められているか?
FIG規定ではシニアのバランスルーティンとダイナミックルーティンはどちらも演技時間2分00秒、許容差±10秒と定められている。これより短いと音楽終了時点で演技が終わっても追加減点、逆に長いとオーバー秒数に応じて減点される。コンバインドルーティンだけは例外的に2分30秒±5秒であるため、選手はルーティン編集の際に種目を取り違えないよう注意が必要である。
Q5 : 男子グループ種目で1チームを構成する人数として正しいのはどれか?
男子グループは4人編成で、2人のメインベース、1人のミドルベース、1人のトップが基本構成となる。4人いることで高い3段ピラミッドや同時回転投げなど男子特有のパワー要素が可能となり、難度係数もペアや女子グループより高く設定されている。FIG規定では4人未満や5人以上は認められず、負傷でメンバーが欠けても代替要員がいなければ棄権扱いとなる。これは安全確保と技の公平性を両立させるための規定である。
Q6 : アクロバティックジムナスティクスでは、演技中に使用できる音楽に関して2017年のルール改定で解禁されたのは何か?
かつてアクロの音楽はインストゥルメンタルのみが許可され、歌詞が入ったトラックを用いると即減点となった。しかしFIGは2017〜2020コードで規則10.14を改正し、歌詞付き音楽を条件付きで解禁した。ボーカルが演技を補完し芸術性を高めることが目的で、放送局への著作権申請や不適切な表現の禁止など附則も定められた。照明演出や過度のサンプリングは依然として不可であり、選手は歌詞のテンポと技の同期に細心の注意を払う必要がある。
Q7 : FIGアクロバティックジムナスティクス世界選手権は、通常何年ごとに開催されているか?
世界選手権は1985年以降、1993年を除いて概ね隔年開催が慣例で、FIG統合後も偶数年(2012、2014、2016など)に実施され続けている。開催周期を2年ごととすることで、選手はその間に大陸選手権やワールドカップで経験を積み、コード改定の影響も段階的に反映できる仕組みとなっている。オリンピック種目ではないため4年サイクルではなく、毎年開催では過密となるため隔年という形が競技力と運営コストのバランスを取る最適解とされている。
Q8 : 2022年のFIGアクロバティックジムナスティクス世界選手権が行われた開催都市はどこか?
第28回世界選手権は当初2020年予定だったがパンデミックで延期され、2022年3月10〜13日にアゼルバイジャンの首都バクーのナショナルジムナスティクスアリーナで開催された。同会場は体操ワールドカップや欧州大会でも使用される最新設備を備え、アクロ用スプリングフロアやLEDスクリーンを完備している。大会には28か国が出場し、ベルギーやポルトガルが複数金メダルを獲得。アゼルバイジャンは開催国として運営面で高評価を受けた。
Q9 : アクロバティックジムナスティクスの国際大会で難度(Difficulty)を評価する審判パネルの正式名称はどれか?
FIG採点はA(Artistic)、E(Execution)、D(Difficulty)の三つのパネル制で運用される。Dパネルは提出された演技構成用紙(Tariff Sheet)と実際の技を照合し、規定値・連結ボーナス・年齢制限などを判断して難度得点を算出する役割を担う。Cパネルは旧規則で存在した総合コントロール審判、SやRといった名称は正式には存在しない。したがって難度を担当するのはDパネルである。
Q10 : 国際体操連盟(FIG)がアクロバティックジムナスティクスを正式に統括することになったのは、国際スポーツアクロバット連盟(IFSA)との統合が行われた何年か?
国際スポーツアクロバット連盟(IFSA)は1973年に設立され、高度なアクロ競技を統括していたが、競技の発展と体操種目との統合を図るために1999年にFIGへ合流した。これにより採点規則や世界選手権の運営がFIG基準へ一体化され、名称もスポーツアクロバットからアクロバティックジムナスティクスへ切り替わった。統合後は世界体操祭やワールドカップシリーズなどFIG主催大会への正式採用が進み、競技人口拡大の大きな転機となった。
まとめ
いかがでしたか? 今回はアクロバティックジムナスティクスクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はアクロバティックジムナスティクスクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。