ピストル射撃は、正確な照準とタイミングを要求される極めて技術的な競技です。オリンピックの「25mラピッドファイアピストル」をはじめ、多くのISSF公認種目が行われています。本記事では、これらの競技ルールや使用される弾薬、射撃フォームなど、ピストル射撃のキーポイントを10問のクイズを通して解説します。射撃初心者から熟練者まで、ピストル競技の魅力と奥深さを理解していただけるはずです。
Q1 : ピストル射撃で「フォロースルー」と呼ばれる動作は主にどのタイミングで行われるか?
フォロースルーとは引き金を切った後もサイトアライメントとグリップ圧を維持し、弾が銃身内を移動して標的に到達するわずかな時間に銃を動かさない技術を指す。運動学的に弾丸が銃口を離れるまで0.001〜0.003秒ほどだが、人間の神経反応より短いため射手は意識的に静止を続ける必要がある。射撃直後に腕を下ろしたり視線を外すと着弾が散る原因となる。準備動作や射撃後の動作とは別概念である。
Q2 : 25mラピッドファイアピストル競技で的が4秒間表示されるシリーズでは1的あたり何発撃つか?
25mラピッドファイアピストルでは5枚の回転標的が横一列に並び、標的が正面を向いている4秒間にそれぞれ1発、計5発を撃つ。競技は8秒・6秒・4秒の三つのシリーズで構成されるが、最も短い4秒シリーズは照準やリカバリーの余裕が少なく、安定した引き金操作が鍵となる。3発や6発という発数はルール上存在せず、4秒シリーズでも必ず5発撃たねばならない。1的に複数弾着は失格扱いとなる。
Q3 : 国際ルールで定められる10mエアピストルのトリガープル(引き金の最低荷重)は何gか?
10mエアピストルのトリガープルはISSF規則8.18.4で最低500gと定められている。これより軽いとわずかな振動で誤射が起こり安全面に問題が生じるため、競技前の計量台で審判が速報検査を行う。射手は許容範囲ぎりぎりの軽さに調整し、照準中の筋緊張を減らすことが多い。250gや300gは自由ピストル等では見られるがエアピストルでは失格対象。1000gは許容上限ではなく、重過ぎると安定したトリガーワークが難しくなる。
Q4 : ピストル射撃で使用される「センターファイアピストル」種目のプレシジョンステージで、1シリーズ5発の制限時間は?
センターファイアピストルのプレシジョンステージは25m先の標的に対し、5発1シリーズを5分以内で計6シリーズ撃つ。問題では1シリーズの制限時間を問うており、答えは5分である。短すぎると慎重な呼吸調整ができず、長すぎると競技が冗長になるためこの時間配分が採用された。選手は5分間に射位調整、照準、発射を行い最後に銃口を開いて審判に示す。2分や10分という時間はISSF規則に存在しない。
Q5 : 25mセンターファイアピストル競技で許可される弾薬口径の上限は次のうちどれか?
25mセンターファイアピストルでは.32S&WロングWCから.38スペシャルまで、口径7.62mm以上9.65mm以下の弾薬が許可されている。最大値である9.65mmは.38口径弾の弾頭直径に相当し、これを超える.40S&Wや.45ACPは使用不可となる。口径制限は反動差による競技性の不公平と射撃場のバックストップ負荷を抑えるために設けられた。8mmや9mm弾は許可範囲内だが、規定上の「最大」ではないため正解ではない。
Q6 : オリンピックの射撃競技「25mラピッドファイアピストル」で使用される弾薬の口径は?
25mラピッドファイアピストルは1960年代に.22ショート弾を使用していたが、現在のISSFルールでは.22ロングライフル弾に統一されている。.22LRは反動が小さく、連射でも銃口の跳ね上がりを抑えやすいため命中精度を維持しやすい。さらに多くの国の射撃場で調達しやすい汎用弾薬である点も採用理由となっている。9mmや.45ACPは反動が大きく競技時間内の制御が困難。.177ペレットはエアピストル専用で25m種目には使えない。
Q7 : ISSFルールで10mエアピストル種目の試合時間(60発)は男子シニアで何分と定められているか?
ISSF10mエアピストル60発競技では、かつては男子120分女子105分だったが、競技時間短縮と男女統一を目的に2018年規定で60発75分に改定された。射手はこの75分のあいだに試射を含めた準備射撃を自由に行い、スコア登録が必要な60発を撃ち終えなければならない。時間管理は高得点を出すうえで重要で、急ぎ過ぎるとフォームが崩れ、遅すぎると集中力が切れるリスクがある。
Q8 : ピストルのグリップ角度を決定する主目的として最も妥当なものはどれか?
ピストルのグリップ角度や形状は単なる外観ではなく、射手の腕・手首・銃身が一直線になるよう補助しサイトピクチャーを安定させることが主目的である。角度が合わないと照準のたびに手首を無理にひねることになり、発射瞬間の筋緊張がブレを生み点数が落ちる。反動強調や重量軽減は副次的要素に過ぎず、審判の判定にも影響しない。適切にフィッティングしたグリップは命中精度向上に不可欠だ。
Q9 : 1984年ロサンゼルス五輪で新設された「女子25mスポーツピストル」で初代金メダルを獲得した選手は?
女子25mスポーツピストルは1984年大会で初めて正式採用され、カナダ代表リンダ・トムが584点で金メダルを獲得した。東側諸国がボイコットした大会ながら強豪が集い、トムは精密射撃とラピッド射撃の両ステージで安定したグルーピングを見せた。彼女の勝利はカナダ射撃界初の五輪金で、女性射手の地位向上にも寄与した。選択肢のソ連選手名は同時期の世界選手権上位者であるが本大会には出場していない。
Q10 : 国際射撃連盟(ISSF)の装備規定で10mエアピストルの最大全長は何mmか?
エアピストルは自由設計の部分が多いが、ISSFは全長が420mmを超えないという上限を設けている。これは銃を極端に長くして照準線を伸ばし有利にすることを防ぐためで、視力補正等の特例を除き全選手に公平なハンドガンサイズを保証する意図がある。実際の競技用モデルはバランスや重心位置を考慮して360〜400mm程度に収められることが多い。350mmや500mmといった寸法は規定の外で失格対象となる。
まとめ
いかがでしたか? 今回はピストル射撃クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はピストル射撃クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。