木の板や串に平たく伸ばした餅を味噌だれで香ばしく焼き上げる五平餅が郷土料理として特に知られている長野県の山間地域はどこか?
五平餅は中山道の宿場が並ぶ木曽路で山仕事や旅人の携行食として発達した料理で、つぶした米を平たく成形してクルミやゴマを混ぜた味噌だれを塗り炭火で焼く。焼く際に木曽ヒノキなど香りの良い材の板や串を使うため、木の香と味噌の香ばしさが一体となる。名称は御幣に似た形から御幣餅と呼ばれた説や、考案者とされる木曽義仲の家臣 五平 の名を取った説など複数あり、岐阜や愛知では円盤型や団子型などの派生形も見られる。木曽路の宿場町では今も道沿いに炭火で焼く店が軒を連ね、観光客の食べ歩き名物になっている。