いわゆる重婚的内縁に関する判例の考え方として正しいものはどれか?
最高裁昭和54年10月4日判決などは、重婚状態であっても後婚側の内縁が善意無過失で形成された場合には保護に値するとして、民法768条の類推適用により財産分与を認め、不法行為に基づく慰謝料請求も肯定した。これを『重婚的内縁』と呼び、生活共同体としての実態を重視する立場を示している。刑法184条の重婚罪は二重に法律婚を行った場合に限られ、内縁関係だけでは成立しない。したがって重婚的内縁でも一定の権利救済が図られるが、法律婚の配偶者の地位を凌駕するわけではなく、利害調整は個別具体的に行われる。