刑事事件の被疑者が逮捕された後、72時間以内に行わなければならない手続きや、取調べ時の弁護人の立ち会い、国選弁護人の選任要件など、刑事弁護に関する重要なポイントを10問のクイズで解説します。被疑者の権利保護や冤罪防止など、刑事司法制度の理解を深める良い機会となるでしょう。刑事弁護の基礎知識を身につけ、より公正な司法制度について考えてみましょう。
Q1 : 公判期日で弁護人が欠席した場合、裁判はどうなるか?
刑事訴訟法289条は、被告人の利益のため、被告人が弁護人を必要とする場合(必要的弁護事件)には、弁護人が出席しないと裁判を開くことができないと規定しています。一部例外はありますが、弁護人が欠席したまま公判が進行することは原則認められていません。
Q2 : 黙秘権はどの段階で認められるか?
黙秘権は、刑事訴訟法198条2項・憲法38条1項により、被疑者・被告人双方に認められています。この権利は、起訴前後を問わず、取調べ・公判などあらゆる過程で保持される重要な権利です。
Q3 : 再審請求が認められる主な理由はどれか?
再審請求は、確定判決に重大な影響を及ぼす可能性のある新証拠の発見や、証拠の誤用・捏造など、著しく正義に反すると認められる事由がある場合に認められます。被害者の許しや弁護人の要望だけでは再審は認められません。
Q4 : 裁判員裁判の対象となる犯罪はどれか?
裁判員裁判は、殺人や強盗致死傷、傷害致死、放火など一定の重大な犯罪が対象となります。これは刑事訴訟法41条の2で定められており、国民の司法参加のために導入されました。一方、軽犯罪や交通違反、民事事件は裁判員裁判の対象外です。
Q5 : 刑事事件で弁護人が可能な活動はどれか?
刑事事件の弁護人は、被疑者・被告人との接見交通(面会・連絡)は認められています。これは弁護権保障の中核であり、憲法・刑事訴訟法で保障されています。一方で、贈賄や証拠隠滅、違法行為を教唆することは弁護士職務基本規程にも違反し、犯罪行為に該当します。
Q6 : 自白の任意性が問題とされる典型的な場面とは?
自白の任意性は「拷問や脅迫によって得た自白ではないか」「心理的圧力がなかったか」といった問題です。拷問や強要があった場合、任意性が否定され、証拠から排除される可能性が高いです。判例でもこの点は厳格に審査されています。
Q7 : 公判前整理手続とは何か?
公判前整理手続は、裁判の公正かつ迅速な進行を目的として、証拠の開示、争点・証拠の整理を裁判官の関与のもとで行う刑事手続です(刑事訴訟法316条の2以下)。これにより審理が一層明確かつ効率的に進められるため、冤罪防止にもつながります。
Q8 : 被疑者段階で弁護人が国選で就く要件はどれか?
国選弁護人は従来、被告人段階(起訴後)で就くものでしたが、法改正により、勾留された被疑者についても国選弁護人が選任できるようになりました(刑事訴訟法37条の2)。起訴前であっても勾留決定がなされていれば、身分や資力に関係なく国選弁護人を選任できます。
Q9 : 取調べ時に弁護人の立会いが原則認められるか?
日本の刑事訴訟法においては、現行法上、取調べ時に弁護人の立ち会いは原則として認められていません。今後の法改正の議論はあるものの、現在は犯罪被疑者・被告人の弁護人が取調べに立ち会う権利は明文規定で認められていません。そのため選択肢2が正解です。
Q10 : 刑事事件で被疑者が逮捕された後、72時間以内にしなければならない手続きはどれか?
刑事訴訟法上、被疑者が逮捕された場合、警察官や検察官は被疑者を原則として48時間以内に送致・受領後、検察官は24時間以内に裁判官に勾留請求するか釈放しなければなりません。つまり、逮捕から72時間以内に勾留請求をする必要があるため1が正解です。裁判開始や不起訴決定はこの段階では行われません。
まとめ
いかがでしたか? 今回は刑事弁護クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は刑事弁護クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。