半導体デバイスは私たちの日常生活に不可欠な存在です。その高度な機能と小型化を支えているのが、半導体材料や製造プロセスに関する技術革新です。この「半導体クイズ」では、シリコンをはじめとする主要な半導体材料、デバイスの基本構造、製造工程などについて、10問のクイズに挑戦していただきます。半導体業界の知識を深めるとともに、技術の変遷や最新動向を理解する良い機会になるでしょう。ぜひ楽しみながら、半導体の世界を探検してみてください。
Q1 : 半導体メモリの一種で、電源を切っても内容を保持できるタイプはどれ?
フラッシュメモリは、電源を切ってもデータを保持し続ける不揮発性の半導体メモリです。一方、DRAMやSRAM、キャッシュメモリは揮発性で、電源が遮断されると保存内容が消失します。SSDやUSBメモリなど各種記録媒体にフラッシュメモリが使われています。
Q2 : トランジスタの3つの端子はエミッタ、ベースともう一つは何?
トランジスタ(特にバイポーラ型)の3つの端子はエミッタ、ベース、コレクタです。エミッタはキャリアを供給し、ベースで制御され、コレクタへとキャリアが流れます。ゲートはFETの端子名、アノード・カソードはダイオードの端子名ですが、ここではコレクタが正解です。
Q3 : 半導体製造工程の1つで、ウエハの表面にパターンを形成する工程を何と呼ぶ?
フォトリソグラフィはウエハ上にフォトレジストを塗布し、マスクを介して紫外線を照射しパターンを形成する工程です。これによりデバイスの微細な回路パターンが作られます。スパッタリングやCVDは薄膜成膜の工程、ダイシングはチップの切り出し工程です。
Q4 : 半導体素子の微細化を進める際に問題となる物理現象はどれ?
半導体回路の微細化が進むと、絶縁膜が極端に薄くなるため電子が絶縁体をすり抜けて流れる『トンネル効果』が無視できなくなります。この現象を量子トンネル効果と呼び、リーク電流増加や消費電力上昇など問題の原因となります。
Q5 : かつての主力素材で、現在は高周波素子や赤外線検出器で使われている半導体材料はどれ?
ゲルマニウムは、初期のトランジスタやダイオードで広く使われた半導体材料です。現在ではその高い電子移動度を活かし、高周波素子や赤外線検出器などの特定用途で使われています。現在の主流はシリコンですが、ゲルマニウムも一部で重要な役割を占めています。
Q6 : シリコンウェハーの直径として一般的に使われる最大サイズは?(2024年時点)
2024年現在、半導体製造用ウェハーの主流サイズは300mm(12インチ)です。200mmウェハーも現役で使われていますが、最先端の微細化技術には大口径の300mmが利用されます。450mmウェハーへの移行は検討されていましたが、商用化はされていません。600mmは存在しません。
Q7 : ダイオードとはどのような機能を持つ素子でしょうか?
ダイオードはp型半導体とn型半導体を接合した素子で、電流を一方向に流し、逆方向にはほとんど流さないという特徴があります。この性質を利用して整流回路や各種保護用回路に使われます。電流を増幅するのはトランジスタ、光を発生するのはLEDなどです。
Q8 : MOSFETにおいてゲート絶縁膜として主に使われるのは何か?
MOSFETのゲート絶縁膜には、基本的に酸化シリコン(SiO2)が使用されます。これは高い絶縁性とシリコン基板との良好な界面特性を持つためです。近年はさらなる微細化に伴い高誘電率材料も利用されていますが、基本はSiO2です。他の材料はゲート絶縁膜には通常使用されません。
Q9 : p型半導体にするためにシリコンに添加される代表的な不純物元素は?
p型半導体は、シリコンなどの半導体に3価の元素、例えばホウ素を添加することで作られます。これは、3価のホウ素が4価のシリコンの代わりに結合すると1つの結合手が余り『正孔』が生じるためです。p型半導体ではこの正孔がキャリアとなります。リンやヒ素はn型半導体を作る際に使われます。
Q10 : 半導体で最も一般的に使用される材料はどれですか?
シリコン(Silicon)は半導体デバイスのほとんどに使用されている最も重要な材料です。地殻中に豊富に存在し、加工もしやすいことから、集積回路(IC)や太陽電池など幅広い用途に使われています。ガリウムやゲルマニウムも半導体材料として使用されますが、価格や供給量の面でシリコンに劣ります。インジウムは主に透明導電膜等に利用されます。
まとめ
いかがでしたか? 今回は半導体クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は半導体クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。