送電から発電、さらに電力の利用に至るまで、私たちの生活に欠かせない電力について、より深く理解を深めるための10の電力クイズをご用意しました。電圧、電流、力率、効率など、電力に関する基本的な概念から最新の送電技術まで、幅広いトピックスを取り上げています。電力の仕組みを楽しみながら学び、日頃の電気利用に役立てていただければと思います。さあ、電力クイズに挑戦してみましょう。
Q1 : 原子力発電所において核分裂反応の出力を制御する主な手段はどれか? 冷却材の流量を増減すること 制御棒(吸収材)の挿入・引き抜きで中性子を制御すること 発電所の出力を外部系統に任せること 送電線を切ること
原子炉では核分裂連鎖反応を制御するために制御棒(ボロなどの中性子吸収材)を用いて反応を調節します。制御棒を挿入すると中性子が吸収されて反応率が低下し、引き抜くと反応が促進されます。冷却材や減速材も反応に影響しますが、出力制御の主手段は制御棒であり、緊急停止(SCRAM)時には全てを挿入して反応を停止します。安全系統や余熱除去も重要です。
Q2 : 送電系統で力率を改善するために一般的に設置される装置はどれか? 変圧器 コンデンサバンク(静電容量を供給する装置) 同期発電機(単体) 断路器(スイッチング装置)
力率改善には無効電力(遅れまたは先行のVAr)を相殺することが有効で、コンデンサバンクは交流回路に進み側の無効電力を供給して遅れ電流を補償します。これにより系統からの見かけ上の電流が減り力率が改善され、送電損失低減や設備容量の抑制、電力会社からの力率料金の低減などの効果が得られます。インダクティブな負荷が多い工場などで広く用いられます。
Q3 : 発電所の燃料や熱エネルギーを電気エネルギーに変換する割合を示す指標は何というか? 容量係数(キャパシティ・ファクター) 力率 皮相電力 熱効率(サーマル効率)
火力発電所や原子力発電所では、投入した燃料の化学エネルギーや核反応で生じた熱エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できたかを示す指標を熱効率と呼びます。熱効率 = (発電で得られた電気エネルギー)÷(投入した熱エネルギー)で表され、一般的な火力発電所は数十パーセント台の熱効率となります。なお容量係数は発電所の稼働率に関する別の指標です。
Q4 : 高電圧直流送電(HVDC)の主な利点として正しいものはどれか? 短距離送電で安価に導入できる 長距離や海底ケーブルで交流に比べ送電損失や容量制約を低減できる 交流系との互換性が高く接続が簡単である 周波数制御が不要になるためすべての系統問題を解決する
HVDCは長距離や海底ケーブルなどで交流送電に比べて有利なことが多く、無効電力の問題やケーブルの容量制限(リアクタンスや充電電流)を回避でき、送電損失やコスト面で優れる場合があります。コンバータの導入コストや変換損失はあるものの、長距離や大容量、非同期系統間の接続には特に有効で、系統安定化や制御性の向上にも寄与します。
Q5 : 送電線における抵抗損失(ジュール熱)は電流のどの関数に比例するか? 電流に比例する 電流の2乗に比例する 電圧に比例する 周波数に比例する
送電線の抵抗損失はオーム損失とも呼ばれ、式で表すとP_loss = I^2 × Rです。したがって損失は電流の2乗に比例します。例えば電流を2倍にすると損失は4倍になるため、長距離送電では損失低減のため高電圧化により電流を小さくする設計が採られます。電圧を上げることで送電線の効率が改善される原理はこのI^2R損失に基づいています。
Q6 : 力率(Power Factor, PF)の定義として正しいものはどれか? 皮相電力/実効電力 無効電力/実効電力 実効電力/皮相電力 電流と電圧の相関を示す値で単位はオーム
力率は実効電力(有効電力、P)を皮相電力(S)で割った比 P/S で定義されます。一般に力率 = cosφ(電圧と電流の位相差の余弦)と表され、1に近いほど負荷が有効電力を効率的に使っていることを示します。無効電力(Q)は皮相電力との関係で扱われ、力率が低いと配電系統や発電機に余計な負担・設備容量が必要になり、電力会社から改善を求められることがあります。
Q7 : 長距離送電で高電圧を使用する主な理由はどれか? 電圧降下を減らすため 送電線の導体を太くするため 送電容量を減らすため 電流を減らして損失(I^2R)を減らすため
送電で高電圧を用いる最大の理由は、同じ電力を送る際に電流を小さくできることにあります。電力PはP = V × Iで表されるので電圧を上げれば電流を下げられます。損失はI^2Rに比例するため電流を下げると損失が大きく低減します。その結果で導体径や材料コスト、設備の経済性が向上し、長距離送電の効率が良くなります。電圧降下の抑制や設備投資の低減も同時に達成されます。
Q8 : 太陽光発電(PV)の瞬時出力に最も直接的に影響を与える要因はどれか? 日射量(太陽光の強さ) 系統周波数 地磁気の強度 経度
太陽光発電の出力は入射する日射量にほぼ比例します。太陽光パネルに当たる放射エネルギーが多ければ発電量は増え、逆に雲や影、方位・傾斜角の不利、パネル温度の上昇などで出力は低下します。系統周波数や地磁気、経度自体が直接的な発電出力の主要因ではなく、日射量とそれに関連する気象条件や設置角度・温度特性が発電量を決めます。
Q9 : 変圧器の巻線比が一次:二次 = 2:1 の場合、二次側の電圧は一次側に対してどうなるか? 半分になる 2倍になる 同じになる 4倍になる
理想的な変圧器では電圧比は巻線比に比例します。巻線比が一次:二次 = 2:1 の場合、二次巻線のターン数は一次の半分なので二次電圧は一次電圧の1/2になります(V2/V1 = N2/N1)。また電流は逆に比例するため、二次電流は一次電流の2倍になります。実際の変圧器では漏れインダクタンスや抵抗損失があり完全な比率にはならないこと、絶縁や定格を考慮する必要があることも理解しておくと実務で役立ちます。
まとめ
いかがでしたか? 今回は電力クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は電力クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。