カドミウムは非常に有毒な重金属で、産業利用や環境汚染を通じて人体に深刻な影響を及ぼします。このクイズでは、カドミウムの基本的な性質や用途、健康影響、環境動態などについて10問出題します。元素記号やCASナンバー、発がん性分類、主要な障害臓器など、カドミウムに関する重要な知識を確認していきましょう。また、フィトレメディエーションなど土壌浄化技術の理解にも役立てることができます。このクイズを通じて、カドミウムの危険性と適切な管理の必要性を理解を深めていただければ幸いです。
Q1 : カドミウムで汚染された土壌の対処法として適切なものはどれか。
カドミウム汚染土壌の管理法の一つにフィトレメディエーションがあり、カドミウムをよく吸収するハイパーアキュムレータ植物を用いて土壌から金属を除去する手法が検討・実施されています。メリットは低コストで環境への侵襲が小さい点ですが、除去に時間がかかることや、回収・処理された植物体の取り扱いが必要である点が課題です。焼却や単純放置は二次汚染や法的制約の問題があり、中和は無機金属には適用しづらいため、総合的評価でフィトレメディエーションが現実的かつ有効な選択肢となる場合が多いです。
Q2 : 国際がん研究機関(IARC)はカドミウムについてどの発がん性分類に位置づけているか。
国際がん研究機関(IARC)は、カドミウムおよびカドミウム化合物を「グループ1」、すなわち『人に対して発がん性がある』と分類しています。疫学的研究や動物実験により、特に肺がんとの関連が示されており、呼吸器系への慢性曝露がリスクを高めるとされます。この評価は公衆衛生および労働衛生の観点から重要であり、曝露低減のための規制や管理、個人用保護具の使用、排出管理が推奨される根拠となっています。カドミウムは発がん性に加え腎障害や骨障害を引き起こすため、総合的なリスク管理が必要です。
Q3 : 農業的に土壌中のカドミウム濃度を増加させうるものとして最も関連性が高いのはどれか。
リン酸塩系肥料は、原料であるリン鉱石に含まれる微量の重金属(その中にカドミウムが含まれることがある)により、長年の施肥を通じて土壌中のカドミウムを蓄積させる一因となることが知られています。特に重い施肥や同一土壌での累積的な投入があると植物への吸収が増え、食物連鎖を通じたヒト曝露リスクを高めます。農薬や堆肥、灌漑水も場合によっては寄与しますが、歴史的・実務的に見てリン酸塩肥料が重要な寄与源として認識されています。対策としては低カドミウム肥料の利用や土壌管理が挙げられます。
Q4 : カドミウムが作物中に蓄積しやすい例として特に問題となる作物はどれか。
稲作における水田土壌は、還元条件や土壌の化学形態によりカドミウムの溶解性や植物による取り込みが高まることがあり、特に米の穀粒にカドミウムが蓄積されることが問題化してきました。人体への主な経口曝露経路の一つとして、汚染土壌から作物に移行したカドミウムを含む食品摂取が挙げられます。日本でのイタイイタイ病の事例も、汚染された水田で生産された米を通じた長期的摂取に起因したとされています。したがって、水田管理や土壌改良、作物選択が重要です。
Q5 : カドミウムへの長期吸入曝露で最も確立された発がん部位はどこか。
疫学研究や労働者のコホート研究により、カドミウムおよびカドミウム化合物への長期吸入曝露は肺がんリスクの増加と関連していることが示されています。これを受けてIARCはカドミウムをグループ1に分類しています。吸入経路では気道・肺組織への直接的な影響や炎症、酸化ストレスを通じた発がんプロセスが考えられます。したがって粉じんや蒸気が発生する作業環境では、局所排気や呼吸用保護具の使用など曝露低減策が重要です。
Q6 : 生体内でカドミウムが結合しやすく蓄積や移動に関わる低分子たんぱく質はどれか。
カドミウムは生体内でシステイン残基を多く含む金属結合性の低分子たんぱく質メタロチオネインに結合しやすく、これが肝臓や腎臓での蓄積と移動に深く関与します。メタロチオネインは金属イオンの結合・解毒に関与するたんぱく質で、カドミウムが結合すると腎臓へ運ばれ腎臓で処理される過程で尿細管障害を引き起こすことが知られています。こうした結合はカドミウムの生体内動態や毒性発現機構を理解する上で重要です。
Q7 : カドミウムの元素記号と原子番号を正しく答えよ。
カドミウムは元素記号がCdで原子番号は48です。周期表では第12族に属し、典型的な遷移金属に近い性質を示します。銀白色の柔らかい金属で、延性があり電気伝導性を持ちます。自然界では単体よりも亜鉛や鉛の鉱石に微量に含まれることが多く、精錬過程で分離されることが一般的です。化学的には+2価が最も安定であり、多くの化合物でCd2+として振る舞います。産業面では電池や顔料、安定剤、半導体材料などに利用される一方で人体や環境への毒性が問題となっています。
Q8 : 日本で発生した「イタイイタイ病」に関連して、最も主要な障害を引き起こす臓器はどれか。
イタイイタイ病は主にカドミウムによる慢性中毒で、特に腎臓に障害を与えることで知られています。腎臓の近位尿細管が損傷を受けると蛋白尿や糖尿のような尿細管症状が現れ、カルシウムやリンの代謝異常を通じて骨吸収が進み、骨軟化や激しい疼痛を伴う骨症状を引き起こします。日本の事例では鉱山や製錬所からのカドミウム流出が河川や田んぼを汚染し、そこで栽培された米を介して住民に長期的に摂取されたことが原因とされています。腎障害が発端となり全身症状へと進展するため、腎臓が主要な標的臓器です。
Q9 : 産業的にカドミウムが広く使われてきた用途として正しいものはどれか。
カドミウムはかつてニッケル・カドミウム蓄電池(Ni-Cd電池)の電極材料として広く用いられてきました。Ni-Cd電池は放電特性や耐久性に優れていたため携帯機器や非常用電源などで使われましたが、カドミウムの環境・健康リスクから規制や回収の対象となり、近年はニッケル水素電池やリチウムイオン電池への置き換えが進んでいます。他にも顔料、安定剤、電気めっき、半導体(CdTeなど)などの用途がありましたが、有害性のため使用が制限されるケースが増えています。
Q10 : カドミウムは通常どの金属の鉱石の副産物として回収されることが多いか。
カドミウムは単独で大量に産出されることは稀であり、一般に亜鉛鉱(スファレライトなど)の精錬過程で副生成物として回収されます。亜鉛精錬時にカドミウムを分離して精製することで工業原料として利用されます。鉱石中の微量金属として存在するため、精錬技術や資源回収の効率によって回収量が左右されます。また、鉛鉱や銅鉱にも微量含まれることがありますが、主要な供給源は亜鉛精錬である点が重要です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はカドミウムクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はカドミウムクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。