モリブデンは元素番号42の遷移金属で、周期表の5周期6族に属する重要な工業材料です。高融点や高強度、耐熱性に優れ、特に鋼合金や触媒など幅広い用途を持ちます。化学的性質や用途、資源、生物学的役割など、モリブデンに関する様々な側面について、10問のクイズで深く掘り下げていきます。モリブデンの原子番号や化合物の酸化数、電子配置、合金への添加目的、窒素固定酵素での役割、主要鉱石、融点、製錬プロセス、過剰摂取の影響など、モリブデンに関する基礎知識から専門的な話題まで、多角的に検討していきます。
Q1 : 過剰なモリブデン摂取が生体に与える影響として正しいものはどれか。
過剰なモリブデン摂取は銅の吸収や利用を阻害し、結果として銅欠乏に起因する症状(貧血、骨格成長障害、免疫機能低下など)を引き起こすことがあります。動物界では“molybdenosis”として知られる現象が報告されており、飼料中の高濃度モリブデンが銅欠乏を誘発します。一方で通常人の環境曝露量は低く、モリブデン自体の急性毒性は比較的低いとされています。}
Q2 : モリブデンを鋼に添加する主な目的はどれか。
モリブデンは鋼の合金元素として、特に高温強度、耐クリープ性、焼入れ性(硬化能)や靱性を向上させる目的で添加されます。モリブデンはカーバイド形成や粒界強化に寄与し、蒸気タービン部品や自動車用高性能鋼など高温・高応力環境での性能向上に重要です。電気伝導性向上や軽量化が主目的となることは通常なく、むしろ耐熱・機械的特性の改善が主要用途です。
Q3 : 窒素固定酵素(ニトロゲナーゼ)の補因子に含まれる金属はどれか。
多くの微生物が持つ窒素固定酵素(ニトロゲナーゼ)には、FeMo-co(鉄-モリブデン補因子)と呼ばれる複合金属中心が含まれており、ここにモリブデンが存在します。FeMo-coは二窒素(N2)をアンモニア(NH3)へ還元する反応の活性中心であり、窒素循環における生物学的固定の鍵を握ります。なお、一部の窒素固定酵素はバナジウムや鉄のみを含む変種もありますが、モリブデン型が最も一般的です。
Q4 : 天然におけるモリブデンの主要な鉱石は何か。
モリブデン資源の主要鉱石はモリブデナイト(モリブデン石、MoS2)で、層状構造を持つ硫化物鉱物です。モリブデナイトは潤滑剤としてのモリブデン二硫化物(MoS2)の形でも利用され、鉱山から採掘後は焙焼して三酸化モリブデン(MoO3)に変換し、さらに精製・還元して金属モリブデンを得ます。蛇紋岩などは鉱床環境に関連することがあるものの、主要な鉱石そのものではありません。
Q5 : モリブデンの融点は次のうちどれに最も近いか(約)。
モリブデンは非常に高い融点を持ち、約2623℃(約本値は約2623〜2628℃)で融解します。この高融点性により高温用途(たとえば航空宇宙や高温炉部材、放熱体、電極材料など)で価値があります。タングステンほどではないものの、モリブデンも高温強度と熱安定性が要求される合金や部品に広く用いられます。
Q6 : モリブデン化合物が触媒として重要な用途の一つはどれか。
モリブデン(特にMoS2)は石油精製で硫黄化合物を除去する水素化脱硫(HDS)触媒の中心的役割を果たします。通常はCoやNiを添加してアルミナ担体上に担持され、硫黄含有化合物を水素で還元しH2Sとして分離します。HDSは燃料中の硫黄削減と排ガス規制対応に不可欠であり、モリブデン系触媒はその有効成分です。
Q7 : 鉱石から金属モリブデンを得る際、まず行う代表的な工程はどれか。
工業的にモリブデンを製錬する際、代表的な第一工程はモリブデナイト(MoS2)を空気中で焙焼して三酸化モリブデン(MoO3)に酸化することです。得られたMoO3はさらに精製(溶解・沈殿など)され、最終的に水素還元やその他の方法で金属モリブデンに還元されます。電解精錬は純度向上に用いられる場合がありますが、最初の工程は焙焼が一般的です。
Q8 : モリブデンの原子番号はどれか。
モリブデン(Mo)は元素番号42の遷移金属で、周期表の5周期6族に属します。原子番号42は原子核中に42個の陽子が存在することを示し、電子配置や化学的性質、金属としての用途(高温耐性合金、触媒、電子材料など)に直結します。モリブデンは高融点・高強度を特徴とし、銑鉄やステンレス鋼への合金元素として工業的に重要です。歴史的には18世紀後半に同定・分離され、現在は主にモリブデナイト(MoS2)から抽出されます。
Q9 : モリブデンの化合物で最も一般的な酸化数はどれか。
モリブデンは多くの酸化数をとりますが、化学種として最も安定で広く見られるのは+6価の形態です。代表的な+6価化合物には三酸化モリブデン(MoO3)やモリブデン酸イオン(MoO4^2−、モリブデート)があり、工業的にも触媒や顔料、モリブデン化合物の前駆体として頻繁に使われます。+6価は酸化的条件で安定であり、還元条件ではより低い価数(例:+4など)に変化することがあります。
Q10 : 基底状態の電子配置はどれか。
モリブデンの安定な基底状態電子配置は[Kr]4d^5 5s^1です。これはd軌道の半整数占有による安定化を反映しており、クロム(Cr)などと類似した電子配置の逸脱が見られます。このような配置は単純なAufbau則からの例外で、電子間相互作用や軌道エネルギーの僅かな差が原因です。結果としてモリブデンの化学的性質や錯体化学、酸化還元挙動に独特の特徴が現れます。
まとめ
いかがでしたか? 今回はモリブデンクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はモリブデンクイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。