水素は、地球上に最も多く存在する元素で、化学的に最も単純な構造を持ちます。この軽元素は、基礎化学や宇宙化学など、さまざまな分野で重要な役割を担っています。水素の同位体やその化学特性、製造方法、燃料としての特徴など、この小さな元素に隠された驚きの事実を、10問のクイズを通して探求していきます。水素の不思議な世界にご注目ください。
Q1 : 「ブルー水素」とはどのような製造方式により得られる水素を指すか? 再生可能エネルギー由来の電解で作られた水素 石炭をそのまま燃焼して得た水素 化石燃料由来の製造(例えば天然ガスの蒸気改質)で発生するCO2を回収・貯留(CCS)する手法で得られた水素 海水をそのまま電気分解して得た水素
ブルー水素は化石燃料由来の水素生産(一般に天然ガスの蒸気改質など)において発生するCO2を回収・貯留(CCS: Carbon Capture and Storage)することで実質的な温室効果ガス排出を低減したものを指します。グレー水素はCO2を回収しないもの、グリーンは再生可能電力由来の電解で得られる水素を指すなど色分類が使われます。
Q2 : 重水(デューテリウムを含む水、D2O)の用途として代表的で正しいものはどれか? 冷媒として広く一般家庭で用いられる 原子炉における中性子の減速材(モデレーター)および中性子透過制御の用途 自動車燃料としてそのまま用いられる 食塩の代替として食品に用いられる
重水(D2O)は中性子吸収が小さく中性子を効率よく減速する特性を持つため、特に重水炉(CANDU型など)で減速材(モデレーター)や冷却材として用いられます。これにより燃料利用効率や運転特性が変わります。重水は高価であり、一般の冷媒や食品用途には適しませんし、直接自動車燃料として用いられることもありません。
Q3 : 「グリーン水素」とは一般にどのように製造された水素を指すか? 天然ガスを蒸気改質して二酸化炭素をそのまま排出する方法で得た水素 石炭をガス化して得た水素 再生可能エネルギー由来の電気を用いた電解で得た水素 原子力を使って高温熱分解した水素
グリーン水素は再生可能エネルギー(風力、太陽光など)で発電した電気を用いて水の電気分解を行い生成された水素を指します。化石燃料由来で二酸化炭素を排出する方法はグレーやブラウン、排出を回収した場合はブルーと呼ばれるのに対し、再生可能エネルギーでの製造は実質的にCO2排出が極めて低いため「グリーン」と呼ばれます。
Q4 : 水素を燃料として用いる燃料電池(例えばPEMFC)で化学反応の主な化学生成物は何か? 二酸化炭素(CO2) 窒素酸化物(NOx) 一酸化炭素(CO) 水(H2O)
水素燃料電池ではアノードで水素が電子を放出してプロトン(H+)になり、カソードで酸素と再結合して水(H2O)を生成します。従って化学反応の主生成物は水であり、理想的な燃料電池運転下では二酸化炭素や窒素酸化物などの温室効果ガスや有害ガスは発生しません(ただし燃料供給や電極触媒の不純物が影響する場合があります)。
Q5 : 水素の空気中における可燃限界(体積%)のおおよその範囲はどれか? 2〜20% 4〜75% 10〜60% 25〜100%
水素の空気中での可燃限界(燃焼可能な濃度範囲)は約4〜75体積%と非常に広い範囲です。これは可燃性ガスの中でも特に広い値であり、希薄あるいは濃い状態の両方で燃焼や爆発の危険があることを示しています。そのため漏洩検知や換気、点火源管理が重要になります(選択肢表示のうち正しい範囲は4〜75%で示されています)。
Q6 : 水素の燃料としての特徴として正しいものはどれか? 体積あたりのエネルギー密度が高い 質量あたりのエネルギー密度が高い 常温で液体として扱いやすい 不燃性で安全である
水素は質量当たり(kgあたり)のエネルギー密度が非常に高く、化学燃料の中でエネルギー密度が高い部類に入ります。一方で体積あたりのエネルギーは低く、気体としては扱いにくいため高圧ガスや液化(水素液)での輸送・貯蔵が必要です。また常温で液体ではなく可燃性のため安全対策が必要です。
Q7 : 金属材料が水素によりもろくなる現象を何というか? 応力腐食割れ 水素脆化 腐食疲労 電気化学的腐食
金属が水素を吸収・透過することで延性が失われ、亀裂が発生しやすくなる現象は「水素脆化(hydrogen embrittlement)」と呼ばれます。配管や高圧タンク、構造材料において重大な問題であり、材料選定、表面処理、合金設計、使用環境の管理などを通じて対策が必要です。水素は原子サイズが小さいため金属中へ侵入しやすく、引張強度や破壊靱性を低下させます。
Q8 : 水素の原子番号は何か? 1 2 8 6
水素は周期表で最も軽い元素で、原子番号は1です。原子番号1は原子核中の陽子の数を示し、水素は1個の陽子と通常1個の電子を持ちます。周期表の第1族(アルカリ金属に隣接)に位置し、化学的には最も単純な構造を持つため基礎化学や宇宙化学でも重要な役割を担います。原子番号が示す陽子数は元素の同定に用いられ、例えばヘリウムは原子番号2、酸素は8です。
Q9 : 次のうち水素の同位体でないものはどれか? プロチウム(普通の水素) デューテリウム(重水素) トリチウム(三重水素) ヘリウム-3
水素の同位体として知られるのはプロチウム(1H、陽子のみ)、デューテリウム(2H、陽子+中性子1)、トリチウム(3H、陽子+中性子2)です。ヘリウム-3は陽子2個を持つ別の元素の同位体であり、水素の同位体ではありません。トリチウムは放射性で半減期が約12.3年、重水素は安定同位体として様々な用途に使われます。
Q10 : 常圧(1気圧)における水素(H2)の沸点はどれに最も近いか? 4 K(液体ヘリウムの温度) 約20.3 K 77 K(液体窒素の温度) 273 K(0℃)
常圧での分子状水素(H2)の沸点は約20.3ケルビンです。これは非常に低温であり、常温常圧では気体として存在します。液体窒素の77 Kや液体ヘリウムの約4 Kと比べても水素は比較的高い温度で気化しますが、一般的な産業運搬や貯蔵では超低温を必要とする点が課題となります。
まとめ
いかがでしたか? 今回は水素クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は水素クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。