ご自身の雨具を眺めながら、レインウェアの設計や素材、歴史について改めて振り返ってみませんか? この特集では、レインコートに関する10の興味深いクイズを用意しました。防水布の発明者やゴアテックスの特徴、撥水加工の目的など、レインウェアの基礎知識を楽しみながら学んでいただけます。雨の日も安心して外出できるよう、ぜひ最後まで挑戦してみてください。
Q1 : 「オイルスキン(oilskin)」と呼ばれる伝統的な雨具素材の特徴として正しいものはどれか? ポリ塩化ビニル(PVC)で作られた合成素材である ゴアテックスの前身となる多孔性膜である コットンなどの布地に油(亜麻油など)を染み込ませた昔ながらの防水布である 羊毛を防水加工した天然素材である
正解は『コットンなどの布地に油(亜麻油など)を染み込ませた昔ながらの防水布である』です。オイルスキンは19世紀頃に船乗りや漁師が使用した防水布で、コットンや帆布に油やタール、ワックスを染み込ませることで防水性を確保していました。防水性能は高い一方で通気性は低く、重くて手入れが必要です。現代のPVCやゴアテックスなどの合成防水素材とは製法や特性が異なり、オイルスキンは特有の風合いやメンテナンス方法を持つ伝統的素材です。
Q2 : レインウェアの『透湿性(breathability)』を表す一般的な単位は次のうちどれか? mm(ミリメートル) デニール(denier) %(パーセント) g/m²/24h(1平方メートル当たり24時間に通す水蒸気量)
正解は『g/m²/24h(1平方メートル当たり24時間に通す水蒸気量)』です。透湿性はMVTR(水蒸気透過率)として表され、一般にg/m²/24hの単位で示されます。例えば10000g/m²/24hは1平方メートルあたり24時間で1万グラムの水蒸気を透過できることを示す指標で、数値が大きいほど透湿性が高いとされます。mmは防水性(ハイドロスタティックヘッド)を表す単位、デニールは繊維の太さの単位であり、透湿性を直接表す単位ではありません。
Q3 : 塩化ビニル(PVC)製のレインコートを取り扱う際の注意点として最も適切なのはどれか? 高温や直射日光の下で保管すると表面が劣化・割れを起こすため避ける 高温で洗濯機乾燥(タンブル乾燥)すれば耐久性が増す 洗濯の前に強い漂白剤で消毒しても問題ない 長期間濡れたまま密閉して保管することで防カビにつながる
正解は『高温や直射日光の下で保管すると表面が劣化・割れを起こすため避ける』です。PVCは熱や紫外線に弱く、長時間高温や直射日光に晒されると柔軟性が失われて表面がひび割れたりベタついたりすることがあります。また、洗濯や保管時は折り目での亀裂や強い薬剤に注意し、完全に乾かしてから風通しの良い場所で保管することが推奨されます。タンブル乾燥や強い漂白剤の使用、濡れたまま密閉保管は素材を痛めたりカビを発生させたりする原因となります。
Q4 : 縫い目の防水処理における『溶着(ウェルディング)』と『テープシール』の主な違いとして正しいものはどれか? どちらも同じ方法で、呼び名だけが異なる 溶着は熱や超音波で生地同士を一体化させる方法で、テープシールは縫い目にテープを貼って覆う方法である テープシールは常に溶着よりも強度が高く屋外使用に適している 溶着は天然素材にしか使えず合成素材には使えない
正解は『溶着は熱や超音波で生地同士を一体化させる方法で、テープシールは縫い目にテープを貼って覆う方法である』です。溶着(ウェルディング)は熱や超音波などで生地やフィルムを溶かして一体化させる技術で、縫い目そのものを作らないか縫い目を密着させることで高い防水性を実現します。一方、テープシールは縫い目の上に防水テープを貼って穴を覆う方法で、既存の縫製製品に対して簡便に防水化できます。どちらが優れているかは用途や素材によりますが、溶着は継ぎ目の強度や耐水性に優れることが多く、テープは補修やコスト面で有利です。}
Q5 : ゴアテックス(Gore-Tex)素材の主な特徴として正しいものはどれか? 完全に防水だが透湿性はない 防水でありながら水蒸気を通す透湿性がある 天然の油脂で布をコーティングした素材である 装飾性が高く通気性のみを重視した素材である
正解は『防水でありながら水蒸気を通す透湿性がある』です。ゴアテックスは膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を基礎とした多孔性の膜を用いており、微細な孔が液体の水滴よりも小さいため雨は通さない一方、人体から出る水蒸気は孔を通過できるため透湿性を持ちます。1969年にW.L. Gore & Associatesによって商業化され、登山やアウトドア、レインウェアに広く採用されました。選択肢のような天然油でのコーティング(オイルスキン)や単に通気性を重視する素材とは性質が異なり、防水と透湿の両立がゴアテックスの主要な特長です。
Q6 : DWR(Durable Water Repellent:撥水加工)の主な目的は何か? 縫い目をテープで塞ぐこと 生地をポリウレタンでラミネートすること 生地表面で水を弾き水滴をビーズ状にするコーティングを与えること 衣類の色あせを防止するための加工である
正解は『生地表面で水を弾き水滴をビーズ状にするコーティングを与えること』です。DWRは繊維表面に撥水性の薄膜を形成し、雨が生地表面でビーズ状になって流れ落ちることで、表面が濡れて生地が飽和する(wetting out)までの時間を遅らせます。これにより生地の透湿性が保たれやすく、快適性が維持されます。DWRは洗濯や摩耗で劣化するため、定期的な再処理(スプレーや洗剤型の撥水剤)で機能を回復させる必要があります。縫い目のシールやラミネートは別の防水手法であり、DWRそのものは縫い目シーリングやラミネーションを意味しません。
Q7 : レインコートで縫い目に『シームシーリング(縫い目の防水処理)』を行う主な理由は何か? 見た目の装飾性を高めるため 透湿性を大幅に向上させるため サイズ調整を容易にするため 縫い目からの浸水を防ぎ、全体の防水性を高めるため
正解は『縫い目からの浸水を防ぎ、全体の防水性を高めるため』です。縫い目は針で生地を貫通させて糸を通しているため、加工済みの生地でもそこから水が入りやすくなります。シームシーリングは縫い目の上に防水テープを貼ったり、シームシーラントを塗布したりして縫い目の穴を塞ぎ、浸水を防ぐ処理です。これにより、表面生地の防水性能だけでなく、製品全体としての防水性能が確保されます。装飾やサイズ調整とは目的が異なり、通気性を高める処理でもありません。
Q8 : レインコートの防水性能を表す『mm』(ハイドロスタティックヘッド)は何を意味するか? 生地が耐えられる水柱の高さ(ミリメートル) 生地の透湿量を示す単位 生地の厚さを示す単位 生地の平均寿命を示す年数
正解は『生地が耐えられる水柱の高さ(ミリメートル)』です。ハイドロスタティックヘッドは生地の一面に一定の水圧(=水柱の高さ)をかけて、何ミリメートルの水柱に耐えて水が透過しないかを示す指標です。例えば5000mmなら5メートルの水柱分の圧力に耐えられることを意味し、一般的な都市用雨具では数千mm、より高い防水性を求める登山用や豪雨対策では10000mm以上のものが用いられます。透湿性は別の単位(g/m²/24hなど)で評価されます。
Q9 : ガバディン(gabardine)生地を発明し、後にトレンチコートなどで知られる衣料ブランドを創設した人物は誰か? ジョン・エマーリー(John Emary) トーマス・バーバリー(Thomas Burberry) チャールズ・マッキントッシュ(Charles Macintosh) W.L.ゴア(W.L. Gore)
正解はトーマス・バーバリーです。トーマス・バーバリーは1879年にガバディンと呼ばれる耐久性と撥水性を併せ持つ斜文織の生地を開発しました。この素材は通気性を保ちつつ雨水をはじく特性があり、後に第一次世界大戦時の軍用コート(トレンチコート)などに採用され、民生用にも広まりました。チャールズ・マッキントッシュはゴムを用いた防水布で知られ、W.L.ゴアはゴアテックスを開発した企業です。ジョン・エマーリーは歴史的に一部の衣料ブランドと関係がありますが、ガバディン発明者として正しいのはトーマス・バーバリーです。
Q10 : 1823年に防水布に関する画期的な技術を発明し、その名がレインコートの名称にも使われることがある人物は誰か? チャールズ・マッキントッシュ(Charles Macintosh) トーマス・バーバリー(Thomas Burberry) チャールズ・グッデイヤー(Charles Goodyear) ジョン・エマーリー(John Emary)
正解はチャールズ・マッキントッシュです。チャールズ・マッキントッシュは19世紀初頭にゴム溶液を布地の間に塗って接着する技術を開発し、1823年に関連技術で知られるようになりました。この技術により雨を通さない布が作られ、これがmackintosh"(マッキントッシュ、通称“マック”)と呼ばれるレインコートの起源となりました。トーマス・バーバリーは後にガバディンを開発しトレンチコートに関わる人物、チャールズ・グッデイヤーはゴムの加硫(ヴァルカナイズ)技術で知られ、ジョン・エマーリーは一部の衣料ブランドの関係者ですが、防水布の初発明者として正しいのはマッキントッシュです。マッキントッシュの技術は後の防水加工や合成素材の発展にも影響を与えました。"