磁器と陶器の基本的な違いを理解しながら、それぞれの魅力と歴史を学べる一連の「皿クイズ」をお楽しみください。日本の代表的な焼物産地や、世界的に知られるボーンチャイナなどの特徴、ガラス質の釉薬や貫入、電子レンジ使用上の注意点など、皿を通して陶磁器の多様な世界を探ることができます。10問のクイズを解きながら、皿にまつわる知識を深めていきましょう。
Q1 : 皿や器の表面にかけられる、ガラス質で光沢を与える層を何というか。
陶磁器の表面にかけられるガラス質の被膜は「釉薬」と呼ばれる。釉薬は主に珪酸、アルカリ、アルミナなどからなるガラス質成分を含み、器の表面を保護して防水性や光沢を与える役割を持つ。釉薬の組成や鉱物、着色剤を変えることで色や光沢、透明度、貫入の出方などを調整できる。素地や土胎は器の本体部分を指し、金属メッキは別の処理であるため釉薬が正しい。
Q2 : 有田焼と伊万里焼の関係について正しい説明はどれか。
有田焼は佐賀県有田町周辺で生産される磁器の総称である。江戸時代に生産された磁器は、有田で生産され伊万里湾の港(伊万里港)や唐津港などから輸出されたため、海外や流通では輸出港の名にちなみ「伊万里焼」と呼ばれることが多かった。つまり有田は生産地の呼称、伊万里は輸出される際の通称あるいは輸出品名として用いられた歴史的経緯が正しい。
Q3 : 青磁(せいじ)の青緑色の発色に主に関与するのはどの酸化物か。
青磁の特徴的な青緑色は主に釉中に含まれる鉄分(酸化鉄)が還元焼成(酸素の少ない雰囲気)で呈色することによる。釉釉中の鉄の存在量や釉の厚さ、焼成時の還元度合いによって緑や青の濃淡が変わり、東アジアの青磁はこうした条件を巧みに利用して深い青緑色を出してきた。酸化銅でも緑が出ることはあるが、伝統的な青磁の発色要因は酸化鉄である。
Q4 : 電子レンジでの使用に注意が必要で、加熱中にスパーク(火花)が出たり本体を傷めたりするため一般に避けられるのはどの種類の食器か。
電子レンジではマイクロ波が金属表面で反射・集中しやすく、金箔・金彩・銀彩など金属を含む装飾が施された食器を加熱するとスパークや表面の損傷、器や電子レンジ本体の故障の原因となる。そのため金属装飾のある食器は電子レンジ不使用を推奨されることが多い。磁器や一般的な陶器、ホウロウでも金属コーティングがある場合は同様に注意が必要である。
Q5 : 皿の表面に細かい網目状やヒビのような線が入る現象で、主に釉と素地の収縮差などによって生じるものを何というか。
釉薬の表面に入る細かなひび割れ模様は「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる。貫入は釉と素地の焼き収縮率の差や冷却速度の違い、釉の組成などが原因で生じ、器の使用や経年により目立つことがある。陶磁器の中には貫入を意図的に作り出し景色として楽しむものや、長年の使用で貫入により漬物や醤油などの色が染み込み独特の風合いが出る例もある。一方で衛生面や汚れの蓄積に注意が必要な場合もあるため取り扱いに配慮が求められる。
Q6 : 一般的な家庭で使われるディナー皿(主菜用の平皿)の直径として最も一般的なのは次のうちどれか。
一般的な家庭用ディナー皿、つまり主菜を盛るための平皿の標準的な直径はおおむね26cm前後が多い。レストランや用途によって24cm〜28cmといった幅があるが、26cmは家庭用として最も使われるサイズの一つであり、盛り付けやテーブルコーディネートのバランスが取りやすい。20cm程度は副菜やパン用の小皿、12cmは取り皿、35〜40cmはパーティ用途の大型皿に相当する。
Q7 : 磁器と陶器の違いに関する次の記述で正しいものはどれか。
磁器と陶器の基本的な違いは原料と焼成温度にある。磁器はカオリン(高白度の粘土)を主成分とし、1300℃前後の高温で焼成されるためガラス質の釉がよく溶けて透光性や堅さ、非多孔性が得られる。一方、陶器は一般に粘土を主原料にしやや低温で焼かれるため多孔性が残り吸水率が高いことがある。金彩の有無や電子レンジ使用可否は磁器か陶器かだけで一概に決まらないため選択肢1が正しい。
Q8 : 次のうち、加飾に五彩(赤・黄・緑・紫・紺青)や金彩を多用し、色鮮やかな上絵付けで知られるのはどの焼き物か。
九谷焼は江戸時代中期以降に発展した加賀地方の磁器・陶器で、濃彩の上絵具を用いた強い色調の絵付けが特徴である。とくに五彩(赤、黄、緑、紫、紺青)や金彩を効果的に用いた豪華な装飾が有名で、図柄は吉祥文様や人物、自然描写など多岐にわたる。有田焼は藍色の染付を特徴とする一方、美濃焼はのちの産業化で多様な器種を生産、萩焼はやわらかな釉調と貫入や経年変化を楽しむ陶器で、九谷焼とは装飾様式が異なる。
Q9 : イギリス発祥のボーンチャイナ(骨灰磁器)に関して、一般的に原料中に含まれる牛骨灰(bone ash)の割合は概ねどの程度とされるか。
ボーンチャイナは18世紀イギリスで発達した磁器で、硬さと透明性、白さを高めるために動物の骨灰(主に牛骨灰)を混合して作られる。伝統的な配合では骨灰含有量が約30%前後となることが多く、一般的には30〜40%程度含まれることが多い。骨灰のリン酸カルシウムが磁性や光沢、白さに寄与するため、骨灰割合は製品の特性に大きく影響する。したがって約30%以上が標準的であるとされる。
Q10 : 次のうち、古くから日本の主要な磁器・陶器の産地として三大産地に数えられるものに含まれないのはどれか。
日本の陶磁器史でよく“三大産地”と呼ばれるのは有田(佐賀県、有田焼:磁器の代表)、瀬戸(愛知県、瀬戸焼:陶磁器の総称)、美濃(岐阜県、美濃焼:多様な陶磁器)であり、江戸以降の大量生産と流通で重要な役割を果たした地域である。一方、九谷焼(石川県)は独自の色絵技法で有名だが、伝統的に「三大産地」のまとめには入らないため選択肢4が正解となる。
まとめ
いかがでしたか? 今回は皿クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は皿クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。