照度と光束の違いを正しく理解し、照明の設計や評価をするためのクイズです。照度(lx)は照明面に届く光の量を表し、光束(lm)は光源が放出する全光量を表します。この二つは密接に関係しますが、それぞれ異なる意味を持っています。ビーム角や演色評価、グレア指標、制御システムなど、照明設計に関する様々な概念をこのクイズで確認できます。照明の基本知識を深めることで、効果的な照明設計や評価が行えるでしょう。照明の性能や適切な使用条件を理解し、快適な照明環境の実現につなげましょう。
Q1 : 照明器具の「ビーム角(配光角)」はどの基準で定義されることが一般的か?
ビーム角(配光角)は一般に配光曲線の中心軸に沿った光強度の半値幅(full width at half maximum, FWHM)を基準にし、軸上の最大照度が半分になる方向における左右の角度差で定義されます。つまりピーク照度の50%点を境にした角度の合計がビーム角です。スポットやダウンライトの配光特性を比較する際に用いられ、狭角・広角の選定や配光設計で重要なパラメータになります。
Q2 : 劇場や舞台照明の制御に多く使われるデジタル信号規格はどれか?
舞台照明や舞台装置の個別制御にはDMX512(DMX)が広く採用されています。DMXは512チャンネル単位で照明器具や移動ライト、エフェクト機器をアドレス指定してリアルタイム制御できるデジタルプロトコルで、瞬時の信号伝送や複雑なシーン構成に向いています。一方DALIはビル照明の個別・グループ制御に適したデジタル規格で、0–10Vはシンプルなアナログ調光、Zigbeeは無線IoT系と用途が異なります。
Q3 : 照明設計で使う「メンテナンスファクター(MF)」の意味として正しいのはどれか?
メンテナンスファクター(MF)は実際の使用環境での照度低下を見込んで設計照度に乗じる低下係数で、時間経過による光束低下(LLD)、器具や周囲の汚れ(LDD: dirt depreciation)、予備在庫や交換間隔などを総合した値です。MFを適切に設定しないと、設置後しばらくして照度が不足する恐れがあるため、実使用条件や保守方針に基づいてMFを算定・記載します。通常1未満の値で示されます。
Q4 : 人間の明所視(明るい環境での視覚)における視感度のピーク波長はおよそどれか?
明所視(フォトピック視)は錐体視に基づき、視感度のピークは約555 nmの緑色付近にあります。暗所視(スコトピック視)は桿体視に基づきピークが約507 nm付近にずれます。照明のスペクトル設計や照度評価ではフォトピックレスポンスが基準となることが多く、色評価や光の見え方を考える際にはスペクトル分布とこれらの感度曲線の関係を理解しておくことが重要です。
Q5 : 点光源の近似が成り立つ場合、点光源からの距離が2倍になるとその点での照度はどう変化するか?
点光源近似における照度の距離依存性は逆二乗則(E∝1/d²)で表されます。これは同じ光束が球面に均等に広がるとき、表面積が距離二乗に比例して増えるためです。したがって距離が2倍になると受ける光は1/(2²)=1/4となり照度は4分の1になります。実務では作業面と器具の距離、反射や拡散の影響で完全な点光源則にはならない場合もありますが、近似計算として重要な法則です。
Q6 : 色温度が2700Kの照明は一般にどのような色味として認識されるか?
色温度は黒体放射体の見かけ上の温度(ケルビン)で表し、数値が低いほど赤み(暖色)を帯び、高いほど青白い(寒色)光になります。約2700Kは一般家庭の白熱灯に近い暖色で、暖かく落ち着いた雰囲気を演出するために居室や飲食店で好まれます。逆に5000K以上は昼光に近い青白い光で作業性や視認性を重視する空間で用いられることが多いです。色温度は雰囲気と視認性のバランスで選定します。
Q7 : 演色評価数(CRI、Ra)について正しい記述はどれか?
演色評価数(CRI、Ra)は光源が物体の色をどれだけ自然に見せるかを示す尺度で、基準光(理想的な参照光)との色差を基に計算されます。最大値は100で、数値が高いほど色再現性が良いことを意味します。ただしCRIは特定の標準色見本に基づく指標であり、赤や蛍光体発光の再現性など特定色に対する評価が得られにくいという限界もあります。LEDなど新しい光源ではCRI以外にTM-30など別の指標も併用されます。
Q8 : LEDの寿命表記でよく使われる「L70」とは何を指すか?
L70はLED照明で一般的に用いられる寿命指標で、製品の光束維持率が初期光束の70%に低下した時点の累積運転時間を示します。従来の白熱灯や蛍光灯のような突然の断線が少ないLEDでは「寿命=完全に消える時点」よりも、実用上許容される光束低下を基準にした方が現実的です。L70は設計上や保守計画での目安として使われ、例えばL70=50,000時間であればその時間までは光束が70%以上であることが期待されます。
Q9 : 室内環境での不快グレアを評価するUGR(Unified Glare Rating)の目安値として、一般的にオフィスの作業空間で推奨される上限はどれか?
UGRは視覚的な不快感を感じるグレアの度合いを数値化した指標で、値が小さいほど不快感が少ないとされます。一般的なオフィスや会議室などの作業空間ではUGR ≤ 19が目標とされることが多く、この基準を満たすことでコンピュータ作業や書類作業における不快なまぶしさを抑えることができます。ただしUGRは空間の反射や照明器具の配置、照度分布に依存するため、設計時に実測やシミュレーションで確認することが重要です。
Q10 : 照度(lx)と光束(lm)の違いについて正しい説明はどれか?
照度(lx、ルクス)は「ある面が受ける光束の量(lm/m²)」を示す指標で、照明設計では作業面や床面にどれだけ光が届いているかを評価するために用います。一方、光束(lm、ルーメン)は光源が単位時間に放出する光の総量を示す値で、器具やランプの明るさの比較に使います。輝度(cd/m²)や光度(cd)はそれぞれ異なる概念で、用途に応じて使い分ける必要があります。本問では「面積あたりの受光量=照度」「光源が放つ総光量=光束」という基本定義を押さえておけば実務での照明計画に役立ちます。