デザインの基礎をお楽しみいただけるよう、10問のデザインクイズをお送りいたします。バウハウスの歴史、ゲシュタルト心理学、アクセシビリティ基準、色彩理論、タイポグラフィなど、デザインの基本知識を問う問題が盛りだくさんです。デザイン初心者の方から専門家の方まで、幅広い読者層の関心に応えられるはずです。クイズに挑戦して、デザインの奥深さと面白さを発見してみてください。
Q1 : Helvetica(ヘルベチカ)をデザインしたのは誰か? ヤン・チヒョルト(Jan Tschichold) アドリアン・フルティガー(Adrian Frutiger) パウル・レナー(Paul Renner) マックス・ミーディンガー(Max Miedinger)
Helveticaは1957年にスイスでマックス・ミーディンガー(Max Miedinger)がエデュアルト・ホフマン(Eduard Hoffmann)と共に開発したサンセリフ書体で、当初は「Neue Haas Grotesk」という名称でした。アドリアン・フルティガーやパウル・レナー(Futuraの作者)、ヤン・チヒョルト(タイポグラフィ理論家)らも著名なタイポグラファーですが、ヘルベチカの設計者はマックス・ミーディンガーであり、その後スイススタイル(インターナショナル・タイポグラフィック・スタイル)を代表する書体として世界的に広まりました。
Q2 : デザインで配慮すべき色覚異常(色覚多様性)に関して、最も一般的なタイプはどれか? 緑系に関する赤緑色弱(デューテラノマリー/デューテラノピア) 完全な色覚喪失(全色盲) 青系に関する色覚異常(トリタノピア) 赤系に関する完全な赤盲(プロタノピア)
色覚多様性の中で最も一般的なのは赤緑色覚異常で、そのうち緑系(デューテラント/デューテラノマリー、デューテラノピアに分類される)が頻度として特に高いです。デザイン実務では赤緑に依存した配色やコントラストだけで情報を伝えないようにし、形状やラベル、テクスチャ、十分な明度差やコントラスト比を併用することが推奨されます。色覚シミュレーションやアクセシビリティチェックは実装前の重要な確認手段です。
Q3 : ユーザーリサーチで主に定性的データを得られる手法はどれか? A/Bテスト ユーザーインタビュー オンライン解析ツール(定量的ログ) アンケート(大規模な選択式)
ユーザーインタビューは参加者の言葉や行動を深掘りして得られる定性的データを主に収集する手法です。動機や感情、使いづらさの背景などを探るのに適しており、プロトタイプ検証やペルソナ作成、UX課題の仮説立てに有効です。A/Bテストや解析ツール、選択式アンケートは計測可能な定量データを得やすく、組み合わせて使うことで定性と定量のバランスを取りながら意思決定を行うことが望ましいです。}
Q4 : ゲシュタルト心理学の「近接の法則」が指すのはどれか? 要素が色や質感で区別されるほど別のグループに見える 要素が互いに近いほどまとまり(グループ)として認識される 同一の形を持つ要素だけがグループ化される 要素が同じ方向を向いているときにグループ化される
ゲシュタルト心理学における近接の法則(Proximity)は、視覚要素が互いに近接して配置されると観察者はそれらを一つのまとまりとして認識しやすくなる、という原理です。デザイン実務ではメニュー項目やカード、フォームのラベルと入力欄などのグルーピングに活用され、視覚的階層や関連性を示すために空白(ホワイトスペース)やマージンの調整が重要になります。他のゲシュタルト原則(類似性、連続性、閉合性など)と併用してレイアウトを整えることが多いです。
Q5 : WCAG 2.1 のアクセシビリティ基準(AA)で、通常のテキストに要求される最小コントラスト比は? 3:1 7:1 4.5:1 2:1
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)2.1のレベルAAでは、通常のテキスト(小さな本文)に対してコントラスト比4.5:1以上を満たすことが求められます。大きなテキスト(18pt相当以上、または太字で14pt相当以上)は3:1で許容されます。さらに厳格なAAA基準では通常テキストに7:1、見出しなど含めてより高い比率が推奨されます。配色設計では視認性の確保と同時に色覚特性への配慮も必要で、テキストと背景の比を測定するツールを用いることが一般的です。
Q6 : 印刷物のプロセスカラーとして一般的に使用されるのはどれか? RGB HSL HSV CMYK
印刷のプロセスカラーとして一般的に用いられるのはCMYK(Cyan、Magenta、Yellow、Key/Black)です。これは減法混色の仕組みで、紙にインクを重ねて色を再現します。一方、RGBは加法混色でディスプレイなど光源に対する色表現に使われ、HSLやHSVは色相・彩度・明度など色の操作をわかりやすくするモデルですが印刷プロセスの直接的な基準にはなりません。印刷物の色校正ではCMYK値やプロファイル(ICC)管理が重要です。
Q7 : カーニングとトラッキング(字間)の違いで正しいのはどれか? カーニングは特定の文字ペアごとの間隔調整、トラッキングは文字列全体に対する間隔調整 カーニングは行間調整、トラッキングは文字の縦幅調整 カーニングは文字の太さを均一にする処理、トラッキングは文字の高さを統一する処理 カーニングとトラッキングは同義語であり用途に差はない
カーニング(kerning)とは特定の文字ペア(例えばAVやToなど)の間隔を個別に調整して視覚的なバランスを取る処理を指します。トラッキング(tracking、またはレタースペーシング)は単語や段落といった文字列全体に均一に間隔を加減する操作で、文全体の密度や読みやすさを調整する際に使います。両者は目的とスコープが異なり、組版やUIデザインで適切に使い分けることがタイポグラフィの品質向上に繋がります。
Q8 : デザインや構図で使われる「黄金比(ゴールデンレシオ)」のおおよその値はどれか? 1.414(√2) 1.618 2.718(e) 3.1416(π)
黄金比(φ、ファイ)はおおよそ1.618(正確には(1+√5)/2 ≈ 1.6180339887…)です。美術や建築、グラフィックデザインで調和のとれた比率として頻繁に参照され、長方形の縦横比やレイアウト分割、タイポグラフィの比率決定などに応用されます。フィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,…)の隣接する項の比が漸近的に黄金比に近づく点も関係し、自然界や古典芸術にもしばしば見られる比率です。
Q9 : ディスプレイの解像度を表す単位で「1インチあたりのピクセル数」を指すのはどれか? DPI LPI(lines per inch) PPI(pixels per inch) PPM(parts per million)
ディスプレイや画像のピクセル密度を表すのはPPI(pixels per inch)で、1インチあたりに表示されるピクセル数を示します。一方DPI(dots per inch)は印刷のインク点密度を指すことが多く、LPIはハーフトーン印刷の網目密度(lines per inch)を表す用語です。デジタルデザインでは画面表示の精細さを示すためにPPIを、印刷物の品質や解像度設計ではDPIやLPIを使い分けます。
Q10 : バウハウスは誰によって何年に設立されましたか? ヴァルター・グロピウス、1919年 ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、1925年 ヴァルター・グロピウス、1933年 ヴァルター・グロピウス、1905年
バウハウスはドイツのワイマールで建築家ヴァルター・グロピウスが1919年に創設した芸術・工芸学校兼運動です。機能性と工業生産を重視し、美術、工芸、建築を統合する教育を掲げました。1933年にナチスの圧力で閉鎖されるまで、モダニズムデザインに大きな影響を与え、タイポグラフィや家具デザイン、建築思想など現代のデザイン原理の多くがここから発展しました。従って設立年は1919年、創設者はヴァルター・グロピウスが正しい事実です。