世界の屋根と称される高峰から、富士山をはじめとする日本アルプスの名峰まで、登山にまつわる知識を試す全10問のクイズをご用意しました。山の標高や名称といった基礎知識に加え、高山病の原因、遭難時に役立つ合図の方法、標高による気温の変化など、実際の登山で役立つ豆知識も盛り込んでいます。地図やガイドブックを思い浮かべながら、あなたの登山知識がどこまで通用するか、ぜひ挑戦してみてください。
Q1 : 登山で道に迷うなどして遭難した際、日本の登山講習などで基本とされる笛や声による救助要請の合図は、何回を1セットとして行うとされているでしょう。
日本の登山講習や遭難対策の解説などでは、道迷いや怪我などで身動きが取れなくなった場合、笛やホイッスル、声、ヘッドライトの光などを使い「3回」を1セットとして合図を送り、しばらく間をおいてまた3回繰り返す方法が基本として広く教えられています。これに対して救助隊など応答する側は「2回」を1セットで応じるのが一般的です。体力を温存するためにも、大声よりホイッスルの使用が推奨されており、登山用品店などでは緊急用の防水ホイッスルが多く販売されています。
Q2 : 一般的な目安として、標高が100m上がるごとに気温は約何度下がるとされているでしょう。
大気の状態にもよりますが、一般的な目安として標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がるとされており、これは登山の際の服装や装備を考える上でよく使われる経験則です。例えば標高0mで気温25℃の場所でも、標高2500mの山頂付近では単純計算で気温が約10℃低くなる計算になります。実際には風や湿度、天候などの条件によって体感温度はさらに下がることも多いため、登山では余裕を持った防寒対策が推奨されています。
Q3 : 「日本のマッターホルン」とも呼ばれる槍ヶ岳の標高は何メートルでしょう。
槍ヶ岳は長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる標高3180mの山で、日本アルプス(飛騨山脈)を代表する名峰の一つです。天を突くような鋭い穂先の山容から「日本のマッターホルン」とも称され、多くの登山者の憧れの的となっています。山頂付近は岩場や梯子・鎖場が連続する険しいコースで、上級者向けの登山コースとして知られています。日本の高峰の中では標高第5位に位置し、開山は江戸時代後期の僧侶・播隆上人によるものとされています。
Q4 : 富士山の標高は何メートルでしょう。
富士山の標高は3776.12mで、日本国内で最も高い山です。静岡県と山梨県の県境に位置する活火山で、最後に噴火したのは江戸時代の1707年(宝永噴火)です。山頂には気象観測のために設置されていた富士山測候所(現在は通年無人)があり、夏山シーズンには多くの登山者が山頂でのご来光を目指して登ります。標高3776mという数字は語呂合わせで「みなろー(皆、老)」などとも言われ、日本人にとって非常になじみ深い数字です。
Q5 : 登山者が高地で発症する高山病の主な原因はどれでしょう。
高山病は標高が上がるにつれて気圧が下がり、それに伴って空気中の酸素分圧も低下することで体が低酸素状態になり、頭痛・吐き気・めまい・倦怠感などの症状が起こる状態です。一般的に標高2500m前後から発症しやすくなるとされます。予防には、急激に標高を上げず時間をかけてゆっくり登る「高度順応」が重要で、症状が出た場合は無理をせず標高を下げることが最も有効な対処法とされています。寒さや紫外線、疲労も体調に影響しますが、高山病の直接的な主因ではありません。
Q6 : 登山用語で、クライマー同士を安全のためにつなぐ「ザイル」とは何のことでしょう。
「ザイル」はドイツ語の「Seil(綱・ロープ)」に由来する登山用語で、クライマー同士の体をつないで滑落や転落を防ぐためのロープを指します。日本の登山界ではかつてドイツ式の登山用語が多く使われ、ザイルのほかにも「ヒュッテ(山小屋)」「アイゼン(登山用スパイク)」などが今も広く使われています。近年は英語由来の「ロープ」という呼び方も一般的になっていますが、クラシックな登山用語として「ザイル」も現在なお使われ続けています。
Q7 : 富士山・白山とともに「日本三名山」(日本三霊山)に数えられる山はどれでしょう。
日本三名山(日本三霊山)は、駿河の富士山、加賀の白山、越中の立山の3つを指し、古くから信仰の対象として崇められてきた霊山です。立山は富山県にある標高3015mの山で、雄山・大汝山・富士ノ折立からなる立山三山を中心とした山域の総称としても使われます。室堂を拠点とする立山黒部アルペンルートの観光地としても知られ、夏でも残る雪の大谷は人気の観光スポットです。大山は鳥取県、石鎚山は愛媛県、剣山は徳島県にある山で、いずれも名峰ですが日本三名山には含まれません。
Q8 : 日本アルプスのうち、木曽山脈は別名で何と呼ばれるでしょう。
日本アルプスは、飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、赤石山脈(南アルプス)の3つの山脈の総称です。木曽山脈=中央アルプスは長野県内に位置し、最高峰は標高2956mの木曽駒ヶ岳です。北アルプスの槍ヶ岳・穂高岳、南アルプスの北岳・甲斐駒ヶ岳などと並び、日本を代表する高山帯として登山者に人気があります。なお「東アルプス」という呼称は日本アルプスの分類には存在しません。
Q9 : 世界で最も標高の高い山はどれでしょう。
エベレストはヒマラヤ山脈に位置する世界最高峰で、標高は8848.86m(2020年に中国とネパールが合同で測量し公式に更新された数値)です。ネパール語ではサガルマータ、チベット語ではチョモランマと呼ばれます。K2(8611m)は世界第2位の高峰でパキスタンとの国境付近にあり、技術的難易度の高さから「非情の山」とも呼ばれます。キリマンジャロはアフリカ最高峰(5895m)、モンブランは西ヨーロッパ最高峰(4808m)で、いずれもエベレストより低い山です。
Q10 : 日本で最も標高が高い山はどれでしょう。
日本一高い山は静岡県と山梨県にまたがる富士山で、標高は3776.12mです。独立峰の美しい円錐形の成層火山として世界的にも知られ、2013年には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されました。日本第2位の高峰は南アルプスの北岳(3193m)、第3位は奥穂高岳(3190m)です。槍ヶ岳は標高3180mで日本第5位の高峰であり、独特な尖った山容から「日本のマッターホルン」とも呼ばれる人気の名峰です。
Q11 : スイスのツェルマット近郊で象徴的な山として知られる、尖った形の山はどれか?
ツェルマット(スイス)で象徴的な尖った姿を見せるのはマッターホルン(Matterhorn)です。標高は約4478メートルで、アルプスを代表する山の一つとして世界的に知られています。特に北壁の険しさと整った三角形の稜線が観光写真や登山史で有名で、ツェルマットの町からの眺めが人気の理由です。登頂は技術を要し、気象条件による危険も大きいため経験者向けの山とされています。
Q12 : 雪崩が発生しやすくなる条件として最も関係が深いのは次のうちどれか?
雪崩は単一の要因で起こることは少なく、特に急斜面と雪層の弱い層(弱層)が存在することが発生に直結します。新雪や降雪後の負荷、急激な気温上昇、風による雪庇形成、人為的なトリガーなどが加わると、弱層上で滑りやすくなり大規模な雪崩に発展します。したがって雪崩危険評価では斜度、雪層剥離試験、降雪履歴、気温変化、風の影響などの総合的な判断が必要になります。
Q13 : 登山で携行する行動食(行動中に食べる食料)の望ましい特徴はどれか?
行動食は行動中に素早くエネルギー補給できることが重要で、小分けされていて取り出しやすく、エネルギー密度が高く軽量、消化に良い炭水化物や一部脂質を含むものが望ましいです。例としてエネルギーバー、ナッツ、ドライフルーツ、チョコレート、ジェルなどが挙げられます。休憩時間が短い場合でも手早く摂取できること、温度変化で固化しにくいものを選ぶことも実用上のポイントです。
Q14 : 日本のヤマビル(山蛭)はどのような環境で活動しやすいか?
ヤマビルは湿度の高い森林地帯や落葉や下草の多い場所を好み、一般に春から秋にかけて気温が上がり湿度が高い条件で活発になります。特に梅雨時や雨上がり、気温が比較的温暖な時期に接触の機会が増えます。対策としては長靴や防水ソックスの着用、肌の露出を避ける、防虫スプレーや市販の忌避剤を使う、登山後に衣服や靴をよく点検する等が推奨されます。
Q15 : 穂高連峰(北アルプス)における主峰は次のうちどれか?
穂高連峰(ほたかれんぽう)の主峰とされるのは奥穂高岳(おくほたかだけ)で、標高は約3190メートルです。穂高連峰は北アルプス(飛騨山脈)に位置し、奥穂高岳は連峰の中でも標高が高く、登山ルートや稜線歩き、岳沢や槍ヶ岳方面への縦走といった魅力的な山行が可能です。難易度の高い岩稜帯や変わりやすい天候があるため、経験や装備、計画が重要になります。
Q16 : 日本で富士山に次いで高い山のうち、北岳の標高は次のどれか?
北岳(きただけ)は日本で富士山に次いで高い山で、その標高は3193メートルです。南アルプス(赤石山脈)に属し、山岳ファンや登山者の間では厳しい登りと変化に富んだ景観で知られています。北岳は高山植物や稜線歩きの魅力もあり、日本百名山の一つとして多くの登山者に親しまれています。標高は国土地理院のデータに基づく公的な数値で、ガイドブックや地図でもこの3193mが用いられています。
Q17 : 富士山の公式標高は次のうちどれか?
富士山の公式標高は3776メートルです。この標高は日本の気象庁や国土地理院などの公的機関でも広く採用されており、長年にわたり同じ値が用いられてきました。2014年に測量法が改定されたり、2013年の火山活動後の変化が議論されることはありましたが、現在も一般に受け入れられている標高は3776mであり、観光案内や登山ガイドブックでもこの数値が用いられています。測量や地殻変動により将来にわたって微調整される可能性はありますが、現時点での標準的な数値は3776メートルです。
Q18 : エベレスト(サガルマータ)の公表されている標高(2020年以降の合意値)はどれか?
エベレストの標高については長年議論がありましたが、ネパールと中国(中華人民共和国)は2020年に共同発表を行い、海抜8848.86メートルが公式値として合意されました。これは従来広く用いられてきた8848mに微修正を加えた値で、氷や雪の厚さ、測量技術の差異、地殻変動などを考慮した結果とされています。なお過去には8850mに近い報告や8611mといった誤った数値も出回りましたが、現在の国際的な参照値は8848.86mです。
Q19 : ピッケル(アイスアックス)の登山での主な役割は次のうちどれか?
ピッケル(アイスアックス)は雪山や冬山で用いる基本的装備で、最も重要な用途の一つがセルフ・アレスト(滑落停止)です。滑落を始めた際にピッケルで斜面に刃やシャフトを刺して体を止める技術は命を守る上で基本中の基本となります。もちろんバランスを取る、積雪の掘削、サポートとして用いるといった多用途性もありますが、セルフアレストのための形状と使い方が重視されます。適切なサイズと持ち方、訓練が不可欠です。
Q20 : 登山用の『アプローチシューズ』の特徴として最も適切なのはどれか?
アプローチシューズはハイキングシューズとクライミングシューズの中間に位置する装備で、防水性やグリップ性に優れたラバーソールを持ち、岩場の取り付きや簡単なスクランブル(手を使う岩場歩行)にも対応できる設計になっています。軽量で柔軟性があるため長いアプローチ(登山口からクライミング取り付きまでの道程)に適し、アイゼンを装着する本格的な雪山や両足が固定されるクライミングには向きませんが、多目的に使えるのが特徴です。