ブランデーに関するさまざまな知識を問うクイズがいよいよスタートです。コニャックやアルマニャックをはじめとする伝統的なブランデーの製法や特徴、各地域の特産品など、ブランデー通が納得の内容が満載です。ブランデーマニアはもちろん、これから本格的にブランデーを楽しみたい方にもおすすめの10問です。ぜひ自分の知識を確認しながら、ブランデーの世界をさらに深く理解してみてください。
Q1 : フランス南西部の伝統的な蒸留法を多く採用し、一般に一回の連続式蒸留によって香味豊かな低度の原酒を作る蒸留酒はどれか。
アルマニャックは南西フランスの伝統蒸留酒で、一般的にアルマニャック専用の連続式単段蒸留機(アルマニャック式コラム)で一度だけ蒸留する手法が伝統です。これにより生成される原酒は度数が比較的低めで、香味成分が多く残るため芳醇で個性的な風味が出ます。対照的にコニャックは銅製ポットスチルで二度蒸留するのが一般的で、よりクリーンな基酒を目指します。
Q2 : リンゴやナシを原料とするフルーツ・ブランデーで、フランス北西部ノルマンディー地方の特産として法的に保護されている名称はどれか。
カルヴァドス(Calvados)はフランス北西部ノルマンディー地方特産のリンゴやナシを原料とする蒸留酒で、AOC(原産地統制呼称)によって生産地や製法が規定されています。原料果実の発酵、蒸留、オーク樽での熟成など厳格な要件があり、地域ごとに細かい区分があります。風味は果実由来のフレッシュさと木樽由来の複雑さが調和したもので、ブランデーの一種として広く知られています。
Q3 : 一般的にブランデーやコニャックのラベルに表示された熟成年数は、ブレンド中のどの原酒の熟成年数を指すか。
ブランデーやコニャックにおけるラベル表示の熟成年数は、ブレンドに含まれる原酒のうち『最も若い原酒』の熟成年数を指します。つまりラベルに「X年」とあれば、そのブレンドに含まれるどの原酒も最低でもその年数以上樽熟成されていることを意味します。平均年数や最古の年数を示すわけではないため、年数表示は最短熟成期間の保証として解釈するのが正しい理解です。
Q4 : コニャックで伝統的に使われる主要な白ブドウ品種でないものはどれか。
コニャックで伝統的に使用される白ブドウにはウニ・ブラン、フォル・ブランシュ、コロンバールなどがあります。これらは酸が高く蒸留向きの品種です。一方、カベルネ・ソーヴィニヨンは主に赤ワイン用のぶどうであり、コニャックの原料としては一般的ではなく、公式産地での使用例も稀です。したがってコニャックの主要原料として当てはまらないのはカベルネ・ソーヴィニヨンです。
Q5 : フランス語の「eau-de-vie」を直訳するとどの表現が最も近いか。
フランス語の「eau-de-vie」は直訳で「命の水」または英語のaqua vitae"に相当し、蒸留酒一般を指す語です。蒸留によって得られるアルコール飲料を示す伝統的な表現で、果実を原料とするフルーツブランデー(フルーツ・オー・ド・ヴィー)やぶどうを原料とするブランデーなどを広く含みます。ここでの語意は単なる「水」ではなく生命や活力を象徴する意味合いを持つため、「命の水」が適切な訳語となります。"""
Q6 : ブランデーの代表的な原料ブドウで、コニャックの生産に最も広く使われている品種はどれか。
ウニ・ブラン(フランス名Ugni Blanc、イタリア名Trebbiano)はコニャック製造で最も広く使われる品種です。糖度は控えめで酸が高く、病害に強く収量も安定しているため、蒸留に適した薄いワインが得られます。蒸留後のフレーバーはニュートラルで他の原酒とブレンドしやすく、コニャックやアルマニャックの多くのメゾンで主流の原料となっています。メルローやシャルドネ、ピノ・ノワールはワイン用には重要ですが、コニャックの伝統的主要品種ではありません。
Q7 : コニャックの製法に関する次のうち正しいものはどれか。
コニャックは伝統的にアルンビック・シャラント式と呼ばれる銅製の単式ポットスチルで二回蒸留されます。最初の蒸留をbrouillis(ブリュイ)、二度目をbonne chauffe(ボン・ショフ)と呼び、二回蒸留することで不要な成分を除きつつ香味を残します。連続式や三回蒸留は原則コニャックの規定には当てはまらず、コニャック特有の製法として二回蒸留が規定されています。
Q8 : コニャックの公式なクリュ(原産地区分)で、面積が最も小さい代表的な地区はどこか。
コニャック地方のクリュの中で最も小さいのはボルディー(Borderies)です。面積は小さいものの、粘土と石灰質が混ざった土壌により独特のフローラルで香り立ちの良い原酒が生まれます。グランド・シャンパーニュやプティ・シャンパーニュはより広い面積を持ち、長熟向きの石灰質土壌が特徴です。ボルディー由来の原酒は早くから香りが開き、ブレンドに個性を与えるため高く評価されることが多いです。
Q9 : コニャックの等級表示でXO(エクストラ・オールド)と表記するための最少熟成期間は、2018年の規則変更後は最低何年か。
コニャックの等級表示でXOとするための最少熟成期間は、2018年の規則改定以降「最低10年」と定められています。以前は6年が基準でしたが、品質向上を目的にBNIC(コニャック委員会)が基準を引き上げました。ここでの熟成年数はブレンド中で最も若いオードヴィ(eau-de-vie)の樽熟成年数を基準とする点に注意が必要です。これによりXO表記の製品はラベル上で最低でも10年間は樽熟成された原酒を含んでいることになります。
Q10 : スペインのブランデー、特に『ブランデー・デ・へレス(Brandy de Jerez)』の熟成やブレンドでよく用いられる、幾層にも分けて部分的に移し替えながら熟成する伝統的な方法は何というか。
ブランデー・デ・へレスで広く用いられるのはソレラ(Solera)方式です。これは複数の熟成段階(クリアデラス)を用意し、最も古い段(ソレラ)から一部を抜き取り補填する形で若い原酒を上段から順に下ろしてゆく分級・循環方式です。シェリー樽を用いた酸化熟成や断続的なブレンドにより、一定した品質と複雑な風味を得られるのが特徴で、年代表記ではなく平均熟成年数での管理が行われます。
まとめ
いかがでしたか? 今回はブランデークイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はブランデークイズを出題しました。
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次回のクイズもお楽しみに。