ウイスキーファンなら知っておくべき10の基本クイズ
ウイスキーには世界各国で多様な伝統と特徴がありますが、その知識を問われることも多いでしょう。この記事では、ウイスキー初心者から愛好家まで楽しめるクイズを10問ご紹介します。バーボンやシングルモルト、ブレンデッド、熟成など、ウイスキーの特徴や法規制、歴史に関する基本的な知識を確認できます。これを機に、ますますウイスキーの魅力に夢中になっていただければと思います。さっそく、クイズの始まりです。
Q1 : 「ブレンデッドウイスキー」とは一般にどのようなカテゴリを指すか? 複数のシングルモルトとグレーンウイスキーを混ぜたもの 単一の蒸留所で作られた単一麦芽のこと 樽の種類をブレンドした同一原酒のこと 熟成年数が表示されないウイスキーの総称
ブレンデッドウイスキーは一般に複数のシングルモルト原酒と複数または単一のグレーンウイスキーをブレンドして作られるカテゴリを指します。これは原酒同士をブレンドすることで一貫した風味やバランスを作り出す手法で、世界の多くの有名ブランドがこの方式を採用しています。シングルモルトは単一蒸留所のモルトのみを指し、ブレンデッドはそれにグレーンを組み合わせることで多様な味わいを実現します。
Q2 : 「シングルカスク」表記が意味するものとして正しいのはどれか? 複数の樽を混ぜて一つの個性に仕上げたボトルである 一つの特定の樽から取り出した原酒を混ぜずに瓶詰めしたもの 必ず12年以上熟成されたものである 主にバーボンにしか使われない表示である
シングルカスクは文字通り「一つの特定の樽(single cask)から取り出した原酒を、他の樽の原酒と混ぜずにそのまま瓶詰めした」ことを意味します。そのためボトリング時の風味や色、アルコール度数は樽ごとに大きく変わり、バッチ間のばらつきが生じやすいのが特徴です。熟成年数の最低基準はなく、またシングルカスク表記はスコッチ、バーボン、日本など複数カテゴリーで用いられますので「必ず12年」や「バーボンのみ」というのは誤りです。」
Q3 : スコッチ・ウイスキーを瓶詰めする際の最低アルコール度数(法定)はどれか? 37.5% 43% 46% 40%
スコッチ・ウイスキーは法的に最低40%のアルコール度数で瓶詰めすることが定められています。EUの一部規定では37.5%が用いられる酒類もありますが、スコッチの原産地規定(Scotch Whisky Regulations)では40%ABV未満での「Scotch」表記は認められていません。また蒸留時や熟成時の管理、希釈後のラベリング等も規則で細かく定められており、消費者保護と原産地表現の一貫性を保つ目的があります。
Q4 : アイラ(Islay)島が世界的に有名なのはどのようなタイプのウイスキーの産地だからか? ピート香が強く、スモーキーなシングルモルトで有名 フルーティで軽やかなスペイサイド系シングルモルトで有名 主にグレーンウイスキーを生産する地域で有名 シェリー樽熟成のみを行う蒸留所が多いから
アイラ島はピート(泥炭)を焚くことで得られる土や海藻を思わせる強いスモーキーさを特徴とするシングルモルトで有名です。代表的な蒸留所にラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグなどがあり、ピート由来のフェノール類が香味に強く現れるため重厚で個性的なスタイルになります。もちろんアイラでも軽めの表現や多様なニュアンスの蒸留所はありますが、一般的なイメージとして「ピーティでスモーキー」が強調されます。
Q5 : バーボンウイスキーに関する次のうち正しいものはどれか? バーボンは必ず再利用されたオーク樽で熟成されなければならない バーボンは新しいチャー(内面を焼いた)オーク樽で熟成される必要がある バーボンは必ずトウモロコシだけを原料としなければならない バーボンは蒸留度が90%を超えていなければならない
バーボンは規定により新しいチャーオーク樽(new charred oak barrels)で熟成される必要があります。原料は必ずしもトウモロコシのみではなく、51%以上がトウモロコシであればよく、残りはライ麦や大麦麦芽など混合可能です。蒸留度の上限規定はあり「連続蒸留等で高アルコール度にしすぎない」旨の制限がありますが、90%という特定数値は誤りです。再利用樽での熟成はバーボンの定義上不得手で、シェリーや他のウイスキーで用いられる再利用樽とは異なります。
Q6 : ウイスキー用語の「エンジェルズ・シェア(天使の取り分)」が指すものは何か? 蒸留後に製造業者が受け取る税金や手数料のこと 瓶詰め時に味を補正するために加えられる無水アルコールのこと 熟成中に樽から蒸発して失われるアルコールと水分のこと 特定の蒸留所でのみ行われる秘伝の熟成技法のこと
エンジェルズ・シェアは熟成期間中に樽から蒸発して大気中へ失われるアルコールと水分のことを指します。気温・湿度・樽の材質や形状、熟成庫の条件によって蒸発率は変わり、一般に年間数パーセントの損失が生じます。この現象はウイスキーの風味や濃度に影響を与え、蒸発で濃縮される側面と量が減る側面の両方があるため、蒸留所は熟成期間や管理方法を調整して望ましい仕上がりを得る工夫を行います。
Q7 : 日本のウイスキー史で1923年に創業し、日本初のモルト蒸留所として知られるのはどの蒸留所か? ニッカ余市蒸留所 サントリー白州蒸留所 イチローズモルト蒸留所 山崎蒸留所
山崎蒸留所は1923年に鳥井信治郎(サントリーの創業者)が設立した日本初の本格的なモルト蒸留所として知られます。京都郊外の盆地で水質や気候を活かし、長年にわたり日本のシングルモルトの基礎を築いてきました。ニッカ余市は後に創業された蒸留所であり、白州やイチローズはさらに後年の設立です。山崎は日本のウイスキー発展において歴史的に重要な位置を占め、初期からの製造技術や味作りの伝統が今も続いています。
Q8 : バーボンウイスキーは法的にどの国で生産されなければならないか? アメリカ合衆国 スコットランド アイルランド 日本
バーボンはアメリカ合衆国で生産されることが法的要件です。原料の51%以上がコーンであること、新しいチャー(内面を焼いた)オーク樽で熟成されることなどの規定があり、最低熟成期間の一般規定はありませんが「ストレート・バーボン」と表記する場合は最低2年熟成が必要です。蒸留度やラベリング、原産地表示に関する詳細な基準も米国法で定められており、スコッチやアイリッシュなど他国の法律とは異なる点が多いことも重要です。なお生産は米国内に限定されており、海外で同じ製法でも「バーボン」を名乗れません。
Q9 : シングルモルト・スコッチの定義として正しいものはどれか? 同一の樽のみから瓶詰めされたウイスキー 単一の蒸留所で、大麦麦芽(モルト)のみを使用して作られるウイスキー 複数の蒸留所のモルト原酒をブレンドしたもの シングルカスクでシェリー樽のみで熟成されたもの
単一蒸留所で大麦麦芽(モルト)を主原料にして生産されるウイスキーがシングルモルトです。重要なのは複数蒸留所の混合ではなく「ひとつの蒸留所(single)」である点で、同じ蒸留所の異なる樽や異なる年の原酒をブレンドしてもシングルモルトと呼べます。対してブレンデッドモルト(旧称:バラエティにより呼称あり)は複数蒸留所のモルト同士のブレンド、シングルグレーンは連続式蒸留機で得たグレーン原酒など別カテゴリです。
Q10 : シングルモルト・スコッチの蒸留に伝統的に使用される蒸留器はどれか? 連続式蒸留機(カラムスティル) リフラックス式蒸留器(現代型) ポットスティル(単式蒸留器) 真空蒸留器
伝統的なシングルモルト・スコッチはポットスティル、つまり単式銅製蒸留器を用いて蒸留されます。ポットスティルはローストされた麦芽由来の風味を強く残しやすく、複数回の蒸留を行っても原酒の個性を保つため、シングルモルトの豊かな香味を形成する重要な要素です。これに対して連続式(カラム)蒸留機は生産効率が高く、比較的中立なグレーン原酒を作るのに適しています。
まとめ
いかがでしたか? 今回はウイスキークイズをお送りしました。
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今回はウイスキークイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。