日本で一般に「サイダー」と呼ばれる飲料は、無果汁の透明な炭酸清涼飲料を指すことが多く、ラムネやレモンスカッシュに近いソフトドリンクを意味します。一方で英語圏のciderはリンゴを発酵させたアルコール飲料を指します。このように、言語によってサイダーの定義が異なることに注意が必要です。本クイズでは、サイダーに関する様々な知識を確認していきます。
Q1 : 「スクランピー(scrumpy)」とはどのようなサイダーを指すか?
スクランピー(scrumpy)は主に英国の伝統的呼称で、農家で作られる未濾過・比較的粗野で濁りのあるファームハウススタイルのサイダーを指します。製法や原料が多様で香味が強く、瓶詰めや熟成の度合いによって個性が出ます。商業的に均一に作られるライトなシードルとは対照的に、地域差やハンドメイド感が特徴です。
Q2 : りんごを搾った後に残る搾りかす(pomace)はサイダー生産においてどのように扱われることがあるか?
りんごの搾りかす(ポマース)は水分と固形分を含む副産物で、家畜の飼料や肥料として利用されることが多いほか、乾燥・蒸留して蒸留酒(例えばカルヴァドスやその他の果実ブランデー)の原料になることもあります。適切に処理すれば資源として再利用可能で、廃棄物削減の観点からも重要な副産物です。
Q3 : 辛口のハードサイダー(ドライシードル)と相性が良い料理はどれか?
辛口のハードサイダーは酸味と適度なタンニン、炭酸の切れ味が脂肪分の多い料理とよく合います。特に豚のローストやベーコン、脂のあるソーセージなどはサイダーの酸と泡が脂を切り、味わいを引き締めます。逆に繊細な生魚や非常に甘いデザートとは相性が必ずしも良くない場合があり、料理の重さに合わせてドライ・スイートを選ぶとよいでしょう。
Q4 : 商業的に安定した炭酸を持たせるため、現代のサイダー製造で一般的に用いられる方法はどれか?
伝統的な瓶内二次発酵(ナチュラル発泡)を行うこともありますが、商業製造では製品の均質性と安定供給のためにタンク内で二酸化炭素を注入する強制炭酸(インジェクション)が広く用いられます。これにより泡立ちや圧力が管理しやすく、賞味期限や輸送耐性も確保しやすくなります。一方でクラフト系では瓶内発酵で個性的な泡を出す例もあります。
Q5 : フランスの伝統的なcidre(シードル/シードルに相当する酒)の一般的なアルコール度数は次のうちどれが最も近いか?
フランスの伝統的なシードル(cidre)は一般に低〜中程度のアルコール度数を持ち、概ね3〜8%程度が普通です。リンゴ果汁を発酵させることで得られるためワインより低アルコールで、地域や製法、加糖の有無で差はありますが10%を超えることは比較的稀です。蒸留してアルコール度数を高めたものはカルヴァドスなど別のカテゴリーになります。
Q6 : 長い歴史を持ち、伝統的にシードル(サイダー)生産が盛んな地域はどれか?
シードルの歴史的中心地の一つはフランス北部のノルマンディーやブルターニュで、りんご栽培とシードル生産が古くから行われてきました。イングランドの西部やアイルランド、スペイン北部(バスク地方)なども伝統的産地です。これらの地域はリンゴの品種や気候、文化的背景が結びつき、多様なスタイルのシードルを生み出してきました。
Q7 : サイダー(シードル)の特徴的な酸味の主成分は何か?
リンゴに特有の酸味の主成分はリンゴ酸(マル酸)であり、果実由来の爽やかな酸味を与えます。発酵や熟成の過程で乳酸発酵が起きると乳酸が増える場合もありますが、基礎的な果実酸としてはリンゴ酸が支配的です。酸の種類と量は品種や収穫時期、製造方法に影響され、シードルの味わい(爽やかさや保存性)に大きく寄与します。
Q8 : 日本で一般に「サイダー」と呼ばれる飲料は次のうちどれか?
日本では「サイダー」というと一般的に無果汁または果汁が少量の透明な炭酸清涼飲料を指すことが多く、ラムネやレモンスカッシュに近いソフトドリンクを意味します。一方で英語圏でciderと言えばリンゴを発酵させたアルコール飲料(hard cider)が一般的で、フランス語のcidreや日本で近年使われる「シードル」はその意味を強く持ちます。したがって日本語の日常語としての「サイダー」は非アルコールの清涼飲料を指すのが標準的であり、語義の違いに注意が必要です。
Q9 : 伝統的なアルコール性サイダー(シードル)を造る際、りんごのどの性質が最も重要とされるか?
伝統的なシードル用リンゴは単に糖度が高ければ良いというわけではなく、酸(主にリンゴ酸)とタンニン(渋み)を含む品種が重要視されます。酸は飲料の爽快感や保存性に寄与し、タンニンは味わいの骨格や熟成適性を与えます。実際のブレンドでは甘味(糖分)と酸・タンニンのバランスをとることで複雑で飲みごたえのあるシードルが出来上がります。
Q10 : アルコール飲料としてのハードサイダーにアルコールをもたらす工程はどれか?
ハードサイダーのアルコールは、リンゴ果汁中の糖分を酵母が代謝してエタノール(アルコール)と二酸化炭素に変える発酵によって生成されます。蒸留は発酵で得たアルコールを濃縮してスピリッツを作る工程であり、直接サイダーのアルコール発生過程ではありません。発酵温度や酵母株、果汁の糖度が最終的なアルコール度数や風味に影響します。
まとめ
いかがでしたか? 今回はサイダークイズをお送りしました。
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