チョコレートの品質や製造工程、特徴などに詳しい知識が試される「チョコレートクイズ」を10問ご用意しました。カカオ豆の主要品種から、テンパリングの適切な温度、チョコレートに含まれる成分の特性まで、チョコレートの世界を深く掘り下げたクイズが満載です。チョコレート愛好家にはもちろん、菓子製造に携わる方にも興味深い内容だと思います。この機会に、チョコレートに隠された魅力的な知見を発見していただければと思います。
Q1 : コンチング(conching)の主な目的として正しいものはどれか?
コンチングはフェルセンやローラーで顆粒をすり合わせる長時間の攪拌加熱工程で、粒子をさらに微細にするとともにカカオ由来の風味を均一化し、揮発性の不快な成分を飛ばして望ましい香味を引き出す役割があります。また粘度や口溶けを調整し、食感を滑らかにすることも重要です。コンチングの時間や温度、機械的条件は最終製品の風味やテクスチャーに大きく影響します。
Q2 : チョコレートに含まれ、利尿作用や心臓に対する穏やかな刺激がある成分として知られるものはどれか?
テオブロミンはカカオに豊富に含まれるアルカロイドで、カフェインと同じキサンチン系に属します。利尿作用や心拍数への穏やかな刺激を引き起こす性質があり、苦味に寄与します。カフェインも含まれますが、カカオ中の主要な刺激成分はテオブロミンで、作用はカフェインよりマイルドです。テオブロミンは摂取量が極端に多い場合に問題となりますが、人間にとっては通常の摂取で重篤な影響は稀です。
Q3 : 『クーベルチュール(Couverture)』チョコレートの特徴として最も適切なのはどれか?
クーベルチュールは製菓用の高品質チョコレートで、カカオバターが多めに配合されているのが特徴です。これにより光沢や口溶けが良く、テンパリングによる結晶化で滑らかな仕上がりが得られるため、コーティングや細工に向いています。一般的にプロのパティシエやショコラティエが好んで使い、用途に応じてダーク、ミルク、ホワイトの種類があります。
Q4 : チョコレート表面に白っぽい斑点(ブルーム)が現れる現象について、カカオバターが溶けて再結晶することで起きるのはどれか?
チョコレートの白い斑点は主に二種類あり、脂肪ブルームは温度変化や保存状態の悪化でカカオバターが移動し、表面で再結晶化することで起こります。これにより白っぽく曇った見た目になり、食味も若干変化します。糖ブルームは湿気で砂糖が溶け、乾燥時に再結晶することで起きます。脂肪ブルームは主に温度管理不良が原因で、品質に必ずしも安全性の問題はないものの外観や食感が損なわれます。
Q5 : 板チョコ等に表示される「カカオ含有量(%)」が一般的に示すものとして正しいのはどれか?
一般に表示される『カカオ含有量』は、そのチョコレートに含まれる総カカオ成分の割合、すなわちカカオマス(ココアソリッド)とカカオバターの合計比率を示します。したがって同じ数値でも配合の割合により味わいや口当たりは異なります。例えばカカオ含有70%のチョコレートは総カカオ成分が70%で、残りは砂糖や乳固形分などです。抗酸化物質そのものの割合を直接示すものではありません。
Q6 : ヨーロッパにカカオ由来の飲料(チョコレート飲料)が最初に紹介され、広まったのは主にどの国からか?
カカオ由来の飲料は16世紀に中南米からヨーロッパに伝わり、スペインが最初に取り入れて広めた国とされています。スペインの探検家や宣教師が新大陸で見つけたカカオを持ち帰り、当初はスペイン貴族社会で薬効や嗜好品として受け入れられました。その後他国へも広がりますが、最初に公式な記録や普及の中心となったのはスペインであり、そこからイタリアやフランス、イギリスへと波及していきました。}
Q7 : カカオ豆の主要品種のうち、風味が最も繊細で希少とされ、高級チョコレートに用いられることが多いのはどれか?
クリオロ種(Criollo)はカカオの三大品種の一つで、芳香性が高く繊細な風味を持つため高級チョコレートに好んで使われます。一方で病害に弱く収量が低いため市場で希少です。フォラステロは耐病性と高収量が特徴で一般的なカカオ源となり、トリニタリオはクリオロとフォラステロの交雑により誕生した中間的な性質を持ちます。ナシオナルは主にエクアドルなどで見られる地域品種で、独特の香りがありますが、風味の繊細さという点ではクリオロが最も評価されています。これらの特性がチョコレートの風味や価格に直接影響します。
Q8 : チョコレート製造で『ダッチプロセス(アルカリ処理)』を施す主な目的はどれか?
ダッチプロセス(アルカリ処理)はカカオに弱アルカリ性の添加物を加えて処理する工程で、これによりカカオの酸味が和らぎ色が濃くなり、風味がまろやかになります。また粉末チョコレートの溶解性や色の安定性が向上するため製菓材料として扱いやすくなります。これらの変化はpHを高めることで起こり、カカオ本来のフルーティーな酸味や一部の微量成分が変化する点から、風味の好みや用途によって使い分けられます。
Q9 : 法律上や一般的な定義で『ホワイトチョコレート』に必須とされるカカオ由来成分はどれか?
ホワイトチョコレートはカカオ由来成分として『カカオバター(ココアバター)』を含むことが必須です。ココアマスやココアパウダーを含まないため白い色をしており、クリーミーな風味はカカオバターと乳成分、砂糖によって生まれます。各国の規格で細かな最低含有量は異なりますが、ココアバターが含まれていないものは『ホワイトチョコ』とは呼べないのが一般的です。風味は乳固形分や糖分の割合にも左右されます。
Q10 : チョコレートのテンパリングにおいて、ダークチョコレートの仕上げ(作業)温度として一般的に推奨される温度帯はどれか?
ダークチョコレートをテンパリングする際、溶かして冷却した後に再加熱して作業する『仕上げ温度』は一般的に31〜32℃程度が推奨されます。この温度は安定したβ(ベータ)型結晶を維持し、ツヤや食感、パリっとした割れを得るのに適しています。ミルクやホワイトチョコレートは脂肪組成が異なるためやや低めの作業温度が適します。温度管理が不適切だとブルームやべたつきの原因になります。
まとめ
いかがでしたか? 今回はチョコレートクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はチョコレートクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。