カピバラは南アメリカの湿地や河畔に生息する大型の草食性齧歯類で、現存する齧歯類の中で最大の種として知られています。その体長約100〜130cm、体重30〜65kgにもおよぶ巨大な体躯は、水中での泳ぎや水上での休息を可能にする特徴的な身体構造を備えています。また、10〜20頭程度の群れを形成し、盲腸発酵による効率的な植物性の食物消化など、興味深い生態的特性を持っています。本記事では、カピバラについて10問のクイズを通して、その魅力的な生物学的特徴を紹介します。
Q1 : カピバラが栄養を補うために自分の糞を再摂取する行動の呼び名は何か?
カピバラは盲腸発酵でセルロースを分解する微生物を用いて消化を行いますが、発酵産物や重要な微生物を効率よく取り込むため、柔らかい盲腸糞(軟便)を再摂取する行動、すなわちカコトロフィー(cæcotrophy)を示します。この行動によりビタミン類やアミノ酸、腸内細菌を補充し、限られた栄養で効率よく生きることができるのです。
Q2 : 国際自然保護連合(IUCN)が示すカピバラ(Hydrochoerus hydrochaeris)の一般的な保全状況はどれか?
IUCN(国際自然保護連合)の評価では、代表種 Hydrochoerus hydrochaeris は一般に「Least Concern(軽度関心)」に分類されています。広い分布域と比較的安定した個体群を持つため一律の高い絶滅リスクは認められませんが、局所的な生息地破壊や狩猟圧、農地開発などの影響は地域ごとに存在します。また、近縁の別種や局所個体群では異なる評価がされる場合もあります。
Q3 : オスのカピバラが持つ「モリーヨ(morrillo)」と呼ばれる特徴は体のどの部分にあるか?
モリーヨ(morrillo)はオスのカピバラに見られる鼻先や口吻付近の香腺(嗅覚によるマーキングに使われる組織)です。この部位から分泌される匂い物質を用いて縄張りや個体識別、繁殖関連のコミュニケーションを行うと考えられています。雌や若年個体でも同様の腺が見られる場合がありますが、オスで特に発達していることが多いです。
Q4 : カピバラは飼育下ではどの程度長生きすることがあるか?
カピバラは野生ではおおむね6〜10年程度の寿命とされることが多いですが、飼育下では適切な飼育環境や栄養管理により10年を超えて生きる個体もあります。報告例では12年〜14年程度生きた個体もあります。長寿の鍵は適切な食事、湿地や水場のある環境、社会的刺激と疾患の管理です。極端に短命になるのは不適切な飼育や病気が原因です。
Q5 : カピバラの典型的な群れの大きさはどれが最も一般的か?
野生のカピバラは通常10〜20頭程度の群れを形成して生活することが多いです。繁殖期や餌資源の集中によっては群れがさらに大きくなり、30頭〜40頭に及ぶこともありますが、常時100頭以上の超大規模群は稀です。群れは複数の雄や雌、子供から構成され、社会的なコミュニケーションや捕食者への警戒などで協調的行動をとります。
Q6 : カピバラの主な食性はどれか?
カピバラは基本的に草食性の大型齧歯類で、草地の草や水生植物、若芽や樹皮を主な食物とします。消化の効率を高めるため盲腸発酵を行い、また栄養素や腸内細菌を補う目的で盲腸糞(軟便)を再摂取する行動(カコトロフィー、または盲腸糞食)を示します。肉食や腐肉食は習性に含まれず、主に植物性の食物を摂取することが特徴です。
Q7 : カピバラの妊娠期間(出産までの日数)はおおよそどのくらいか?
カピバラの妊娠期間はおおよそ130〜150日程度と報告されており、約5か月前後です。出産時の子は非常に発達しており(毛が生え目も開いている)、生後すぐに草を食べ始めるほどの早熟性があります。通常1回の出産で2〜8頭程度の子を産み、母親や群れの保護のもとで成長します。繁殖生態は地域差や個体差がありますが、概ね上述の期間が妥当です。
Q8 : カピバラが泳ぎに適応している身体的特徴として最も当てはまるのはどれか?
カピバラは半水生の生活様式を持ち、後肢の指の間に明瞭な水かき(蹼)がありこれが泳ぎを助けます。さらに眼・耳・鼻孔が頭部の上側に位置して水中でも周囲を感知しやすくなっています。毛は完全な防水ではなく被毛は水をはじきつつも湿ることがあり、浮袋は持ちません。これらの特徴により水中での機動性と休息が可能となっています。
Q9 : カピバラの学名として正しいものはどれか?
カピバラの代表種の学名は Hydrochoerus hydrochaeris です。Cavia porcellus はモルモット、Myocastor coypus はヌートリア、Castor canadensis は北米ビーバーの学名であり、それぞれ別の齧歯類です。Hydrochoerus 属には地域個体群や近縁種の区別(例えば小型の Hydrochoerus isthmius など)をめぐる議論もありますが、一般にカピバラは Hydrochoerus hydrochaeris として記載されます。
Q10 : カピバラは現存する齧歯類(げっしるい)の中でどれが最大の種か?
カピバラ(学名 Hydrochoerus hydrochaeris)は現存する齧歯類の中で最大種として知られています。成獣は体長約100〜130cm、体重は通常30〜65kgに達する個体もあり、ビーバーやヌートリアよりも明らかに大きくなります。南アメリカの湿地や河畔に生息する大型の草食動物で、群れで生活する社会性や水中適応(泳ぎ・水中での休息)などの特徴があるため、齧歯類の中で最大級であることが確かな分類学的事実です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はカピバラクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はカピバラクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。