サンゴは私たちの海を守る重要な生物です。サンゴ礁は多様な生物が生息する豊かな生態系を支え、沿岸域の自然災害の防御にも重要な役割を果たしています。しかし、近年の気候変動による海水温上昇は深刻なサンゴの白化現象を引き起こし、広範囲にわたるサンゴ礁の大規模な消失をもたらしています。本記事では、サンゴの分類や生態、そして人間社会への恩恵と、深刻な脅威となっている白化現象について解説するクイズを10問ご用意しました。サンゴの重要性を理解し、その保護に向けた取り組みを考えるきっかけとなれば幸いです。
Q1 : 現代におけるサンゴの最大の脅威として最も広範に問題視されているものはどれか?
現在、地球規模で最も深刻なサンゴの脅威は気候変動に伴う海水温の上昇で、これが頻発する白化現象を引き起こし、広域で大規模なサンゴ死滅を招いています。もちろん汚染、過剰漁業、沿岸開発、海洋酸性化なども重大な脅威ですが、近年の大規模な被害の主因として海水温上昇とそれによる生理的ストレスが挙げられます。
Q2 : 海洋酸性化がサンゴに及ぼす主な影響はどれか?
海洋酸性化は大気中のCO2増加に伴い海水中に溶け込むCO2が増え、炭酸イオンやカルシウムイオンの平衡が変化して炭酸カルシウムの飽和度を低下させます。サンゴは炭酸カルシウム(主に方解石や阿藤石)を分泌して骨格を作りますが、飽和度の低下は石灰化速度の低下や骨格の脆弱化をもたらし、成長や耐久性が損なわれ、長期的に礁の維持が難しくなります。
Q3 : サンゴが行うことのある有性生殖の代表的な方法はどれか?
多くのサンゴ種は有性生殖として「マス・スパーニング」と呼ばれる同時放卵・放精を行います。これは種内や種間で繁殖の時期を合わせて一斉に配偶子を水中に放出する現象で、受精確率を高め、プランクトン期を経て新しいポリプが定着します。地域や種によっては放出のタイミングが月齢や水温、日照などで同期します。
Q4 : 礁を主に形成する『礁形成性サンゴ(石灰質の造礁サンゴ)』の特徴はどれか?
礁を形成するサンゴ、特に熱帯域の礁形成性サンゴは褐虫藻と共生して光合成産物を得ることで多量の炭酸カルシウムを分泌し、堆積してサンゴ礁を築きます。これらは浅くて日光の届く海域に多く、群体を形成して石灰質の骨格を蓄積し、長年で大規模なサンゴ礁地形を作ります。暗所で生活する種や陸上植物のような根は持ちません。
Q5 : 光合成性の褐虫藻と共生する礁形成サンゴが主に生息する深さの目安として正しいのはどれか?
褐虫藻は光合成を行うため、共生する礁形成サンゴは日光が十分に届く浅い水深に多く分布します。地域や水の透明度により変動しますが、多くは数十メートルより浅い範囲に集中し、透明度の高い場所ではより深くまで見られることもあります。深海域や淡水域、常時干出する潮間帯が主な生息域ではありません。
Q6 : サンゴの基本単位であるポリプの構造として正しい説明はどれか?
サンゴのポリプは多細胞の袋状の個体で、口と触手を持ち、刺胞で獲物を捕らえる能力があります。多くの堆積性サンゴはポリプが炭酸カルシウムの骨格を分泌して群体を形成します。ポリプは動物であり植物ではなく、遊走性の単細胞生物でもありません。群体としての成長や断片による無性生殖も行います。
Q7 : サンゴ礁が人間社会にもたらす重要なサービスとして最も適当なのはどれか?
サンゴ礁は沿岸域の波を和らげることで浸食や高潮の被害を減らし、多様な生物の生息地を提供して生物多様性を支えます。また漁業の生産基盤や観光資源として地域経済を支える重要な役割を持ちます。酸素生産や砂漠化防止、石油代替のような直接の役割は主目的ではなく、沿岸保護・生態系サービス・食料供給が代表的な恩恵です。
Q8 : サンゴはどの動物門・綱に分類されるか?
サンゴは刺胞動物門に属し、具体的には花虫綱(Anthozoa)に分類されます。刺胞動物門にはクラゲやイソギンチャクも含まれ、刺胞(刺針)を持つのが特徴です。サンゴはポリプという個体からなり、群体を形成するものが多く、形態や生活史はイソギンチャクに似ていますが、骨格を形成する種が多い点で区別されます。分類学的にはさらにサンゴ類は六放サンゴ亜綱などに分かれ、堆積してサンゴ礁を作る種も含まれます。
Q9 : サンゴが光合成性の褐虫藻(zooxanthellae)と共生する主な利点は何か?
多くの礁形成性サンゴは褐虫藻(Symbiodiniaceaeに属する藻類)と細胞内共生を行い、藻類の光合成産物(炭水化物やアミノ酸など)をサンゴが利用します。これにより栄養を効率的に得られるため、栄養が乏しい熱帯の浅海でも大量の石灰質骨格を作り、成長・繁殖が可能になります。褐虫藻はまたサンゴに色を与えますが、栄養供給が主な利益です。
Q10 : サンゴの白化現象(ブリーチング)とは何が起きていることを指すか?
白化現象は主にサンゴが共生している褐虫藻(ゾウキサンテラ=Symbiodiniaceae)を失う、あるいは藻類の色素が機能しなくなることを指します。褐虫藻の損失によりサンゴ本体の白い石灰質骨格が透けて見えるため白く見えます。原因は高水温や光ストレス、低酸素、汚染などの環境ストレスであり、長期化すると栄養供給の途絶によりポリプの死亡につながることがあります。
まとめ
いかがでしたか? 今回はサンゴクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はサンゴクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。