サルの知られざる魅力に迫るサルクイズ
ニホンザルをはじめとするサルたちは、人間との違いや共通点、驚くべき行動特性など、まだまだ探求の余地が多く残されています。本記事では、サルの生態や知性、文化を紐解くクイズを10問ご用意しました。サルの不思議に迫りつつ、ヒトを含む霊長類の多様性や適応の歴史について考える一助となれば幸いです。クイズに挑戦して、サルの魅力をもっと知ってみましょう。
Q1 : 医学研究や実験動物として広く利用される「アカゲザル」「ニホンザル」などが属する霊長類の属名は何か?
正解は「Macaca(マカク属)」です。アカゲザルやニホンザル、ウィルソンマカクなど、多くのマカク属の種は身体的大きさや繁殖特性、飼育のしやすさから医学・生物学研究で広く用いられてきました。特にアカゲザル(Macaca mulatta、いわゆるRhesus macaque)やカニクイザルなどは免疫学や神経科学、行動学研究において重要なモデル生物となっています。
Q2 : 沿岸の岩場で石を使って貝や甲殻類を割る道具使用が報告されているマカク科の種はどれか?
正解は「ニホンザルではなく、実際に沿岸で石を使って貝を割る行動が報告されているのは主に長尾猿(Macaca fascicularis、通称カニクイザル/ロングテールマカク)です。したがって提示の選択肢の中で最も近いのはニホンザルではなく長尾猿に相当する名称ですが、選択肢が限定されているため正解はニホンザル以外の長尾猿であることを指摘します。本問は道具使用の具体例と種の関係を正確に理解することが重要です。
Q3 : 特に樹上生活に適応し、把握尾を持ち歩行や枝渡りに利用することで知られる新世界ザルはどれか?
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Q4 : 前足のように尾先を使って物をつかむ「把握尾」を持つことが多い霊長類のグループはどれか?
正解は「アテイダエ科(Atelidae)などの新世界サルの一部」です。把握尾は新世界ザル(南米産のプラチリニ)に特徴的で、とくにアテイダエ科(クモザル、ハナジロオオハナグマ属を含む)やアトエル類のクモザルやヒヒの近縁種が高度に発達した把握尾を持ち、木上生活に適応しています。旧世界ザル(Cercopithecidae)やヒト上科(Hominidae)には把握尾はなく、尾があっても把握機能は発達していないことが特徴です。
Q5 : マカク類(例えばニホンザル)の群れにおいて、どちらの性が出生群れに残る(母系社会的に定着する)ことが一般的か?
正解は「雌が定着する(メスは出生群れに留まる)」です。マカク類では母系による社会構造が一般的で、雌は出生した群れに留まり続け、母系血縁を中心とした順位や社会的ネットワークを形成します。一方、雄は思春期や成熟に伴いしばしば群れを離れて他群へ移動し、遺伝子的多様性を保つ役割を担います。この性差は繁殖戦略や親族関係、攻撃行動やアライメントに影響を与え、群れの社会生態学を理解する上で重要な特徴です。
Q6 : 1950年代から研究され、海辺でさつまいもを洗うなどの行動が観察された日本のサルの個体群で有名な島はどこか?
正解は「高崎島(正しくは臨海研究で知られる小豆島や高い知名度を持つ事例として広く知られる“カシマ”ではなく、実際に観察されたのは志摩半島や高知県など複数の地域の事例もあるが、最も広く報告され研究の対象となったのは瀬戸内海の高崎や紀伊半島沿岸の個体群)」です。歴史的には香川・愛媛周辺や紀伊半島などでニホンザルが海辺で食物を洗う行動が何度も記録され、特に小規模な島嶼個体群で文化的伝播が観察されました。これらの行動観察はサルの文化学習や行動伝播の研究に重要な資料を提供しました。
Q7 : 一般的なマカク(例えばアカゲザル、ニホンザル)の妊娠期間はおよそ何ヶ月か?
正解は「約5.5か月(約165日)」です。マカク属(Macaca)の種、例えばアカゲザルやニホンザル、ニホンザルに近縁の種では妊娠期間は一般に約160〜175日の範囲にあり、およそ5ヶ月半程度です。これはヒトの妊娠期間(約9か月)より短く、小型~中型の霊長類に見られる典型的な長さで、個体差や種差、栄養状態によって若干の変動が生じます。
Q8 : 食べ物を一時的に頬袋にため込む「頬袋」を持つのはどのグループのサルが代表的か?
正解は「旧世界ザル(Cercopithecidae)」です。頬袋は特にマカク属やヒヒ、イヌザル類など旧世界ザルに発達しており、食物を一時的に保存して安全な場所でゆっくり食べたり、速やかに採餌してから移動したりする行動に役立ちます。新世界ザルやヒト上科には一般的に頬袋は発達しておらず、これは食性や採餌行動、系統的差異を反映しています。
Q9 : 日本に生息し、温泉に入ることで知られる「ニホンザル」は、非ヒト霊長類の中で最も北に生息する種である。どの種か?
正解は「ニホンザル(Macaca fuscata)」です。ニホンザルは北海道南部を含む北緯約41度以北まで分布し、野生の非ヒト霊長類としては最も北方に生息することで知られます。特に長野県や群馬県、そして有名な地獄谷野猿公苑の個体群は、冬季に温泉に入る様子が観察され、寒冷環境への適応や社会的行動の研究対象となってきました。以上の点から最も北に分布する非ヒト霊長類はニホンザルであることが確認されています。
Q10 : 石やハンマー石を使ってナッツや貝を割る道具使用が観察されるサルのグループはどれか?
正解は「カプチン(New Worldカプチン)」です。特に南米のカプチン属(旧Cebus、新属Sapajusなどに分類される個体群を含む)は、石や木の枝をハンマーやアンビルとして用いることで知られ、堅果や貝、昆虫を取り出すための道具使用が定常的に観察されています。これらの観察は道具文化の地域差や学習伝播の研究に重要な知見を与え、人間以外の霊長類における複雑な問題解決能力の証拠の一つとされています。
まとめ
いかがでしたか? 今回はサルクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はサルクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。