カバは美しく勇敢な動物ですが、その生態はまだ十分に解明されていません。本クイズでは、カバの分布域や生態、特徴などについて深く掘り下げて学べます。例えば、カバは驚くほど水中を巧みに移動したり、体から特殊な分泌物を出すことで紫外線から身を守ったりします。また、近縁種のコビトカバなど、種によって生態が大きく異なることもわかるでしょう。カバの魅力と謎に迫る、楽しい10問になっています。クイズを通して、私たちがこの神秘的な動物についてさらに理解を深められればと思います。
Q1 : カバの群れ(ポッド)に関して正しい記述はどれか?
カバは水辺で複数の雌とその子が集まる群れ(ポッド、スクール、ブロートなどと呼ばれる)を形成することが多く、成熟雄は水中で縄張りを維持して複数の雌と接触します。群れの大きさや構成は水や餌の条件に左右され、昼間は水中で休み夜間に陸へ出て採食します。単独性の強いコビトカバとは対照的に、ニシのカバは比較的社会性が高く、オス間の闘争や順位付けが見られます。
Q2 : カバの出産の一般的な場所はどこか?
ニシのカバは多くの場合、水中で出産を行います。妊娠期間はおよそ8ヶ月前後とされ、子は水中で生まれることが多く、出生直後に親と一緒に浮上して初めて呼吸をする必要があります。水中出産は捕食者からの防御や子の体温保持に有利と考えられていますが、そのため母子は生後すぐに水面で呼吸できるよう行動します。陸上での出産報告もありますが、一般的には水中が普通です。
Q3 : カバの大きな犬歯(キバ)の主な用途は何か?
カバの大きな犬歯や門歯は主に闘争や威嚇、ディスプレイに用いられます。これらの牙は成長し続け、個体間闘争や雄の縄張り争いで致命的な打撃を与えるための武器となります。一方で草をすり潰す役割は奥歯が担っており、キバは咀嚼よりも攻撃・防御目的が主です。そのため牙のサイズや形状は社会的・性的選択の結果とも考えられます。
Q4 : ニシのカバ(Hippopotamus amphibius)のIUCNによる保全状況は次のうちどれか?
国際自然保護連合(IUCN)はニシのカバ(Hippopotamus amphibius)を『準絶滅危惧(Vulnerable)』に分類しています。この評価は生息地の破壊、河川や湖沼の干上がり、違法狩猟(肉や牙)、人間とカバの衝突などにより個体数や生息域が減少していることに基づきます。地域によっては個体群が安定または増加している場所もありますが、種全体としては保全上の懸念があると判断されています。
Q5 : コビトカバ(Choeropsis/Hexaprotodon liberiensis)について正しいのはどれか?
コビトカバ(おもに西アフリカに分布する小型のカバ)は主に熱帯雨林や湿潤な森林地帯に生息し、ニシのカバのような大型群れを作らず単独性または小規模な家族群で行動することが多く、夜行性の傾向があります。生息域の破壊と狩猟により個体数は減少し、保全上の懸念がある種です。体はニシのカバより小型で森林生活に適応した行動を示します。
Q6 : カバ(ニシのカバ、Hippopotamus amphibius)の自然分布域はどこか?
ニシのカバ(Hippopotamus amphibius)は主にサハラ砂漠以南のアフリカ大陸、特に河川や湖沼の周辺に分布します。エジプトや西アフリカから東アフリカ、南部アフリカまで広く見られますが、東南アジアや南アメリカ、マダガスカルには自然分布していません。人為的移入例や飼育個体は世界各地にありますが、野生個体の生息域は基本的にアフリカ大陸の湿潤〜半乾燥地域に限定されます。河川や湖に依存する生態であるため、水域の変化や人間活動の影響を受けやすい点も特徴です。
Q7 : カバの最も近縁な現生動物はどれか?
分子系統学の研究により、カバはクジラ(鯨偶蹄目)に最も近縁な現生動物であると示されています。形態的にはサイやゾウ、ブタと似ていない点もありますが、遺伝子解析ではカバとクジラが共通祖先を持ち、陸上の偶蹄類と水生の鯨類が近縁であることが示されました。このため現在では『セタールチオダクティラ(Cetartiodactyla)』の枠組みでカバとクジラが近縁に位置付けられており、進化史の解明に重要な知見を与えています。
Q8 : カバの主な食性は何か?
カバは基本的に草食性で、夜間に陸に上がって短い草を刈り取るようにして採食することが多いです。川や湖の近くに集団で昼間は水中で休み、夜間に1〜2キロ以上移動して草を食べる習性があります。水生植物を食べることや例外的な腐肉摂取の報告もありますが、主食は陸上の草であり、大型肉食動物のように他の大型獲物を襲って捕食することは通常ありません。
Q9 : カバが皮膚から分泌する赤褐色の液体(俗に“血のような汗”)の正体は何か?
カバの皮膚から出る赤褐色の液体は血液ではなく、ヒポスドロリック酸(hipposudoric acid)やノルヒポスドロリック酸などの色素を含む分泌物で、俗に“赤い汗”や“血の汗”と呼ばれます。これらは紫外線防御や抗菌作用を持つと考えられており、皮膚の乾燥や感染を防ぐ機能があるとされています。発汗や体温調節の通常の汗とは異なる分泌物であり、医学的・生理学的にも興味深い物質です。
Q10 : カバは水中でどのように移動するか?
カバは一般に“泳ぐ”というより水中で底に足をつけて歩く、あるいは底を蹴って進むことが多い動物です。浮力で泳ぐこともありますが、長時間泳ぐために泳法で移動するのではなく、浅い水域では底を蹴ることで前進し、深い場所では短時間息を止めて潜水することができます。潜水時間は通常数分程度で、体が重く浮力よりも底面を使った移動が主体となる点が特徴です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はカバクイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回はカバクイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。