洞窟探検(ケイビング)は、自然が織りなす神秘的な地下世界を体験できる魅力的なアウトドアアクティビティです。しかし、見えない落とし穴や危険なガス、突発的な洪水など、様々なリスクが潜んでいます。本記事では、洞窟探検に挑戦する前に知っておきたい基礎知識を、10問のクイズを通して紹介します。洞窟の地形、生物、装備、安全対策など、ケイビングの醍醐味を最大限に味わえるよう、探検前の準備と心構えを身につけましょう。この機会に、大自然が生み出した地下の秘境に迫ってみてはいかがでしょうか。
Q1 : 洞窟で仲間とはぐれた場合の安全な初動として最も適切なのはどれか?
洞窟内で方向を見失った場合は無暗に移動するとさらに深く迷い込む恐れがあるため、まずその場に留まり体力や電池を温存し、位置を明確にするためマーキングや音での合図を行い、事前に決めた集合地点や通信手段で援助を待つのが安全です。事前の計画、ペア行動、時間帰還の約束が迷子対策として有効です。
Q2 : 洞窟内で換気が悪くなった場所にたまりやすく、酸欠や健康被害の原因となることがあるガスはどれか?
二酸化炭素(CO2)は地下空間で局所的に濃度が上昇しやすく、呼吸による排出や有機物分解、湧水中のガス放出で蓄積します。高濃度になると酸素不足を招きめまいや意識障害を引き起こすため注意が必要です。CO2は無色無臭のためガス検知器の携行や換気の確保、複数人数での行動が安全対策になります。
Q3 : 洞窟の鍾乳石や石筍に関して正しい行動はどれか?
(注:CSVの選択肢の並びの都合により「触れて形を覚えるのは問題ない」が選択肢1にありますが、正解は選択肢2です)鍾乳石や石筍は非常に脆く、表面に触れると皮脂や油分が付着して成長が止まるため、基本的に触れないことが原則です。また持ち帰りや破壊は自然遺産の損傷に繋がり法的・倫理的にも禁止されます。観察は手袋や専用の距離を保って行い、保全を最優先にしてください。
Q4 : 洞窟探検でヘッドランプが故障した場合に備えて推奨される照明の携行方法はどれか?
洞窟では完全な暗闇になるため、メインのヘッドランプに加えて独立した予備光源(例:予備ヘッドランプや強力なハンドライト)を携行することが推奨されます。故障や電池切れ、落下破損に備え複数の光源を持ち、電池は予備を持参します。光源は防水性・耐衝撃性のあるものを選び、使用法を事前に確認しておくと安全性が高まります。
Q5 : 洞窟に生息し、完全に暗所適応して目が退化し色素を欠くなど独特の形態を示す生物群を指す用語はどれか?
トログバイト(troglobite)は洞窟環境に恒常的に依存し、光のない環境に適応した生物群を指します。これらはしばしば目の退化や色素の欠如、触覚や嗅覚の発達などを示し、外部環境では生存が難しい種が多いです。保全上敏感で生息地破壊に弱いため、洞窟内での接触や攪乱を避けることが重要です。
Q6 : 洞窟学で「サンプ」と呼ばれるものは何を指すか?
サンプ(sump)は洞窟内で水位が満杯になり通路が水で満たされた箇所を指します。ダイビングを必要とする場合があり、技術的な水中通過を伴うことから一般のケイバーは避けるべき場所です。サンプの存在は洞窟の水位変動や季節による影響を示し、事前の調査や専門訓練がない限り水中区間の突破は非常に危険です。
Q7 : ケイビングに用いる主ロープの直径として、シングルロープテクニック(SRT)で一般的に適切とされる範囲は次のうちどれか?
SRTやケイビングで用いられる主ロープは通常8〜11mm程度の動的・準静的ロープが多く、扱いやすさと強度、摩耗耐性のバランスが取れています。6mmや3mmは細すぎて保守や摩耗に弱く、15mm以上は太すぎて装備や機器との相性が悪くなる場合があります。使用するロープはメーカーの用途指定や点検を確認し、定期的に交換することが重要です。
Q8 : 洞窟内で天井から垂れ下がる石筍や鍾乳石のうち、天井から生じるものは次のうちどれか?
鍾乳石(stalactite)は洞窟の天井から垂れ下がる炭酸カルシウムの堆積物で、水滴に含まれるカルシウムが蒸発・沈殿することで形成されます。対して石筍(stalagmite)は床から積み上がる形で、長期間の滴下により成長します。鍾乳石と石筍が融合するとカラム(柱)になります。これらは非常に脆く、触れると皮脂で成長が止まるため保護が重要です。
Q9 : 垂直の落ち込み(ピッチ)を安全に上下する際に、近年ケイビングで広く採用されている技術はどれか?
シングルロープテクニック(SRT)は一本の主ロープを用いて登下降を行う方法で、専用のアセンダーやディセンダー、ハーネスを用いることが多く、狭い縦穴での運用性に優れます。適切な訓練と装備の管理が不可欠で、アンカーの設定やバックアップ、コミュニケーションが安全確保には必要です。
Q10 : カルスト地形に典型的で、洞窟を形成しやすい母岩として最も一般的なのは次のうちどれか?
石灰岩は炭酸カルシウムを主成分とし、弱酸性の地下水により溶蝕されやすいためカルスト地形や洞窟が発達します。雨水が二酸化炭素を吸収して炭酸を形成し、長期間にわたり溶解が進むことで洞窟体系や鍾乳洞が生成されます。玄武岩や花崗岩は溶解に弱く、洞窟は石灰岩に比べて少ない傾向があります。
まとめ
いかがでしたか? 今回は洞窟探検(ケイビング)クイズをお送りしました。
皆さんは何問正解できましたか?
今回は洞窟探検(ケイビング)クイズを出題しました。
ぜひ、ほかのクイズにも挑戦してみてください!
次回のクイズもお楽しみに。