棒針編みクイズにご興味いただき、ありがとうございます。本記事では、棒針編みに関する10問のクイズをご紹介いたします。棒針編みは奥深い技術で、模様作りや立体成形など、さまざまな応用ができる魅力的な手芸です。このクイズを通して、棒針編みの基本からテクニックまでを楽しく学んでいただければと思います。編み物初心者の方はもちろん、経験者の方にも新しい発見があるかもしれません。それでは、クイズにチャレンジしていただき、編み物の世界をさらに深く探求してみてください。
Q1 : Kitchener stitch(キチナー縫い、ゴム編み綴じ)について正しい説明はどれか?
Kitchener stitch(キチナー縫い)は、生の目(伏せ止めしていない目)同士を糸ととじ針で交互に通していくことで、目と目を継ぎ目なく平らに繋ぐ技法です。特に靴下のつま先の閉じや、肩のシームを平らに見せたいときに使われます。作業は表側と裏側で糸の掛け方が決まっており、綺麗にできれば編み地に継ぎ目がほとんど見えません。作り目や増減の説明とは用途が異なります。
Q2 : ショートロウ(短い段)を使う主な目的はどれか?
ショートロウは段の一部だけを途中で折り返して編むことで、編地の一部の長さを増やし、局所的にボリュームやカーブを作る技法です。かかとやつま先の靴下の成形、肩や胸元の立体的なフィットのためのダーツ、ショルダーやヘムの形作りに有効です。フリル作りや単純な模様調整とは目的が異なり、局所的に余裕を持たせたい場所の成形に特化しています。
Q3 : 仕上げのブロッキング(整形、アイロンやスプレーでの整え)で期待できる効果として最も適切なのはどれか?
ブロッキングは完成した編み地を湿らせ(蒸気または水)て適切な寸法に引き伸ばし、平らにして乾かすことで目を整え、模様やレースのデザインをはっきり見せるための仕上げ工程です。これにより多少の寸法調整が可能になり、縁の形も整います。編み目を固定して縮むのを防ぐ方法ではなく、寸法と形を整えるための仕上げであり、作り目をほどく操作や編む途中の作業とは異なります。
Q4 : ねじり目(ツイストステッチ)を作る一般的な方法とその効果として正しいものはどれか?
ねじり目は表目を通常とは逆方向(例えば右針の後ろ側から)で編む、あるいは既存の目を前後で編み分ける方法で作られます。結果として目が一回転してねじれ、通常の目よりも引き締まって高さが出たり、テクスチャが強調されたりします。これによりケーブルや模様の輪郭がくっきりし、伸縮性や光の当たり方も変わるため意図的に使用されます。YOによる穴あきや減目の目的とは異なります。
Q5 : メリヤス編み(ストッキングステッチ)における表目(表側)と裏目(裏側)の見た目の特徴として正しいものはどれか?
メリヤス編み(ストッキングステッチ)の表側はV字(ヴァイン)模様が連続して見える滑らかな面で、一般に「表」として用いられます。一方、裏側は表目の裏面にあたるパール(こま編み)状の突起が並ぶ面です。これはガーター編みのように表裏が同じ模様になるわけではなく、表裏で明確に見た目が異なるため、完成品でどちらの面を表にするかで印象が変わります。
Q6 : ガーター編み(棒針編み)について正しい記述はどれか?
ガーター編みは各段をすべて表目で編む(往復編みの場合)ため、左右両面ともに横に稜線状の段が出て見た目がほぼ同じになります。メリヤス編み(ストッキングステッチ)は片側がV字(表)、片側がポコポコ(裏)で表裏が異なりますが、ガーター編みは往復でも輪編みでも両面が似た表情になるため伸縮性と厚みがあり、端が丸まりにくい特長があります。この違いは編み地の用途選びや縁処理で重要です。
Q7 : 編み図の指定ゲージ(テンション)より目数が多く出てしまい、出来上がりの幅が小さくなったとき、まず取るべき対処はどれか?
指定ゲージより目数が多い=1インチあたりの目数が多く編地が細かく詰まっている状態なので、目をゆるくする必要があります。最も一般的な対処法は針を大きくすること(号数を上げる)で、これにより1インチあたりの目数が減って寸法が近づきます。編み方を変えたり糸を替える方法もありますが、まずは同じ糸で針を変えて試し編み(ゲージスワッチ)を行うのが基本です。
Q8 : 『糸をかけ目(YO:ヤーンオーバー)』の目的として正しいものはどれか?
ヤーンオーバー(糸をかける)は、針に糸を掛けることで次の段で目を一つ増やす増し目の方法であり、同時に穴(アイレット)ができるためレース編みなどの意匠にも使われます。減らし目ではなく増やす操作で、位置によっては穴が目立たないように他の減らし目と組み合わせて形を整えます。端処理や伏せ止めとは異なり、編地の模様作りや通気性の付与に利用されます。
Q9 : プロビジョナル(仮)作り目の主な用途はどれか?
プロビジョナル作り目(仮作り目)は、後でほどいて作り目部分から生の目を取り出し、別の糸や方向で編み継ぐ際に便利な一時的な作り目です。具体例としては、ショールの両端を後でつなぐ、襟ぐりを開いて後で縁を編み付ける、二色で編んだ部分をつなぐなどの際に利用します。取り外し可能であることが利点で、永久的に縁を固める目的の作り目(例えば長めの滑らか作り目)とは用途が異なります。
Q10 : M1(メイクワン)増し目の一般的な作り方として正しいのはどれか?
M1は「間(between)」の略で、既存の目と目の間にある横糸(バー)を針で拾って新しい目を作る増やし方です。一般的には拾ったバーを裏側(後ろから)で編むことで目をねじって安定させ、隙間を小さくします。kfb(表目の前後で編む)やYOとは別の手法で、目の位置が自然で目立ちにくいため袖付けや脇の増し目によく使われます。